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テレビドラマ『ウルトラセブン』に出てくるヴィンテージ・アロハシャツ [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

今回は「ゴールデンウィーク特別企画」として、
「映画やテレビで見かけたアロハシャツ」をお届けします。

前回は今年の年初に、「新春特別企画」として、
映画『オーシャンズ13』に出てくるヴィンテージをご紹介しましたが、
それ以来ですね。

今回取り上げるのは、テレビドラマ『ウルトラセブン』です。

先日テレビで放送されているのを見て見つけました。
第46話「ダン対セブンの決闘」です。

この回は、「伊良湖岬一帯で続く怪現象を調査する」という話なのですが、
前半はホテルのプールが舞台だったため、
ダン隊員はアロハシャツ風のプリントシャツを着ていました
(ただしアロハシャツではありません)。

そして後半で、ウルトラ警備隊隊員が全員、現場に到着するのですが、
その中でなぜか「ソガ隊員」がひとりアロハシャツを着て登場しました
(それまで制服姿だったのが、どこかで着替えてきたという、
 その不思議さはこの際、置いておきましょう)。

それが、こちら ↓ です。

s-DSC_0287.jpg


コットンのパレオ柄です。

当ブログをずっと読んでくださっている方なら、はっと気が付いたかもしれません。
そうです、「あの柄」です。

s-DSCN9828.jpg


1963年に公開された、
黒澤明監督の映画『天国と地獄』に出てくるアロハシャツと同じです。
この柄のことは以前、ご紹介しました。


そして、もう1つ同じ柄が出てくる映画があります。こちらです。

s-DSCN9840.jpg

社長シリーズの中の1本で、同じ1963年に公開された
『社長外遊記』に出てくるアロハシャツとも同じなのです。
この柄についてもご紹介しましたね。


ウルトラセブンが放送されたのは1968年8月なので、
撮影されたのも同じ1968年と考えていいでしょう。
同じ柄が1962~63年(2本の映画の撮影推定年)から68年まで
ずっと売られていたというのもちょっと考えにくいので、
どこかの映画会社の倉庫から借りてきたのでしょうか?
(ウルトラセブンは東宝の砧撮影所で撮影されていたように見えるので、
 そのあたりでしょうか?)


さて、その柄のヴィンテージ・アロハシャツを所有しているので、
前回も同じものをご紹介しましたが、改めてご紹介しておきます。
こちらです。

s-DSCN2772.jpg

s-DSCN2782.jpg

(筆者コレクションより)

ブランドは「パラダイスハワイ」で、ハワイ製です。
また素材はコットンサテンで、ボタンは透明なプラスチックボタンです。


上の、ソガ隊員の着ているシャツの、向かって右下の部分 ↓ 

拡大.jpg

と、このシャツの同じ柄部分の拡大画像 ↓

s-DSCN2781.jpg

を見比べてください。同じ柄であることがわかるでしょう。
色も同じですね。



この柄は、なぜ、さまざまな作品に登場するのか、本当に謎です。
それほど有名な柄でも、とりたてて特徴がある柄でもないからです。

プリント生地はおそらく日本でプリントされたものですが、
一部はハワイに輸出され、ハワイでシャツに仕立てられました
(それが上の、「パラダイスハワイ」のシャツです)。
また一部は日本でシャツに仕立てられたのでしょう
(だから、日本のブランド名の織ネームが付いたシャツも存在するかもしれません)。


1960年代の日本のプリント業界は活気に満ちていたことが想像されます。
もっと深く調べたいですね。



今回はこの辺で。
次回をお楽しみに。



(次回に続く)

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映画『オーシャンズ13』に出てくるヴィンテージ・アロハシャツ [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

前回に続いて今回も「新春特別企画」、
「映画やテレビで見かけたアロハシャツ」をお届けします。

前回は映画『オーシャンズ11』に出てくるヴィンテージをご紹介しましたが、
今回はその続編にあたる『オーシャンズ13』に出てきたヴィンテージを取り上げます。

こちら ↓ です。

DSCN2101.JPG

DSCN2100.JPG

DSCN2102.jpg


この画像では柄がよくわかりませんが、
このシャツは、「シャヒーンズオブホノルル」が製造したものになります。
有名柄ではないので、復刻品ではなくヴィンテージでしょう。

