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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その71 1945年~1950年代半ばの衣料品生産(5) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在は「1945年~1950年代半ばの衣料品生産」について語られています。


『第5章「1945年~1950年代半ば
     :クラシック・シルキーズ(古典的レーヨン羽二重)

  衣料品生産(5)

(続)
当時、ほとんどの生地は米国でプリントされ、
パナマ運河を通ってハワイに運ばれていた。

ハワイのメーカーは、(訳注:運搬に時間がかかるため)
大きな在庫を持ち続けなくてはならなかった。

「朝鮮戦争が1950年に勃発するまでに2年間
アロハシャツ・ビジネスをやっていましたが、
抱えている生地は約4カ月分でした。」』



米国本土から調達していたプリント生地は、
運搬に時間がかかるため、多めに在庫を積んでおかなくてはならず、
そのために資金的にも余計に負担がかかっていた、ということのようです。

それなのに、朝鮮戦争の勃発という情勢変化によって
生地価格が暴落することになり、
価格変動のリスクがあることも顕在化したわけです。

ハワイでプリントすれば、
余計な在庫を積まなくても済むし、
プリント生地を計画的に生産すれば価格変動リスクも抑えられる、
ということに気付き、自社でプリントするという賭けに出たのです。



(次回に続く)

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