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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その66 1945年~1950年代半ばの布地(11) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在は、「1945年~1950年代半ばの布地」について語られています。


『第5章「1945年~1950年代半ば
     :クラシック・シルキーズ(古典的レーヨン羽二重)

  布地(11)

 (訳注:1950年代後半には)けばけばしい花柄は派手すぎると見なされ、
もはや流行に乗ったものではなかった。

ファンダバーク(訳注:ハワイの服飾史を研究したハワイ大学教授)は、
「現在(訳注:著書執筆時の1960年代前半)ではコットンが、
 ハワイ柄プリントに使われる上での主要な生地となってきている。」
と言及している。

1950年代後半にはコットンとアーネル(訳注:トリアセテート。レーヨンに近い)の
混紡生地が誕生し、
またパーマネント・プレス生地
(訳注:コットンとポリエステルの混紡生地で、防シワ加工されているもの)の
明るい将来性が、コットンと合成繊維との混紡を流行に乗ったものにしたのである。』





1950年代後半からコットン生地が優勢になり、
1960年代になるとコットンサテンが多くなりました
(上の、ファンダバーク教授が言及している1960年代前半は
 コットンサテンの全盛期です)。
同時に、色合いも地味なもの(茶系やくすんだグリーン系)が増えていきました。

例えば、こんな感じ ↓ です。1960年代前半頃の製品でしょう。

i-img1200x1032-1620292699oczc2k458.jpg

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c904148851


また、コットンとレーヨンの混紡も1950年代末頃に出てきて、
一時期はかなり使われたようです。



「1945年~1950年代半ばの布地」についての記述は今回で最後になります。
次回からは「1945年~1950年代半ばの衣料品生産」が語られます。


(次回に続く)

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