現物の画像を探してみましたが、
残念ながら現在ヤフオクでの出品はなく、
また筆者も所有していません。

ただ、洋書『THE ALOHA SHIRT』のP89に掲載されています
(ただし織ネームは「サーフンサンド」になります)ので、
その画像をご紹介しておきます
(少し光って見にくいかもしれませんがご了承ください)。

DSCN2103-1.jpg

中央・縦に、中ぐらいの大きさのハイビスカスが並び、
左右・縦に、巨大なハイビスカスと、サヤエンドウのようなタパ模様が並んだ、
不思議な柄になります。
素材はコットンで、ボタンはココナッツボタンです。
また、両胸にフラップポケットが付く、
シャヒーンズとしては古いタイプのデザインとなっています。

筆者がハワイの新聞を確認したところ、
この柄の広告は見つかりませんでしたが、
この柄のシャツを着ている観光客の写真が1951年と52年に見つかりました。
よって、(もちろん確実ではありませんが)
1951年~52年頃に発売されていた柄ではないかと推測します
(ハイビスカスではありませんが、これと似たようなデザインの柄が、
 その頃の広告に確認されますので、年代的にそう外れてはいないと思います)。


シャヒーンズ好きの筆者は良い柄だと思いますが、
世間一般で好まれるかと言えばやや微妙な柄ではないでしょうか?
大柄なところが映画映えするということで選ばれたのかもしれませんね。



(次回に続く)

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映画『オーシャンズ11』に出てくるヴィンテージ・アロハシャツ [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

新年あけましておめでとうございます。
今年もヴィンテージアロハシャツに関する話題を
たくさん発信してまいります。
当ブログをよろしくお願いいたします。

さて今回は「新春特別企画」として、
いつもの翻訳ではないシリーズをお届けします。

久しぶりの「映画やテレビで見かけたアロハシャツ」です。

年末に衛星放送で映画『オーシャンズ11』を放送していたのを見て、
以前から気に留めていたこちら ↓ のヴィンテージをご紹介します。

DSCN2099.JPG

DSCN2098-1.jpg

オーシャンズシリーズには時々ヴィンテージ・アロハシャツが出てくるのですが、
現行品のレプリカではなく、ヴィンテージを使っているように見えます。
こちらのシャツも、おそらくヴィンテージでしょう。

こちらはわりと有名なパイナップル柄で、
専門書にもよく掲載されていますね。
例えば『定本ハワイアンシャツ』のP116右下(白地)とか、
洋書『The Hawaiian Shirt』のP47左側(赤地)やP96(紺地)とかに
紹介されています。
特に後者では、(先日新聞記事の翻訳でご紹介したように)
著者はパイナップル柄に思い入れがあるようで、
「謝辞」を述べた最終ページに、このシャツを着た自身の写真
(顔はパイナップルに置き換えています)を掲載しています。
普通、自身の写真を撮る場合、最も気に入った服を着ていると考えられるので、
この柄は著者のお気に入りなのではないでしょうか?


同じ柄は、ヤフオクにも出品されていたのでご紹介しておきます。
こちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b532887037

織ネームは欠損していてブランドは不明ですが、
この柄の場合、「メイドインカリフォルニア」が付けられていることが
多いように思います。


両社が同じ柄かどうかが一目ではわかりにくいので、
映画のシャツ(白地)とヤフオクのシャツ(紺地)の、同じ部分を並べておきます。

スクリーンショット 2022-01-01 204539-1.jpg

映画のシャツ(白地)は両胸にポケットがあるタイプなので、
ポケットの部分で柄が一部(大きいパイナップルの下の部分が)欠けていますが、
それ以外のヤシの木などを見ると、同じ柄であることがわかります。


この柄は、とりたてて目立つ柄ではありませんが、
普通にカッコイイ柄だと思います。
『オーシャンズ11』の衣装担当者は、このシャツを選ぶとは、
なかなか良い趣味をしていますね。


次回もお正月企画を予定しています。
お楽しみに。




(次回に続く)

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NHK五輪中継で北島康介氏が着用したルイ・ヴィトンの「アロハシャツ」 [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

本日8月4日のNHKの五輪中継に出演した北島康介氏が
ルイ・ヴィトンの「マルチカラーウォーターカラーシャツ」を着ていました。
各方面で話題を呼んでいたようなので、
本日は急遽、この話題を取り上げることにしました
(翻訳は1回お休みします)。


