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ハワイの新聞記事から その192 1956年 パラダイス~ハワイの人はシースドレスよりもゆったりしたスカートを好む(3) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

現在は、1956年のホノルル・アドヴァタイザー紙に掲載された、
パラダイス・スポーツウェア株式会社に関する記事を翻訳しています。
これは「ハワイのファッション産業」を紹介したシリーズ記事の第2回です。


『シリーズ ハワイのファッション産業 第2回 パラダイス
1956年 ハワイの人はシースドレスよりもゆったりしたスカートを好む(3)
文/バーバラ・プロック

 エヴァーグレーズ・ミニケアのようなシワになりにくい生地や、
ドリップ・ドライ(訳注:洗濯後に絞らずそのまま干すだけでシワが出来ない)
・コットンの使用は、ハワイの全ての衣料品メーカーの間で増えており、
そのことはバイヤーにとっては良いニュースである。

 ハワイの人々は、びっくりさせるほど変わることや、
ハイファッションなラインやシルエットを突然導入することに
抵抗があるように見える。

このような理由から、
新しいコレクションはその前のコレクションにかなりしっかり依存しており、
変化はゆっくり導入される。

 そのようなことは、ハワイの衣料品産業が、
顕著にハワイ的であるスタイル、
他のファッションの最前線からの最新のキーワードにほとんど依存しないスタイルを
発展させてきたという事実をいくらか説明してくれる。

 ティータイマーやポイパウンダーや、もちろんサロンや、
胴部にゴムが入ったサンドレスや、水着---
これらすべてはハワイ調にデザインされているばかりでなく
ハワイにインスパイアされてもいるのである。』



興味深い記述が出てきました。

「エヴァーグレーズ・ミニケアのようなシワになりにくい生地や、
ドリップ・ドライ・コットンの使用は、ハワイの全ての衣料品メーカーの間で増えて」いる
という部分です。


まず「エヴァーグレーズ・ミニケア」というのは生地の商品名のようですが、
どうやら日本製の生地のようです。

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il_1140xN.2501723511_li16.jpg

(Etzyの出品物より引用)

https://www.etsy.com/jp/listing/836931908/vintage-50s-polynesian-everglaze?click_key=39ad0c34c80e3138c9b9559839d68b8523457e8c%3A836931908&click_sum=90d883a9&external=1&ga_order=most_relevant&ga_search_type=all&ga_view_type=gallery&ga_search_query=everglaze+minicare&ref=listing_in_grid-1-1


確かにシャツの作りから言って、1950年代後半頃の製品です
(筆者も同じシャツを持っているので、質感やディテールがわかります)。

ただし日本製のシャツ(上のハイビスカス柄も日本製です)で見たことはありますが、
ハワイ製のアロハシャツでこの記載を見たことがありません。
特に記載せず使っていたということなのでしょうか?
ちょっと謎です。


一方、ドリップ・ドライのコットン生地は、
1960年代のシャツによく見られるものです(例えば、こちら ↓ )。

IMG_9950-300x400.jpg

P2610088.jpg

(古着屋サントラップさんのHPより引用)

http://suntrap-tokyo.com/items/?p=269847


1956年にすでに存在しており、
ハワイのメーカーも使い始めていた、というのは少し意外でした。
こちらも、ハワイ製のアロハシャツで記載されているのを見たことがありません。
大きな特徴なので記載すると思うのですが・・・。
これも謎ですね。



(次回に続く)

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