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ハワイの新聞記事から その228 1956年 シャヒーンズ~シャヒーンのプリント生地には異国風の名前がついている(1) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、
アロハシャツに関する
ハワイの新聞記事の中から
面白そうなものを
ランダムに選び、
翻訳してご紹介しています。

ハワイの衣料品産業に関する
1956年のホノルル・
アドヴァタイザー紙掲載の
シリーズ記事の続きを
お送りします。
前回まではハレ・ハワイに関する
記事でしたが、
今回からは、第5回の、
シャヒーンズです。

****************************

『1956年 シリーズ
ハワイのファッション産業
第5回シャヒーンズ
シャヒーンのプリント生地には
異国風の名前がついている(1)
文/セシル・ネイション

編集者注:これは、
ハワイ衣料品メーカー組合に
属する会社に関する
シリーズ記事の第5回である。
今回の物語は
シャヒーンズについてである。


 シャヒーンズの
英国人デザイナー、
リチャード・グッドウィンは、
彼のオフィスの隅にある
スツールに腰かけて
スケッチをチェックしていた。

ジョス・スティック(線香)、
ルアウ、
フィジー・ボーダー・タパ、
カントン(広東)、
キョウト・アンド・
ローリング・サーフ
(京都と打ち寄せる波)
といった異国風の名前が
ついている、
高度に着色された
プリント生地の、
燃えるような色彩に囲まれて
くつろいでいるように見えた。

それらは全て、
同社のパシフィック・ポーツ・
オブ・コール(太平洋寄港地)
コレクションから採用した
プリント生地デザインである。

 これらのシルク・
スクリーン・プリントは、
彼が有名なリネン会社、
モイガシェルの
デザイナーとして
働いていた時の、
くすんだ色合いのラインからの
気分転換なのである。

グッドウィン氏は、
オックスフォード大学と
ロンドン工科大学を、
デザインとドレスメーキングを
専攻して卒業し、
パリのメゾン・パキンや
ロンドンのモイガシェルに
在籍した後、1952年に
ホノルルにやって来た。』

****************************

shaheen's.jpg

(1950年代半ば頃の織ネーム)

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w1056249405

(ヤフオク出品物より引用)

****************************

今回から、
シャヒーンズの
紹介記事になります。

先日翻訳した、
カメハメハの紹介記事の中で、
シャヒーンズのデザイナーの
リチャード・グッドウィンが
カメハメハに移籍した
という話が出てきました。

その時の情報と
かなり重なりますが
(正確には、こちらの
記事の情報をあちらが
引用したのですが)、
重ならない情報も
多少はあるでしょうから
この記事にも
期待したいところです。


まず今回の部分では、
各プリントに付けられた
名称がいろいろと出てきます。

ジョス・スティック、
ルアウ、
フィジー・ボーダー・タパ、
カントン、
キョウト・アンド・
ローリング・サーフ
などです。

この中には筆者がすでに
知っている柄もあれば、
まだ知らない柄もあります。
知らない柄は
どんな柄なのだろうと
想像が掻き立てられます。
特に「キョウト・アンド・
ローリング・サーフ」なんて
どんな柄なんでしょう?
例えば「金閣寺と荒波」とか?

シャヒーンズには本当に
たくさんの柄がありますね。
ここでは名前が「異国風」だと
紹介されていますが、
名前だけでなく、柄そのものも
かなり風変わりなものが
多くあります。
そこがまた
シャヒーンズの魅力なのですが。


それから、
「太平洋寄港地コレクション」
というのは、初めて聞きました。
どんなコレクション
なのでしょう?

「東洋を含む太平洋全域の文化」
を題材にした
コレクションのことだと
推測されますが、
それって、
シャヒーンズのコンセプト
そのものではないでしょうか?
(ハワイだけでなく
東洋的なモチーフも
分け隔てなく取り上げる姿勢が
感じられますよね?)


