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ハワイの新聞記事から その187 1956 娘たちがオリヴァーのデザインに影響を与える(2) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

現在は、1956年のホノルル・アドヴァタイザー紙に掲載された、
カハナ・マニュファクチャリング社に関する記事を翻訳しています。
これは「ハワイのファッション産業」というシリーズ記事の第1回目になります。



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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m1051237317
(ヤフオク出品物より引用)



『シリーズ ハワイのファッション産業 第1回 カハナ
1956年 娘たちがオリヴァーのデザインに影響を与える(2)
文/ベツィ・ホブス

 もしもエドナ・オリヴァーが、初めてハワイに来たとき、
それは両親からの卒業プレゼントであったのであるが、
ジプシーの水晶玉を覗き込んでいたら、
その予言者は眼鏡を必要としていたことを確信していたであろう。

なぜなら、スタンフォード看護学校の卒業生として、
彼女は、マーチャンダイジングとファッション・デザイン以外のものが頭にあった。

 このことは彼女の夫もその通りであった。

オリヴァー氏はカリフォルニア・ポリテクニック州立大学で
電気工学のキャリアに備えていた。

 しかし彼らは出会い、結婚したのであり、
オリヴァー夫人の巧みなデザインはしばらくの間、
自分と自分の友人たちとその子供たちだけのものであった。

こうした友人たちと、彼女の服の製作を依頼したある小売店に励まされ、
オリヴァー夫妻はこの仕事に飛び込む決意をし、
マーチャント通りに工場を開いた。

これが12年前(訳注:1944年)の、戦争中のことであった。

そして彼らの5人の子供たちと全く同様にビジネスは成長した。

 8年前(訳注:1948年)、オリヴァー夫妻は本土に最初の出荷をした。

カハナ・レーベルでの最近の輸出先は
アイ・マグニン(1994年まで存在した、サンフランシスコ拠点の高級百貨店)であった。

アイ・マグニンの店舗はまもなく、
ホノルル製のクーリー・パンツとジャケットのセットをお披露目するであろう。

その両者には、パラカの生地とラスティーナ・ファブリック
(訳注:マリンソン社の人造繊維。詳細は不明)が使われている。』



カハナはアロハシャツを作っていましたが、
オリヴァー夫人がデザインをしていたということもあり、
女性物の服の方がウェイトが大きかったのかもしれません。
この記事では、女性物の話が中心になっています。

今回の記述で注目すべき部分は、
・1944年に創業したこと
・1948年に米国本土に初めて出荷したこと
・アイ・マグニンのような高級百貨店向けの商品であったこと
などでしょう。


ちなみにヴィンテージ・アロハシャツの織ネームでは、
「カハナ・マニュファクチャリング社」のもののほかに、
「リバティハウス・バイ・カハナ・マニュファクチャリング」というものが存在します。
つまり、本土向け以外にリバティハウスでも販売していた、ということを意味します。
リバティハウスもハワイでは高級百貨店ですからね。



(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その186 1956年 カハナ~娘たちがオリヴァーのデザインに影響を与える(1) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

今回からしばらくは、1956年のホノルル・アドヴァタイザー紙に掲載された、
カハナ・マニュファクチャリング社に関する記事を翻訳していきます。

これは「ハワイのファッション産業」というシリーズ記事の第1回目になります。



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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m1051237317
(ヤフオク出品物より引用)



『シリーズ ハワイのファッション産業 第1回 カハナ
1956年 娘たちがオリヴァーのデザインに影響を与える(1)
文/ベツィ・ホブス

編集者注:これは、ハワイの衣料品産業に関するシリーズ記事の第1回である。

ハワイの衣料品産業は今後5年以内に1千万ドルのビジネスになると予想されている。

この記事は、ハワイ衣料品メーカー組合に属する会社の、
地元向け及び輸出向けの、ファッションと流行を映しているであろう。

カハナ・マニュファクチャリング社が、第1回記事の主題である。

オーナーのトーマス・オリヴァーは同組合の組合長としての
2期目を満了するところである。


 もし、トーマス・オリヴァーの家族に今より多くの娘がいたとしたら、
彼の財産目録に婦人服小売店があったかもしれない。

 しかし、マイケルとかゲイリーという店名の婦人服店のことを
一体誰が聞いたことがあるであろうか?(誰も聞いたことがないだろう) 