これ ↓ ですね。

北島康介.jpg

org.jpg


複数のスポーツ紙がこの話題を取り上げていたので、
ちょっと確認しておきます。


まずスポーツ報知から。

「・・・ルイ・ヴィトンのカラフルなアロハシャツを着用して登場し・・・」

https://hochi.news/articles/20210804-OHT1T51172.html


続いてはスポニチ。

「・・・ルイ・ヴィトンのカラフルなアロハシャツに・・・」

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/08/04/kiji/20210804s00041000481000c.html


そして最後は日刊スポーツ。

「・・・ルイ・ヴィトンの・・・ド派手なアロハシャツのような上着に・・・」

https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/skateboarding/news/202108040000561.html


筆者が気になったのは、このシャツの呼び方です
(重箱の隅をつつくような細かい指摘ですみません)。


みなさん、アロハシャツ、またはアロハシャツのような、と呼んでいますが
このシャツは「アロハシャツ」ではありません!


アロハシャツというものを一言で定義するのは非常に難しい
(なぜなら歴史的にさまざまな変遷を遂げているので、
 枠からはみ出る例外的なアロハシャツが数多く存在します)のですが、
大まかに言えば
「ハワイ(もしくは南国)を想起させるモチーフで構成されたプリントシャツ」
なのです。

ところがこのルイ・ヴィトンのシャツは、
確かに南国で着たくなるような明るい色合いではありますが、
ヤシの木やフラガールのような、ハワイ的なモチーフが描かれていません。
したがって、「アロハシャツではない」ということになります。

ルイ・ヴィトンの公式HPにはこのシャツが出ていないため、
正式な名称はわかりませんでしたが、
いろいろ検索してみて
「マルチカラーウォーターカラーシャツ」ではないかと推測しました。
つまりルイ・ヴィトンでも「アロハシャツ」とは呼んでいないようなのです。


世間では、「派手な色や柄の、プリントの開襟シャツ」をアロハシャツだと
思っている人がとても多いですが、
「ハワイっぽくなければアロハじゃない」のだと覚えておいてください。



次回は、翻訳に戻ります。
お楽しみに。



(次回に続く)

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黒澤明監督の映画「天国と地獄」のアロハシャツが意外にも・・・ [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

ファンダバーク教授の本『ハワイの衣料品製造業の歴史』の翻訳は、
「布地の種類」についてまとめた部分がちょうど終わってきりがいいため、
翻訳ではないシリーズ「映画やテレビで見かけたアロハシャツ」をお届けしています。

前回は、黒澤明監督の映画「天国と地獄」(1963年(昭和38年)3月公開)に出てくる
コットン・サテンのパレオ柄を取り上げました。

https://vintage-aloha-shirt.blog.ss-blog.jp/archive/20210205

ご紹介したアロハシャツは、こちら ↓ です。

s-DSCN2772.jpg

そしてこのシャツが「意外な展開を見せるのです。」と
もったいぶった言い方で終わりましたね。
失礼いたしました。

どういうことかと言いますと、
これとまったく同じ柄が、ほかの映画にも出ているのです。

それが、こちら ↓ です。

s-DSCN9840.jpg

どんなシーンかと言いますと・・・。

DSCN9839.JPG

このブログをずっと読んでくださっている方ならピンときましたよね?

そうです、以前にもご紹介した「社長外遊記」です。
ホノルルにあるお店でフランキー堺と小林桂樹が話をしているシーンですが、
その後ろで買い物をしている現地の男性が、このアロハシャツを着ていたのです。

この映画の公開は、くしくも「天国と地獄」と同じ1963年(昭和38年)の、
1カ月遅れの4月なのです。
ということは、撮影はやはり前年の1962年で、
出てくるアロハシャツも1962年(もしくはそれ以前)に作られたものと
考えてよいでしょう。

ウィキペディアで、両者の情報を眺めていて、はたと気付きました。
どちらも東宝の映画です。
しかも美術監督は、「天国と地獄」が村木与四郎、「社長外遊記」が村木忍、
と書かれています。

むむ。どちらも「村木」?

