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ヴィンテージ・アロハシャツ徹底解剖(4)ワットムルスとパリ・ハワイアン・スタイル [ヴィンテージ・アロハシャツ徹底解剖]

本日は週末なので
翻訳の方はお休みして、
久しぶりの「ヴィンテージ・
アロハシャツ徹底解剖」
をお送りします。

まずは、ヤフオクで見つけた
こちら ↓ のご紹介から
始めます。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w1060011183

三角形のタパの模様が
前面に広がり、
その三角の中に
トーチジンジャーが
描かれている柄です。

ブランドは
「ワットムルス・アンド・
レイラニ」で、、
素材はコットン、
ボタンはココナッツです。

茶色と赤茶色を組み合わせた
この配色とプリントの質感、
そして生地の質感などから、
筆者には初期の「シャヒーンズ」が
作ったもののように見えます。

例えば、こちら ↓ を
ご覧ください。

s-DSCN8996.jpg

(筆者コレクションより)

これはシャヒーンズの魚柄ですが
色の組み合わせが
近いように思うのです。

もちろん確証はありません。


さて、話はここからです。

このトーチジンジャー柄に
よく似た柄が、
「パリ・ハワイアン・スタイル」と、
その兄弟ブランドである
「カイマナ・ハワイアン・
スタイル」に存在するのです。

それがこちら ↓ です。

s-DSCN7484.jpg

(筆者コレクションより)

織ネームは、正確には
「ハワイアン・スタイル・
カイマナ」となっています。

三角の中には
太鼓が描かれており、
とても似ていますが
違う柄なのです。

2つの柄を比べてみるため、
似た部分を拡大します。

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DSCN7488.JPG

渦巻き模様が微妙に違うのと、
斜めに連なった菱形が違うのが
大きな違いでしょうか。
それ以外はとてもよく似ています。

その一方、色を比べると、
カイマナの方は、赤(朱)が
鮮やかに見え、
かなり違うように見えます。


しかも同じ太鼓の柄は
「パリ・ハワイアン・スタイル」
にもあります。

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(過去のヤフオク出品物より)

同じ柄なのですが、
青色が加わっているところが
少し違います。


さらにさらに、
青系だけの配色もあります。

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(過去のヤフオク出品物より)

織ネームは上のと同じ
「ハワイアン・スタイル・
カイマナ」です。


これらを、どのように
解釈したらいいでしょうか?


筆者の推測はこうです。

もともとは「シャヒーンズ」が
トーチジンジャーの柄で作り、
それをワットムルスに卸した。
それが1950年代前半とすれば、
その後、1950年代半ばから
後半頃に、
高吹勇のアロハ貿易が、
無断か許可を得たかは
わかりませんが、
ジンジャーを
太鼓に置き換えた柄を作り、
「パリ」や「カイマナ」の
織ネームを付けた。

そもそも、
「ワットムルス」のシャツを
アロハ貿易が作っていた、
と考えるのは、
時代的なズレがありますし、
両者のつながりが
あまりないことから言っても
ちょっと考えにくいのです。


証拠はありませんし、
あくまでも筆者の感覚で
そのように推測しているに
すぎません。


このワットムルスのシャツを
実際に見分できたら
もう少しわかることが
あるかもしれないのですが、
それはちょっと難しいですよね。

今回は想像にとどめておくだけに
したいと思います。



次回をお楽しみに。



(次回に続く)

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