オリヴァーの4つの小売店に、
長男マイケルや末っ子ゲイリーにちなむよりもむしろ
娘にちなんだ名前を付けるのは、もちろん筋が通っている。

 娘のペニーは、現在11歳でとても服好きなのであるが、
最初の店ペネロペスにインスパイアを与えた。

ロビン・キャスリーンは、2つの同名店、
ワイキキのキャスリーンズとアイナ・ハイナに返還を要求することが出来る。

妹のヴァレリーは、ヴァレリーズ・サーフショップのドアに自分の名前が付いている。

 これらの店やその他の地元の店で、
オリヴァー自身がデザインした服を見つけるであろう。

ちなみにそれらの服には、製造工場から取ったカハナというブランド名が付いている。

そのブランド名は、子供や大人や動物にちなんで名付けられているのではなく、
カハナ湾にちなんで名付けられている。』



カハナ・マニュファクチャリング社は、かなりマイナーなメーカーです。
ヴィンテージ・アロハシャツではあまり見かけません。
カハナモクやカハラに名前が似ているため、混同している人もいるかもしれません。

ちょうどヤフオクに、有名なメニュー柄が出品されていたので
ご紹介しておきました。

あまり見かけない理由は、製造期間が短かったからではないかと
筆者は推測しています。
1950年前後から、1950年代末頃までの、10年前後だったのではないでしょうか?

この謎の多いブランドに関する記事は、
新しい情報をもたらしてくれるのではないかと期待しています。



(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その185 1950年 ムサシヤ・ショウテンの新聞広告 [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

今回は、1950年のホノルル・アドヴァタイザー紙に掲載された、
ムサシヤ・ショウテンの新聞広告です。
記事の翻訳ではなく、広告の記述から、
イラストや写真はありませんが、どのようなものを売っていたのかを
考察したいと思います。



MUSASHIYA SHOTEN A1950..jpg

(筆者コレクションより)


1950年 ムサシヤ・ショウテンの新聞広告

ムサシヤ・ショウテン(当時はムサシヤ・ショウテン・リミテッド。
ムサシヤ・ザ・シャツメーカーではない方の生地店)は
1950年10月に、アロハウィークに向けて新聞に広告を出しました。
それが上の画像です。

生地のほか、日本人形や履物など日本から輸入した雑貨も販売していました。

そしてこの広告の中で特に注目すべき部分は、次の箇所です。

For Aloha Week.jpg

文字に起こします。

「メンズ・フジシルク(富士絹)・アロハシャツ $7.50
 メンズ・カベクレープ(レーヨン壁縮緬)・シャツ $6.50
 ハワイアン・プリント・シャツ $2.75・$3.75・$4.50 」

まず、1950年と言う時代背景から説明します。

サンフランシスコ講和条約が発効したのは「1952年4月28日」ですが、
ハワイの新聞を見ていると、
それ以前から、日本からの輸入品が売られているようなのです。
そして特に1950年には、「キモノ柄のプリントシャツ」の広告が
頻繁に新聞に掲載されるようになります
(それ以前には日本的な商品の広告はほとんどありませんでした)。

例えば「富士山と宝船」とか「鷲と松」のような、
オーソドックスな和柄のシャツが、写真と共に広告されていました。

そのようなことから、筆者は1950年という年を
「和柄がブームになった年」と考えています。
つまり、この年に、(何かのきっかけがあって)
日本からの輸入品が爆発的に増え、
「キモノ柄のプリントシャツ」が目新しさから流行したのではないかと
推測しているのです。

