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新春特別企画 映画「社長外遊記」に出てくるカクテル柄アロハシャツの兄弟柄 [映画やテレビで見かけたアロハシャツ]

新年あけましておめでとうございます。
今年もヴィンテージアロハシャツに関する話題を
たくさん発信してまいります。
当ブログをよろしくお願いいたします。

さて、今回は前回の続きですが、「新春特別企画」として、
スペシャルな資料を公開することといたします。

前回は、「映画『社長外遊記』に出てくるカクテル柄アロハシャツ」をご紹介しました。
こちら↓ ですね。

DSCN9854.JPG

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(筆者コレクションより)

そして実はこのカクテル柄にはバージョン違いというか、
「兄弟柄」があります。
それが、こちら↓ です。

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(過去のヤフオク出品物より引用)

どちらかというとこちらの柄のほうが有名ですね。
なぜなら、デール・ホープ氏の著作でも紹介されているからです。

画像のアロハのブランドは「ダイヤモンドヘッド・スポーツウェア」ですが、
ほかにも、「デューク・カハナモク・バイ・カハラ」や「アンドレード」、
「マキナニー」などがあります。
いろいろなショップの別注を、カハラが受けていたということですね。

そしてこの柄は、1959年に作られたものであることがわかっています。
当時の新聞記事(写真部分)がこちら↓ 。

カクテル柄.jpg

(筆者コレクションより)

その記事を読むと、この柄が「オコレ・マルーナ」または「ボトムズ・アップ」と
名付けられていたことがわかります。

また、この柄のデザインを、
カハラ・スポーツウェア社の副社長、ナット・ノーフリート自身が行ったことや、
上に挙げたショップ以外に、「ロス・サザランド」や「リバティ・ハウス」でも
販売されていたこと、売値はおおむね9ドル以下であることなどが書かれています。

さらにこの柄については別の資料もあります。
かつて存在した「大阪府産業デザインセンター」(詳細は省略)の資料の中に
この柄を見つけました。
それがこちら ↓ です。

s-269.jpg

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(筆者コレクションより)

つまり、日本でデザインされ、昭和32年(1957年)10月にこの柄が「意匠登録」され、
日本でプリントされ、その後ハワイに輸出された、
ということが、この資料からわかるわけです。

こちらの柄が1959年に発売され、かなり好評だったため、
カクテルをランダムに配した、
「映画『社長外遊記』に出てくるカクテル柄アロハシャツ」がその後に作られた、
と筆者は推測しています。
そして、1963年に公開された映画『社長外遊記』が1962年に撮影されたと仮定するなら、
このランダム配置バージョンは「1960年~62年」に作られたのではないかと、
筆者は推測します。

それにしても、このように「整然配置柄」と「ランダム配置柄」の両方が
作られたというのは、非常に珍しいと思います。
少なくとも筆者は、この2つ以外には知りません。
また、1枚のシャツの背景がこれほど詳しく、
また多岐にわたって(映画、広告、生産資料)わかっているものは、
そうそうはないでしょう。
非常に貴重なアロハシャツであることは間違いありません。


今回は新春特別企画として、
筆者秘蔵のスペシャル資料を公開いたしました。
ご堪能いただけたでしょうか?



(次回に続く)

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