(次回に続く)

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ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(211)良柄のアロハシャツ [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]

本日は祝日なので、
恒例の「ヤフオクで見かけた
ヴィンテージアロハシャツ」
をお届けします。

今回は、
少し前から出品されている
「良柄のアロハシャツ」を
ご紹介します。

kapahulubeachboysという
同一の出品者さんですが、
カリフォルニアで
ヴィンテージショップを
経営していたそうです。
いい柄をたくさん
出品していますので
その中のいくつかを
取り上げます。

まず最初はこちら ↓ です。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b1053942182

こけしがたくさん描かれた
非常に珍しい柄です。
織ネームは欠損していますが
「アルフレッド・シャヒーン」で
間違いないと思います。

素材はコットン、
ボタンは古銭ボタンです。
1960年代前半頃の製品です。


続いてはこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b1051339897

「デュークス・シェル」という
通称で呼ばれている有名柄です。
サンサーフもカハナモク・
ブランドで復刻していますね。
特に紺地のものは
人気が高いです。

織ネームは正方形の
「デューク・カハナモク」、
素材はレーヨン、
プリントは抜染、
ボタンは貝ボタンです。
かなりの高額ですが、
希少なので仕方がないですね。


そしてこちら。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d512767665

ヤシの木と海と帆掛け船と
水着姿の男女が
飛び飛びに描かれています。
なかなか珍しい柄だと
思います。
筆者は初めて見ました。

ブランドはカハラで、
1950年代の織ネームが
ついています。

素材はざっくりと目の粗い
レーヨンで、
ボタンはココナッツです。

枯れたシブさのある
アロハシャツで、
筆者は好みだなあ。



最後にもう1つ選ぶなら
こちらでしょう。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s1051360513

ボンバックスの花が
ボーダーで描かれた
有名柄です。
『定本ハワイアンシャツ』の
P147にも色違いが
掲載されています。

実はこの柄、
ハワイの広告では
「レイ・レフア」柄と
命名されていました。

ブランドは「サーフンサンド」、
素材はレーヨン、
プリントは抜染で、
ボタンはココナッツです。



今回はこの辺で。
次回をお楽しみに。


(次回に続く)

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ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(210)新出品のアロハシャツ [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]

本日は週末なので、
恒例の「ヤフオクで見かけた
ヴィンテージアロハシャツ」
をお届けします。

今回は
「新出品のアロハシャツ」
(一部終了済み)を
ご紹介します。
まず最初はこちら ↓ です。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o1064129558

富士山とお城の柄です。
ブランドは日本の
「サンブラザーズ」、
素材はレーヨン、
ボタンは尿素ボタンです。

サンブラザーズは
たいてい両胸に
フラップ・ポケットが
付けられており、
しかもフラップの下に
さらにボタンが
付けられています。
作りが丁寧なのです。


もう1つサンブラザーズです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t1063876892

こちらはつい先日、
終了してしまっていますが、
良い柄なので
取り上げておきます。

太鼓と鷲と玩具の宝船が
描かれています。
伝統的な吉祥文様ですね。
この手の文様は、
1940年代末頃の、
初期アロハシャツに多く見られ、
また襟が大きいところからも
上の富士山柄より
古いものではないかと
推測します。

胸のポケットは
両胸ではなく左胸のみで、
フラップも付いていません。
サンブラザーズでは
珍しいディテールです。

素材はシルク、
ボタンは貝ボタンです。


続いてはこちらです。
こちらも先日終了しています。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t1062553454

ハワイの地図と、
フラガールやアロハタワー、
アウトリガーカヌーや
パイナップルなど、
わかりやすいモチーフが
描かれています。

織ネームは
「ハウオリカマアイナ」で、
カリフォルニア製です
(このブランドのことは
あまりよくわかりません)。

素材はレーヨン、
プリントは抜染、
ボタンは尿素ボタンです。
王道のアロハシャツですね。


9月も下旬になってくると
終了してしまうものが
目につきます。
ご紹介できるものが
少なくなるのは
ちょっと残念ですね。


次回をお楽しみに。


(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その227 1956年 ハレ・ハワイ~ファッションにおける中国的傾向が特筆される(4) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、
アロハシャツに関する
ハワイの新聞記事の中から
面白そうなものを
ランダムに選び、
翻訳してご紹介しています。

現在は、
1956年のホノルル・
アドヴァタイザー紙に
掲載された、
ハワイの衣料品産業に関する
シリーズ記事の第4回で、
ハレ・ハワイが
取り上げられています。