そんな流れの中にあって、ムサシヤ・ショウテンも
和柄のシャツ(シルク製とレーヨン壁縮緬製)を売るようになっていたのではないかと
思うのです。

「富士絹」や「壁縮緬」の生地は当然日本からの輸入品ですから、
それをハワイでシャツに仕立てて売っていたと思われます。
そして1950年という年を考えれば、
「富士絹」や「壁縮緬」の柄は、キモノに使われるような和柄だったでしょう。
それらのハワイ柄はまだなかったと思います
(それらのハワイ柄が出てくるのは、筆者の推測では1950年代半ば以降です)。

一方、「ハワイアン・プリント・シャツ」の生地は、
コットンやレーヨンの、米国でプリントされたハワイ柄だと思います。
レーヨン抜染の生地もあったかもしれません。


そして、マキナニーやリバティハウスでの売値よりも安いことを考えれば、
大手メーカー(カメハメハやカハラなど)製のものではなかったでしょう。
ムサシヤの裏に工房がありそこで作ったものだったかもしれません。
あるいは個人経営のシャツ店に依頼したかもしれません。
詳細はわからないので、想像するしかありませんが、
作りがおおむね丁寧なので、工場製でないのは確実です。


例えば、こちら ↓ は「ロス・サザランド」という店のものですが、

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(筆者コレクションより)

シルク製であること、初期のタイプの和柄であること、
縫製が「巻き伏せ縫い」を使った丁寧なものであること
(=ダブルステッチなどの、工場での大量生産のものではないこと)などの特徴があり、
それらの特徴は、ムサシヤ・ショウテンの、上の広告に出てくるシャツも
備えていたのではないかと筆者は推測します。



今回は、ムサシヤ・ショウテンの1950年の、文字だけの広告から、
イメージを膨らませてみました。



(次回に続く)

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ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(193)「海の日」特集!最近終了した注目のアロハシャツ [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]

本日は祝日(海の日)なので、恒例の
「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けします。

今回は「最近終了した注目のアロハシャツ」の中から、
「海の日」にちなんで、「海に関係する」ヴィンテージ・アロハシャツを取り上げます。


まず最初は、こちら ↓ です。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v1057522291

葛飾北斎の「富嶽三十六景」の中の1つ「神奈川沖浪裏」をアレンジした柄で、
荒れ狂う荒波と、それに翻弄される木舟、そして遠くに富士山が描かれています。
非常にダイナミックで、かっこいい柄ですね。

実際の浮世絵よりも富士山が大きく描かれ、
また、うまくリピートする(柄の上下がつながる)よう、
実際にはない波が描き足されています。

神奈川沖浪裏.jpg

(ウィキペディアより引用)

なお、「神奈川沖浪裏」についての詳しい解説は、こちら ↓ をご覧ください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E6%B2%96%E6%B5%AA%E8%A3%8F


この柄は、洋書「THE ALOHA SHIRT」のP10に色違い(青い海)が掲載されており、
以前から気になっていた柄(しかもまだ見たことがなかった柄)です。
同書では「ブランド不明」(織ネーム欠損)と記載されており、
どこの製品かはわかりません。

一方こちらのシャツには「ヤット・シング」の織ネームが付けられています。
実はこのブランドは非常に珍しい(
古着屋さんでもヤフオクでもほとんど見かけません)のですが、
つい先日当ブログで取り上げたところだったので、続けての出品に筆者も少し驚いています。

素材はレーヨン縮緬、ボタンはココナッツボタンです。

そしてまた、「ブラウン系」(ヤフオク)と「ブルー系」(洋書)の
色違いが存在することが確認されました。
やはりこの2色は、レーヨン縮緬の王道の配色パターンと言ってよさそうですね。



続いては、少し前の終了分ですが、こちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b1051529119

「パリハワイアンスタイルド」(「ド」付)の、
波と虹とダイヤモンドヘッドと藁ぶき屋根の家とハイビスカスの柄です。
パリハワイアンでよく使われるモチーフばかりですね。