ウィキペディアによれば、村木忍は、村木与四郎の妻だそうです。なるほど。

ということは、こうは考えられませんか?
「社長外遊記」の撮影でハワイに行った村木忍が、
現地でいろいろなアロハシャツを買って日本に持ち帰り、
その中にあったパレオ柄のアロハシャツを、
夫である村木与四郎が「天国と地獄」で使ったと。
(厳密には、美術監督の下には衣装担当がいるでしょうから、
 実際に選んだのは村木忍ではないかもしれませんが、
 ハワイでアロハシャツを買ってきたとしたら、
 「あら、ちょうどいい感じのアロハシャツが倉庫にあるわよ」と
 夫に教えたとしても不思議ではありません)


さて、「天国と地獄」はモノクロ映画なので、アロハシャツの色まではわかりません。
もしかしたら「社長外遊記」と同一のアロハシャツかも!
と思って、2つを比較してみました。
それが、こちら ↓ 。

s-DSCN9828(1).jpg

残念ながら、同一のアロハシャツではありませんでした。
が、「社長外遊記」の撮影後に日本に持ち込まれた、
色違いのパレオ柄という可能性はまだあると、筆者は考えます。


いかがでしたでしょうか?
大胆すぎる仮説ですが、いい線行ってると思いませんか?



(次回に続く)

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黒澤明監督の映画「天国と地獄」で木村功が着ていたアロハシャツ [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

ファンダバーク教授の本『ハワイの衣料品製造業の歴史』の翻訳は、
「布地の種類」についてまとめた部分がちょうど終わってきりがいいので、
今回は翻訳ではないシリーズをお届けします。

久しぶりの「映画やテレビで見かけたアロハシャツ」です。

と言っても、前回のブログ

https://vintage-aloha-shirt.blog.ss-blog.jp/2021-02-04

で、1960年代半ば頃の「コットンサテンのパレオ柄」をご紹介したので、
それとも関係するものをご紹介したいと思います。

以前、このブログで、
黒澤明監督の「酔いどれ天使」のアロハシャツをご紹介しました。
こちら ↓ 。

https://vintage-aloha-shirt.blog.ss-blog.jp/2020-11-23

黒澤監督はアロハシャツがお好きだったのでしょうか?
あるいは、アロハシャツは時代を反映する服だとお考えだったのでしょうか?
理由はよくわかりませんが、ほかの黒澤作品にもアロハシャツが登場します。

それが今回ご紹介する「天国と地獄」です。

この映画の公開が1963年(昭和38年)3月だそうですから、
撮影は前年の1962年と考えられ、
そうすると出てくるアロハシャツも1962年(もしくはそれ以前)に作られたものと
考えてよいでしょう。

この映画の中で、容疑者を尾行する刑事たちが
いろいろなアロハシャツ(やプリントシャツ)を着ているのですが、
病院で張り込みをするシーンで、木村功がパレオ柄のアロハシャツを着ています。

DSCN9826.JPG

s-DSCN9828.jpg

この柄、どこかで見覚えはありませんか?
以前、このブログでご紹介した
https://vintage-aloha-shirt.blog.ss-blog.jp/archive/20210127
アルフレッド・シャヒーンのパレオ柄ではありませんか?

s-DSCN5888.jpg

「花の蕾のようなもの」と「羽を広げた鳥の横顔のようなもの」が
どちらにも確認できますね。

ところが、です。よく見比べると、
「6枚葉」(正確には花弁?)の部分が、シャヒーンのシャツにはありません。
この部分 ↓ です。

天国と地獄 アロハシャツ.jpg

そう思ってさらに見比べると、
「花の蕾のようなもの」の大きさも違いますね。

とても似ていますが、違うもののようです。

そう思ってあきらめていたところ、見つけました!
このアロハシャツと同じものがありました!
それが、こちら ↓ です。

s-DSCN2772.jpg

(筆者コレクションより)

ブランドは、「パラダイス・ハワイ」です。

DSCN2782.JPG

素材はコットン・サテンで、まさにこの時代のパレオ柄ですね。

2つを並べてみます。

天国と地獄(1).jpg

今度は、確かに同じですね。

この「パラダイス・ハワイ」のパレオ柄は、おそらく、
アルフレッド・シャヒーンのパレオ柄が人気だったため、
限りなく似た柄として誕生したのでしょう。
この時代は著作権に対する意識もあまり高くはなく、
他社の人気の柄を平気で真似ていたのでしょう。


それにしても、今回は苦労しました。
同じ柄を探すのって、結構大変なんですよ。
記憶だけを頼りに、「あれかも?」と思って見比べても、
今回のように微妙に違っていたりすることがあるからです。


実は、この話題にはまだ続きがあります。
意外な展開を見せるのです。
(って、連続ドラマみたいですね)

次回もお楽しみに。



(次回に続く)

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映画「社長外遊記」に出てくるアロハシャツ(4) [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