****************************

スクリーンショット 2022-09-17 133803.jpg

スクリーンショット 2022-09-17 133658.jpg

↑ ゴム締めの水着の上に
パケ・ジャケットを着ている。
その水着は
赤とグレーのタパ柄で、
明るい赤色のジャケットを
合わせている。

****************************

『1956年 シリーズ
ハワイのファッション産業
第4回 ハレ・ハワイ
ファッションにおける
中国的傾向が特筆される(4)
文/マイレ・カーンズ

 サイドスリットの入った
ペンシル・スリムのドレスを
探している人のために、
胴部をチャイニーズ・
フロッグ・ボタン
(訳注:中華風飾りボタン)で
留める、前開き式の
ティータイマーが
デザインされたのである。

 ビーチへの行き帰りに
着るための
お揃いの上着の付いた水着は
売れ行きが良い。

 1950年に創業した
ハレ・ハワイ株式会社は、
ハワイに来た観光客と、
ハワイに来ることは出来ないが
ハワイの服を本土の店で買う
本土の人との両方に向けた
服の中に、
派手さと珍奇さを込めることで、
成長へとつなげてきた、
新興メーカーの1社である。』

****************************

ティータイマーというのは、
主に1940~50年代に作られた
袖なしで立ち襟のシャツです。
こちら ↓ はラウハラの
ティータイマーですが、
デザインをご覧ください。

151548127_o2.jpg

https://samantha-vtg.shop-pro.jp/?pid=151548127
(古着屋サマンサさんの
 HPより引用)


また、チャイニーズ・
フロッグ・ボタンというのは
こんな ↓ ボタンです。

スクリーンショット 2022-09-17 213654.jpg

https://item.rakuten.co.jp/rose-rosa/10004093/
(ローズローザさんの
 HPより引用)

確かに、このようなボタンが
付けられていたら、
「中国的傾向」が現れていると
言えるかもしれませんね。


ところで、
上の記事の最後の部分に
なかなか重要な情報が
いくつか書かれていますので、
最後に確認しておきます。

「1950年に創業した
ハレ・ハワイ株式会社は、
ハワイに来た観光客と、
ハワイに来ることは出来ないが
ハワイの服を本土の店で買う
本土の人との両方に向けた
服の中に、
派手さと珍奇さを込めることで、
成長へとつなげてきた、
新興メーカーの1社である。」

まず
・ハレ・ハワイは
「1950年創業」であるという点、
そして、
・「ハワイに来た観光客」と
「ハワイの服を本土の店で買う
本土の人」との両方に
販売していたという点、
・「派手さ」(=カラフルな色の
ハワイ柄)と
「珍奇さ」(中国柄など)の両方を
意識していたという点、
・この時代(1950年代半ば)には
ハワイと本土の両方で売る
新興メーカーが
いくつかあったという点、
などに注目しておきたいと
思います。


ハレ・ハワイに関する
今回の記事はこれで終わりです。


(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その226 1956年 ハレ・ハワイ~ファッションにおける中国的傾向が特筆される(3) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、
アロハシャツに関する
ハワイの新聞記事の中から
面白そうなものを
ランダムに選び、
翻訳してご紹介しています。

現在は、
1956年のホノルル・
アドヴァタイザー紙に
掲載された、
ハワイの衣料品産業に関する
シリーズ記事の第4回で、
ハレ・ハワイが
取り上げられています。