素材はレーヨン、プリントはオーバープリント、
ボタンはシェルミーボタンです。


これの色違いがあります。

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(筆者コレクションより)

ダイヤモンドヘッドや岩、藁ぶき屋根の家などが茶色になっています。
また「ブラウン系」と「ブルー系」の色違いの法則に則っていますね。
織ネームは上のと同じ「パリハワイアンスタイルド」(「ド」付)です。


そしてこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g1057342730

ハワイ島にかつてあった「オノメアアーチ」(洞門)の柄です。
出品者さんの説明にあるように、崩落してしまったそうです。
在りし日の姿はこんな感じです。

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https://www.ebay.com/itm/254762362601
(eBayの出品物より引用)

全く同じではありませんが、日本人の絵師がこのような絵葉書を元に
柄を描き起こしたことが容易に推測されます。

ブランドは「カイマナハワイアンスタイル」でパリハワイアンの兄弟ブランドです。
素材はレーヨン、プリントはオーバープリント、
ボタンは竹ボタンです。


こちらも色違いがあります。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e226995626

赤い波はかなり強烈ですが、こちらの濃茶の波は対照的に重々しい感じです。

織ネームは「パリスタイルハワイアン」で、
ボタンは竹ボタンです。


さらにもう1つ色違いを。

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(筆者コレクションより)

こちらは黄色の波で、一転して軽い感じ、
明るい日差しのハワイらしい感じに仕上がっています
(織ネームはパリハワイアンスタイル)。

色違いによって、これほど印象が変わる柄と言うのも珍しいです。



このほかにも、海の柄と言えば、
筆者が真っ先に思い浮かべるブランドとして「イオラニ」がありますが、
最近終了したこちら ↓ 
(織ネームは欠損していますがイオラニで間違いありません)は、先日紹介済みですね。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f1055270928




それでは今回はこの辺で。




(次回に続く)

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ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(192)色違いのアロハシャツ [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]

本日は日曜なので翻訳の方はお休みして、
恒例の「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けします。

今回は「色違いのアロハシャツ」を取り上げます。
本当に偶然なのですが、同じ出品者さんの出品物が3つも重なっていました。


まず最初はこちらからです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w1055094414

夜、松明を灯して漁をしている人と、
松明を灯して水上スキーをしている男女が描かれています。

暗いところと、明かりに照らされて黄色くなっているところが
うまく描き分けられていますね。

ブランドは「ロイヤルハワイアン」、素材はレーヨン縮緬、
ボタンは古銭ボタンです。


さてこの柄の色違いがこちらです。

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(筆者コレクションより)

同じロイヤルハワイアンで、織ネームも生地の素材もボタンも、
ヤフオク出品物と同じです。

ただし、色合いのニュアンスが少し異なります。
単なる撮影上の色被りなのかもしれませんが・・・。


拡大して比べてみましょう。

↓ ヤフオク出品物

スクリーンショット 2022-07-10 204106.jpg

↓ 筆者コレクション

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同じ色なのか、色違いなのかは、この画像だけでは判別できませんでした。




次です。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k1057009516

松の木の庭園と、石燈籠が描かれています。
ブランドは「アリイロレ」、素材はレーヨン縮緬です。
ボタンはプラスチックのネコ目ボタンですが、これは交換されたものだと思います。
アリイロレ(と、兄弟ブランドのキロハナ)の場合、
たいていココナッツボタンか竹ボタンだからです
(時代が新しいアリイロレに古銭ボタンが付いていることもあります)。


これの色違いがこちらです。

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(筆者コレクションより)

ブランドは同じ「アリイロレ」、素材も同じレーヨン縮緬です。
ボタンは竹ボタンになります。


これも、燈籠の部分を拡大してみました。

↓ ヤフオク出品物

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↓ 筆者コレクション

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以前にイオラニのところで述べたことがありますが、
レーヨン縮緬のヴィンテージ・アロハシャツの場合、
ブルー系とブラウン系の色違いというのが、一番よく見られるパターンです
(ほかに、イエロー系やレッド系などもありますが・・・)。



続いてはこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o1057016270

戦士の盾を並べた柄だと思うのですが、定かではありません。

素材はレーヨン、プリントはオーバープリントで、
ボタンは竹ボタンになります。

ブランドは「ロイヤルハワイアン」ですが、
上のタイプより古い織ネームが付いています。
1940年代末頃のものだと思います。

ただ、たとえ40年代のものだとしても、
それだけで25万円という価格はいささか高すぎます。
以前、この柄の色違い(ブランドはリバティハウス)を
販売しているお店がありましたが、確か5~6万円でした。
柄の地味さ(そそられる派手さがありません)から言ったら、
2~3万円くらいではないかと、個人的には思います。


さて、こちらの色違いです。

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(筆者コレクションより)

ブランドは同じ「ロイヤルハワイアン」で織ネームも同じ古いタイプ、
素材は同じレーヨンで、ボタンも同じ竹ボタンです。



最後はこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/l1054365323

サーフィンとカヌーをする人々と、
ヨット(あるいは帆掛け船)と、交差したサーフボードを
縦と横に並べて「タパ」っぽくアレンジした、
なかなか面白い柄です。
(オーソドックスなタパ柄の特徴として、
 「縦と横に模様を反復すること」があります。
 また、筆者は勝手に「X字タパ」と呼んでいるのですが、
 Xの文字のような模様が要素としてよく出てきます。
 前回ご紹介したこちら ↓ などを見ればわかるでしょう)。

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ブランドは不明で織ネームは「メイドインカリフォルニア」、
素材はコットンで、ボタンは白の尿素ボタンになります。


これの色違いがこちらです。

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(筆者コレクションより)

ブランドは「ホアロハ」で、ボタンは竹ボタンです。
竹ボタンと言うところがハワイのブランドらしいところです。

そして、画像はないのですが、ブルー系の色違いで「カハラ」のものもあります。
カハラはカリフォルニアのブランドと同じプリント生地を使うことが時々あり、
この場合も本土のプリントメーカーから仕入れた同じ生地だったのでしょう。
ちなみにホアロハのシャツはカハラ製だと推測します。



今回はこの辺で。
次回もヤフオク出品物をご紹介します。
お楽しみに。



(次回に続く)

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ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(191)新出品のアロハシャツ [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]

本日は週末なので、恒例の
「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けします。

今回は「新出品のアロハシャツ」をご紹介します。
良いものがどんどん出品されていますね。


まず最初は、最近の翻訳パートに関係する、スペシャルなこちら ↓ から始めましょう。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/q1049298878

ポンジーシルクのような、畝が出ている面白い生地の半袖シャツです。
無地なので、アロハシャツではありません。

これのどこがスペシャルなのかと言いますと、そのブランドです。

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そう、「ムサシヤ・リミテッド」のシャツなのです。
この織ネームは比較的新しいと推測され、1950年代頃のものでしょうか?

ここ最近の翻訳でご紹介してきたように、
この「ムサシヤ・リミテッド」は、
「ムサシヤ・ザ・シャツメーカー」の店舗と店名を受け継いだ店で、
シャツだけでなく、生地や日本雑貨(人形など)も売っており、
最後の方は、アラモアナSCで生地店として営業していました
(現在は無くなってしまいましたが、「定本ハワイアンシャツ」の取材で、
 筆者も話を聞きました)。


このシャツの素材はレーヨンで、ボタンは貝ボタンです。
出品者さんの説明にあるように、
「オールシングルステッチで造りも丁寧」、そして「真横気味に袖が付」いているのが
特徴と言えそうです。