年始なので、今回も「映画やテレビで見かけたアロハシャツ」企画で
引き続き、映画「社長外遊記」「続・社長外遊記」を取り上げます。
この映画、とにかくたくさんのアロハシャツが出てくるので、
非常に面白いのです。今回で終わりですので、
しつこいようですが、もうしばらくお付き合いください。

さっそく行きましょう。最初はこちら ↓。

s-DSCN9858.jpg

「丸急デパート」社長役の森繫久彌が、
ホノルルの街で見かけた女の子に声をかけるシーンです。
その女の子が着ていたのが、
(アロハシャツではないですが)アロハ柄のムームーです。

s-DSCN9860.jpg

これと同じ柄のアロハシャツがありますのでご紹介します。

s-DSCN4507.jpg

(筆者コレクションより)

ブランドはマリヒニで、生地はざっくりと目が粗く、厚手のコットンです。
この手の素材のアロハシャツは、
1960年代後半頃の製品だと筆者はこれまで考えていましたが、
もう少し古く、1960年前後のものであることが今回わかりました。


つづいてはこちら。

DSCN9861.JPG

社長役の森繫久彌の娘たちが、おそらくハワイ土産のムームーを着ているところです。

その中のこちら ↓ 。

s-DSCN9862.jpg

この柄は、アルフレッド・シャヒーンの、有名な「パレオ柄」です。
1950年代半ばから何年も(何十年も)作られていたロングセラーの柄で、
色違いがかなりたくさんあります。

そのアロハシャツがこちら ↓。

s-DSCN5888.jpg

(筆者コレクションより)

シャヒーンズやアルフレッド・シャヒーンの織ネームが付いたものもありますが、
このアロハは、「ダイヤモンドヘッド・スポーツウェア」のものになります。
偶然ですが、前回・前々回のアロハシャツもこのブランドでしたね。

そしてこの柄は、レインスプーナーから復刻されてもいます。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b388035458

(ヤフオク出品物より)


そして次は、こちら ↓。

s-DSCN9844.jpg

s-DSCN9845.jpg

「丸急デパート」第一営業部長役の三木のり平が着ていたものです。

これの兄弟柄(全く同じではないが、そのバージョン違いのもの)が
ヤフオクで出品されています。以前、このブログでもご紹介したことがあります。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x719700125

背中側は、同じ「大きな足跡」ですが、
前側が、少し違っていますね。
ブランドは、イオラニ・スポーツウェアで、素材はコットンです。


映画「社長外遊記」には、本当にたくさんのアロハシャツが出てくるので
それだけでもかなり楽しめますが、
それ以外にも、昔のホノルル空港やアロハタワーなども出てきて
当時の街の様子などもよくわかり、楽しいです。
そして、個人的に非常に価値が高いと思うのが、
「ラッセルズ」というショップの(おそらく、セットではなく本物の)店内が
紹介されるところです。
「こんな風にして売られていたのか」というのがとてもよくわかり、
うれしくなってしまいます。
未見の方はぜひご覧ください。



(次回に続く)

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映画「社長外遊記」に出てくるアロハシャツ(3) [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

年始なので、今回も「映画やテレビで見かけたアロハシャツ」企画で
引き続き、映画「社長外遊記」「続・社長外遊記」を取り上げます。

今回ご紹介するアロハシャツはこちら ↓ 。

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DSCN9857.JPG

「丸急デパート」常務役の加東大介が、こちら ↓ のアロハシャツを着ています。

s-DSCN4514.jpg

(筆者コレクションより)

素材はコットンで、白いしぶきをあげてサーフィンをするサーファーたちと、
下のほうにはヤシの木が連なる、大胆な構図のパネル柄です。

s-DSCN4516.jpg

ブランドはマリヒニになります。

DSCN4607.JPG

結構有名な柄で、前回同様こちらも、デール・ホープ氏の著作で紹介されています。
正確な製造年は不明ですが、1950年代末頃~1962年の柄と言うことになりますね。

この柄にはいくつかの配色違いがあります。
映画の中では「白地×茶色」の配色が出てきますが、ほかにも「白地×黒」があります。
その配色がちょうどヤフオクで出品されているのでご紹介しておきます。
こちら ↓ です。ブランドはクレイマーズになります。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p704368198

また「白地×青」もあります。こちら ↓ は筆者のものになります。

DSCN6625.JPG

(筆者コレクションより)