****************************

スクリーンショット 2022-09-16 232421.jpg

スクリーンショット 2022-09-16 232443.jpg

このぴったりしたドレスは
中国の影響を受けている。
グレー、オレンジ、白の
漢字の柄になっている。

****************************

『1956年 シリーズ
ハワイのファッション産業
第4回 ハレ・ハワイ
ファッションにおける
中国的傾向が特筆される(3)
文/マイレ・カーンズ

 簡単に着るため、
フルスカート
(ギャザーなどでシルエットを
ゆったりさせたスカート)・
タイプの、
ゴム絞めのサンドレスが、
四季を通じて人気である。

ロック氏は最近発見した。

プリントの柄や色は
変化するかもしれないが、
サンドレスのスタイル自体は
多くの女性たちに毎年
気に入られているのがわかる。

人気を保ち続けている、
また別のモデルは
サロン・ドレスである。

 余暇時間に着るような、
好奇心をそそる服への関心は
だんだん増えている。

ロック氏は言及した。

ドレッシーなポンジーやシルクの
ティータイマーだけでなく、
カジュアルな素材の
ティータイマーも求められている。

その一方で、
コントラストの強いプリント柄と
無地の素材を使った
ペダル・プッシャーは
バイヤーの目を引いている。』

****************************

サンドレス、サロン・ドレス、
ティータイマーが人気で、
ペダル・プッシャーは
バイヤーに好まれている、
ということのようです。

また、漢字柄のドレスがある
ということは、
漢字柄のアロハシャツも
あるはずです。

ハレ・ハワイに限りませんが、
1950年代後半には
オリエンタルな柄
(和柄や中国柄)が
多く見られます。
ハレ・ハワイのこの漢字柄は
その先駆けと言っても
良いくらい早い時期の
製品だと思います。


(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その225 1956年 ハレ・ハワイ~ファッションにおける中国的傾向が特筆される(2) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、
アロハシャツに関する
ハワイの新聞記事の中から
面白そうなものを
ランダムに選び、
翻訳してご紹介しています。

現在は、
1956年のホノルル・
アドヴァタイザー紙に
掲載された、
ハワイの衣料品産業に関する
シリーズ記事の第4回で、
ハレ・ハワイが
取り上げられています。

****************************

『1956年 シリーズ
ハワイのファッション産業
第4回 ハレ・ハワイ
ファッションにおける
中国的傾向が特筆される(2)
文/マイレ・カーンズ

 ハレ・ハワイは、
1年に2度新作を出し、
最初はワイキキの複数の店で
テスト販売する。

水着のデザインは
新しいラインごとに出る。

その後、最も人気のある
アイテムが、
本土の販売店への
輸出用に選ばれる。

その中には、
フロリダや西海岸にある
リゾート都市や、
暖かい気候用の服が
よく売れるテキサスなどの
販売店が含まれる。

 「観光客は、
ハワイ的だと
簡単にわかるような
モチーフが入った、
明るい色の
ハワイアン・プリントを
好むのだということに
我々は気付きました。」と
ロック氏は言った。

「パイナップルやレイ、
ハイビスカス、サーフボード、
その他、ハワイ固有のものなら
何でも観光客を惹きつけますし、
色は派手であればあるほど
良いのです。」』

****************************

筆者は、ハレ・ハワイは
ハワイだけで売られていたと
勝手に思い込んでいましたが、
フロリダやカリフォルニアや
テキサスなどでも
売られていたようです。
これは新情報ですね。

そしてハワイらしいモチーフを
積極的に打ち出していたことも
今回の記事で分かりました。

例えば、このような柄 ↓ 

s-DSCN6585.jpg

(筆者コレクションより)

もハワイらしいモチーフと
言えるでしょう。


(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その224 1956年 ハレ・ハワイ~ファッションにおける中国的傾向が特筆される(1) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、
アロハシャツに関する
ハワイの新聞記事の中から
面白そうなものを
ランダムに選び、
翻訳してご紹介しています。

だいぶ前に翻訳していた、
ハワイの衣料品産業に関する
1956年のホノルル・
アドヴァタイザー紙掲載の
シリーズ記事の続きを
お送りします。
前回はカメハメハに関する
記事でしたが、
今回からは、第4回の、
ハレ・ハワイです。

****************************

『1956年 シリーズ
ハワイのファッション産業
第4回 ハレ・ハワイ
ファッションにおける
中国的傾向が特筆される(1)
文/マイレ・カーンズ

編集者注:これは、
ハワイ衣料品メーカー組合に
属する会社に関する
シリーズ記事の第4回である。
今回の物語は
ハレ・ハワイ株式会社の
話である。

 フロリダ、テキサス、
米国西海岸の小売店への輸出が
予定されているスタイルの中で、
ファッションにおける
中国的傾向に
明らかに関心を寄せる
本土の人々のことを、
ハレ・ハワイ株式会社は
特筆していると、
この衣料品会社の社長
W.C.ロック(筆者補足:
ワー・チョー・ロック)
は言う。