無地のシャツですが、歴史的・資料的価値も高く、金額も高くなりそうです。



続いてはこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d1057731069

濃緑の地に、白のプルメリアと、薄いグレーの葉っぱがびっしりと描かれています。
以前に何度か述べたように、単色系(メインの地色+白とグレー)の「抜染もの」は
1940年代後半製ではないかと筆者は考えており、
いくつかの柄は新聞広告で1948~49年製であることが確認されています。
この柄の広告は見ていませんが、おそらく同じ頃の製品だと推測します。

「アッシュフィールド」のものではハイビスカスの柄が有名で、
ヤフオクでもしばしば出品されますが、
こちらのプルメリア柄は珍しいと思います。筆者は初めて見ました。
ありふれた柄のようにも見えるのですが、意外にレアではないでしょうか?

本土系のブランドらしく、両胸にポケットが付いています。
生地の素材はレーヨン、プリントは抜染で、ボタンはグレーの尿素ボタンです。



そして次はこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f1057517292

竹がX字状に交差し、竹の葉とともに描かれています。
いろいろな専門書に掲載されている有名柄で、
作っていたブランドも様々ですが、
この「ジム・クリントン」というブランドは珍しいのではないでしょうか?
(洋書「Hawaiian Shirt Design」のP100に色違いが載っていますが、
 ブランドは「ランダムウェア」で、このブランドのものが比較的多いように思います。)

濃紺地というところが、抜染の良さを引き出しており、高評価です。

素材はレーヨン、プリントは抜染で、ボタンは白の尿素ボタンです。
本土系と言うことで、ポケットは両胸に付いています。



最後は、ハワイ系をご紹介しておきましょう。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n1057125698

オーソドックスなタパ柄で、
濃茶×黄×グレーという配色は1940~50年代くらいによく見かける組み合わせです。
ただし、タパ柄と言えばコットン製が多いのですが、
これはレーヨン製で、しかも抜染というところが面白いです。
抜染でなくオーバープリントでも表現できそうな柄であり、
抜染ならではの感じ(くっきり感)もあまりないところが、
少々残念ではあります。

とはいえ、この配色やタパ柄の感じは個人的には好きな部類です。

ブランドは「ヤット・シング」という中国系ですが、
創業者や製造期間などは不明です。
ヴィンテージでもほとんど見かけないブランドなので、
1950年前後のごく短い期間だけ作っていたと思われます。
「ヤット・ロイ」のようにショップの名前かもしれません。

ボタンは、黒の尿素ボタンというところが意外ですね。
普通、ハワイ製ならココナッツボタンか竹ボタンを使うのですが・・・。



今回はこの辺で。
3連休はヤフオクもお祭りをやっているので、
当ブログでも「ヤフオク出品物祭り」と行きましょう。
いろいろ取り上げますよ。
次回をお楽しみに。



(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その184 1934 ムサシヤ・ザ・シャツメーカーの移転広告 [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

今回は、1934年のホノルル・スターブリトゥン紙に掲載された、
ムサシヤ・ザ・シャツメーカーの移転広告です。

なお、こなれていない、読みにくい和訳になっていますが、
原文が「ピジン・イングリッシュ」(外国語なまりの英語)で書かれており、
そのニュアンスが出るよう、できるだけ忠実に翻訳しているためです。
読みにくい部分はご了承ください。




S34.01.31 Musa-shiya.jpg

『1934年 ムサシヤ・ザ・シャツメーカーの新しい場所を告知

ムサシヤ・ザ・シャツメーカー(キモノもパジャマも作ります)
新しい場所での露出(訳注:披露の意味か)に対する重要な告知

サウス・キング通り191番地
海側(訳注:通りの南側の意味)、アラケア通りとの交差点近く

明日2月1日にはじけ開きます。
移転告知

改善された場所への移転の理由は、
便利さに対してデリケートな感覚をお持ちの裕福なお客様を
より満足させるためです。

私の新しい店は地味で小さい大きさですが、
きちんとした官公庁にきれいに囲まれています。

私が作るものをこれまでたびたび買ってくださったことに
多大なる感謝を申し上げます。
(・・・以下、翻訳不能)