ブランドはダイヤモンドヘッド・スポーツウェアになります。
偶然ですが、前回ご紹介したカクテル柄にも
このブランド(ショップ)のものがありましたね。

この柄、いろいろなショップの別注があり、
いくつかの配色があるということは、当時それなりに人気があったと思われます。



(次回に続く)

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新春特別企画 映画「社長外遊記」に出てくるカクテル柄アロハシャツの兄弟柄 [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

新年あけましておめでとうございます。
今年もヴィンテージアロハシャツに関する話題を
たくさん発信してまいります。
当ブログをよろしくお願いいたします。

さて、今回は前回の続きですが、「新春特別企画」として、
スペシャルな資料を公開することといたします。

前回は、「映画『社長外遊記』に出てくるカクテル柄アロハシャツ」をご紹介しました。
こちら↓ ですね。

DSCN9854.JPG

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s-DSCN1824.jpg

(筆者コレクションより)

そして実はこのカクテル柄にはバージョン違いというか、
「兄弟柄」があります。
それが、こちら↓ です。

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(過去のヤフオク出品物より引用)

どちらかというとこちらの柄のほうが有名ですね。
なぜなら、デール・ホープ氏の著作でも紹介されているからです。

画像のアロハのブランドは「ダイヤモンドヘッド・スポーツウェア」ですが、
ほかにも、「デューク・カハナモク・バイ・カハラ」や「アンドレード」、
「マキナニー」などがあります。
いろいろなショップの別注を、カハラが受けていたということですね。

そしてこの柄は、1959年に作られたものであることがわかっています。
当時の新聞記事(写真部分)がこちら↓ 。

カクテル柄.jpg

(筆者コレクションより)

その記事を読むと、この柄が「オコレ・マルーナ」または「ボトムズ・アップ」と
名付けられていたことがわかります。

また、この柄のデザインを、
カハラ・スポーツウェア社の副社長、ナット・ノーフリート自身が行ったことや、
上に挙げたショップ以外に、「ロス・サザランド」や「リバティ・ハウス」でも
販売されていたこと、売値はおおむね9ドル以下であることなどが書かれています。

さらにこの柄については別の資料もあります。
かつて存在した「大阪府産業デザインセンター」(詳細は省略)の資料の中に
この柄を見つけました。
それがこちら ↓ です。

s-269.jpg

s-273.jpg

(筆者コレクションより)

つまり、日本でデザインされ、昭和32年(1957年)10月にこの柄が「意匠登録」され、
日本でプリントされ、その後ハワイに輸出された、
ということが、この資料からわかるわけです。

こちらの柄が1959年に発売され、かなり好評だったため、
カクテルをランダムに配した、
「映画『社長外遊記』に出てくるカクテル柄アロハシャツ」がその後に作られた、
と筆者は推測しています。
そして、1963年に公開された映画『社長外遊記』が1962年に撮影されたと仮定するなら、
このランダム配置バージョンは「1960年~62年」に作られたのではないかと、
筆者は推測します。

それにしても、このように「整然配置柄」と「ランダム配置柄」の両方が
作られたというのは、非常に珍しいと思います。
少なくとも筆者は、この2つ以外には知りません。
また、1枚のシャツの背景がこれほど詳しく、
また多岐にわたって(映画、広告、生産資料)わかっているものは、
そうそうはないでしょう。
非常に貴重なアロハシャツであることは間違いありません。


今回は新春特別企画として、
筆者秘蔵のスペシャル資料を公開いたしました。
ご堪能いただけたでしょうか?



(次回に続く)

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映画「社長外遊記」に出てくるアロハシャツ [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

年松年始なので、今回はいつもの翻訳ではないシリーズをお届けします。

久しぶりの「映画やテレビで見かけたアロハシャツ」です。

今回は映画「社長外遊記」「続・社長外遊記」を取り上げます。

この映画は森繁久彌主演の社長シリーズの第18/19作で、
1963年に公開されました。

当時はまだ珍しかったハワイロケが行われており、
1962年頃のホノルルやワイキキの風景が映し出されています。

その中で、「丸急デパート」の秘書課長役の小林桂樹が、
こちら↓ のアロハシャツを着ています。

DSCN9854.JPG

s-DSCN9855.jpg

このアロハシャツは、こちら↓ のものになります。

s-DSCN1824.jpg

(筆者コレクションより)

ブランドは、カハラ製のデューク・カハナモクになります。

同じカクテル柄で、似たような柄があるのですが、
この柄はそのバージョン違いになります。

その続きは次回にお届けします。



(次回に続く)

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