 「東洋的なモチーフ
だけでなく、
中国風のネックラインを
持った細身のドレスや
ティータイマーなどは全て、
当社の本土の卸先で
人気があることを
証明しています。」と
ロック氏は言った。

彼は、同社が製造する
服の多くで使われる
生地を手に入れるため、
アジアへの定例の
買い付け旅行をしている。

その中には、
ずっと人気のある
コットンのほか、
ポンジー、シルク、
壁縮緬が含まれる。』

****************************

1956年のハレ・ハワイが
レーヨンの壁縮緬を
使っていたという発言は
非常に重要です。

なぜならレーヨン壁縮緬は、
1950年代の半ばに
使われなくなったことが
わかっています。
おそらくコストの点で
合わなくなってきた
ためでしょう。
ただ、いつまで使われたかは
はっきりしません。
今回の発言で、少なくとも
1956年にはまだ使われていたことが
明らかになりました。

例えば、こちら ↓ の
ヤフオク出品物も、
1950年代半ば頃の縮緬製の
ハレ・ハワイです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/l431170863

このアウトリガーカヌーの柄は
京都のアロハ貿易で
プリントされたものですが、
似た柄が、縮緬ではなく
スムース・レーヨンに
プリントされるように
なるのです。

パリハワイアンのこちら ↓ 。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/1063434243

筆者は、プリントの繊細さや
色数の違いなどから
縮緬の方が古くて
レーヨンの方が新しいと
推測しています。


今回、中国的な傾向について
語られていますが、
ハレ・ハワイの
アロハシャツに関しては、
中国的なものが
直ぐには出てきませんでした。
女性物に多く見られた
特徴なのかもしれません。



(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その223 1966年 リチャード・グッドウィンがカメハメハ・ガーメント社に入社(4) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、
アロハシャツに関する
ハワイの新聞記事の中から
面白そうなものを
ランダムに選び、
翻訳してご紹介しています。

引き続き、
カメハメハ・ガーメント社に
関する記事をお送りします。
現在は、1966年のホノルル・
アドヴァタイザー紙に
掲載された記事を
翻訳しています。

****************************

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(リチャード・グッドウィン氏)

****************************

『1966年 リチャード・
グッドウィンがカメハメハ・
ガーメント社に入社(4)

 カメハメハ・ガーメント社は
現在31年目であるが、
ハワイで最初に会社組織となった
衣料品メーカーである。

そしてハワイアン・
ファッションを
米国本土で最初に販売した
会社でもある。

彼らが自社の服をモデルに
着せて見せるために
ビヴァリー・ノアを
ミス・ハワイとして
大都市巡りのツアーに
連れ出した時に、
ミス・ハワイという
水着のラインを
始めたのである。

 同社のミス・ハワイの水着は
現在もまだ有名であるが、
同社は家族全員が選べるような
ハワイアン・スポーツウェアを
幅広く生産している。

 同社は現在、
ハワイアン・スポーツウェアを、
パリ、オランダ、スウェーデン、
ドイツ、ヴァージン諸島、
バーミューダ、
ニュージーランド、
オーストラリアで販売しており、
総売上高は年間100万ドルを
超えていると
ブライナー夫人は言った。』

****************************

この記事は今回で終わりです。
そしてカメハメハに関する
新聞記事の翻訳も、
これで終わりとなります。

次回からはまた別の
メーカーに関する記事を
翻訳していきます。
お楽しみに。


(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その222 1966年 リチャード・グッドウィンがカメハメハ・ガーメント社に入社(3) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、
アロハシャツに関する
ハワイの新聞記事の中から
面白そうなものを
ランダムに選び、
翻訳してご紹介しています。

引き続き、
カメハメハ・ガーメント社に
関する記事をお送りします。
現在は、1966年のホノルル・
アドヴァタイザー紙に
掲載された記事を
翻訳しています。

****************************

GOODWIN.jpg

(リチャード・グッドウィン氏)

****************************

『1966年 リチャード・
グッドウィンがカメハメハ・
ガーメント社に入社(3)