私は、私の新しい店で皆様の顔に会うだろうことを信じております。

それまで、さようなら。』



少し意訳しつつ訳してみましたが、
一部、どうしても意味が分からない部分は省略しました。




(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その183 1934 ムサシヤは顧客のためにアップタウンの場所に移転する(2) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

現在は、1934年のホノルル・スターブリトゥン紙に掲載された、
ムサシヤ・ザ・シャツメーカーの記事をお届けしています。



Musa-shiya.jpg

『1934年 ムサシヤは顧客のためにアップタウンの場所に移転する(2)

 地元民や観光客の「上流な人」は
何年間もこの小さなシャツメーカーの気前の良い顧客であった。

彼の広告は、ホノルル・スターブリトゥン紙からコピーされ、
世界中の新聞や雑誌に喜んで再印刷されたのであるが、
本土から、そして南アフリカやアルゼンチンからさえも、
たくさんのシャツの注文をもたらした。

過去12年間に販売された何千部もの小冊子
「いかにしてムサシヤ・ザ・シャツメーカーは活字になったか」はもちろんのこと、
雑誌の記事や社説で、彼の名声を高めるものは枚挙にいとまがない。』



この記事は、今回で終わりとなります。



(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その182 1934 ムサシヤは顧客のためにアップタウンの場所に移転する(1) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

今回から、1934年のホノルル・スターブリトゥン紙に掲載された、
ムサシヤ・ザ・シャツメーカーの記事をご紹介します。



Musa-shiya.jpg

『1934年 ムサシヤは顧客のためにアップタウンの場所に移転する(1)

 ムサシヤ・ザ・シャツメーカーは、
ホノルル・スターブリトゥン紙に載った風変わりな和製英語の広告が
過去13年間世界中の関心を集めてきたが、
そのシャツ製作店を、「魚市場とリバー通りの間にある」元々の場所から、
サウス・キング通りの海側(南側)にある191番地、
すなわちルワーズ&クック社(Lewers&Cooke)とアラケア通りの角との間の場所へと、
このほど移転した。

 アップタウンへの移転に対するムサシヤ側の理由は、
「便利さに対してデリケートな感覚をお持ちの裕福なお客様を満足させるため」である。』




(次回に続く)

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ハワイの新聞記事から その181 1930 ムサシヤ・ザ・シャツメーカーが会社組織にする(7) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

現在は、1930年のホノルル・スターブリトゥン紙に掲載された、
ムサシヤ・ザ・シャツメーカーの記事をご紹介しています。
今回が最終回となります。



スクリーンショット 2022-07-06 223623.jpg

『1930年 リバー通り沿いの有名なシャツメーカーが会社組織にする(7)

 「ミヤモト・ザ・シャツメーカーではうまく機能しなかったでしょう。

なぜなら、宮本という名前は日系人の間でかなり一般的で、
どんな宮本でもシャツメーカーをその名前に引き寄せうるからです。

また、ほかのどんな苗字でも同じ出っ歯に行き当たったかもしれません。

頭に苗字を持ってきてもせいぜい、その人となりや職業、
あるいは出身地を表す程度だということを歴史は示しています。

したがってムサシヤ・ザ・シャツメーカーは製品と名前を結びつけ、
その名前を人間らしくし、その結果、より面白くし、
そしてその名前を、ある程度分離させたのです。

今では宮本は、ミヤモトよりもムサシヤという呼びかけに、
よりたやすく答えさえするのです。

もし彼が、法的な呼び名としてその名前に究極的に適応するのであれば、
彼は、それに適応した最初の人物でも最後の人物でもないでしょう。」

 知的に作られ、適切な範囲の新聞に掲載された広告の力というのは
そういうものである。』



次回は、ムサシヤに関する、また別の新聞記事をご紹介します。
お楽しみに。



(次回に続く)

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