 その後、彼(訳者補足:
リチャード・グッドウィン)は、
ゴールデン・デケイド・
ファッションショーを
上演する際に
ブライナー夫人と仕事をした。

ちなみにそのショーは、
1964年9月のホノルル・
インターナショナル・センターの
オープニングの催しの
一部であった。

彼はまた、
アロハ・ウィークの
衣装コンサルタントを
ここ10年間務めている。

 グッドウィンは
ホノルルの複数の
慈善ファッションショーで
頻繁に解説者をしており、
ハワイのファッション産業や、
ファッション業界に進む
学生たちに講演もしている。

現在は、ホロクやムームーの
歴史に関する本の執筆に向けて
調査をしているところである。』

****************************

リチャード・グッドウィンは
アルフレッド・シャヒーン社の
スタイリング・ディレクターを
務める傍ら、
外部のファッションショーの
デザイナーや、
コンサルタントや解説者など
様々な活動もしていたことが
この記事で明らかになりました。

そして非常に気になるのは、
彼が執筆しようとしていた
「ホロクやムームーの
歴史に関する本」です。
その後完成したのでしょうか?
ハワイ大学の図書館などでも
見かけたことがないので、
出版されることは
なかったのでしょうか?
ぜひ読んでみたいですね。


(次回に続く)

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ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(209)新出品のアロハシャツ [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]

本日は週末なので、
恒例の「ヤフオクで見かけた
ヴィンテージアロハシャツ」
をお届けします。

今回は
「新出品のアロハシャツ」、
しかも、かなりスペシャルな
アロハシャツをご紹介します。
こちら ↓ です。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t1063432958

ススキのような、細毛の花と
長い葉っぱが描かれています
(何の花かわかりません)。
色もピンクと緑で、
とてもきれいですね。

このシャツのすごいところは
厚手のカーテンの生地
(バーククロス)で
作られていることです。

ブランドは「ウォングス・
ドレイパリー・ショップ」で、
このブランド以外には
カーテン地のアロハシャツは
ほぼないだろうと思われます
(筆者はそう考えます)。
1950年前後の一時期しか
作られなかったであろうと
考えられ、それゆえこれは
非常に希少なシャツなのです。


以前、元ハワイ大学教授の
リンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の
翻訳をお届けしましたが、
その中でこの店の話が
出てきたことがあります。
こちら ↓ です。

https://vintage-aloha-shirt.blog.ss-blog.jp/2021-05-06

そこでアーサー氏は
「1940年代前半に
アロハシャツは
カーテンの端切れで
作られていた。」と
述べていますが、
筆者は異なる意見を
持っています。

「1940年代前半に
カーテン地のアロハシャツが
存在していた」という事実を
資料からも現物からも
確認できていないため、
その時代にすでに存在したと
までは断言できないのです。

ちなみにウォングス・
ドレイパリー・ショップは
1947年にオープンしました。
また同店の1949年の新聞広告に
カーテン地のアロハシャツが
掲載されています
(これが筆者が見つけた
同店の最初の広告です)。

つまり1947年~49年のどこかで
同店が作り始めたのではないか、
そしてそれがカーテン地の
アロハシャツの最初ではないかと
筆者は考えているのです。

しかもカーテン地の
アロハシャツは、同店の
1952年の広告には出てきますが、
1953年の広告には出てきません。
「1952年でなくなった」と
断言することは
もちろんできませんが、
1952年から数年のうちに
なくなった可能性は
十分あると筆者は考えます。

カーテンの生地は厚くて重いので
アロハシャツには向かないと
思うからです。
しかも長期間作られていたなら
もっとたくさん現存していても
おかしくないのに、そして
ウォングス以外のブランドが
あってもいいのに、
実際はウォングスしか出て来ず、
数も非常に少ないのです。
そのことからも、短期間だけ、
しかもウォングスだけが
作っていたと考えた方が
しっくりくるのです。

話が長くなってしまいましたが、
このシャツは、
1940年代末~50年代初頭の
製品だというのが
筆者の見解です。

ボタンはココナッツボタンで、
両裾にポケットが付いています。


最後に、前回ご紹介した
ウォングスの別柄のシャツを
再度掲載しておきます。

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(ハワイ大学の
衣装コレクションより引用)

m_HAO_0027_1.JPG

m_HAO_0027_3.JPG

(過去のヤフオク出品物より引用)


今回は、貴重なシャツが
出品されていたので、
それにまつわる話を
深く掘り下げてみました。


次回をお楽しみに。


(次回に続く)

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