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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その56 1945年~1950年代半ばの布地(1) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

今回から話題が変わり、
「1945年~1950年代半ばの布地」についての記述になります。


『第5章「1945年~1950年代半ば
     :クラシック・シルキーズ(古典的レーヨン羽二重)

  布地(1)

 第二次世界大戦中は、生地と衣料品の輸入が乏しくなったため、
ハワイの住民にとってアロハ服はよりポピュラーなものになった。

そのしばらく前から(訳注:1930年代後半から)、
観光客と軍人は躊躇なくアロハシャツに馴染んでいたが、
地元住民も、他の選択肢がなくなったことにより、
同様にアロハシャツを受け入れ始めた。

ハワイでプリントされたハワイ柄の生地は縫製され、
アロハシャツだけでなく、女性服にも仕立てられた。

ムームーは、ひとたびハワイ柄の生地で作られるようになると、
もはや家庭着とは見なされなくなった。

同様にホロクも、戦中および戦後にハワイ柄の生地で作られるようになった。』



ハワイ大学の衣装コレクションに、戦前の、ハワイ柄のアロハシャツがありました。

1938 no label.jpg

(ハワイ大学衣装コレクションより引用)

こちらは、「1938年製/織ネームなし」と記載されています。


1940s no label -2.jpg

(ハワイ大学衣装コレクションより引用)

こちらは、「1940年代製/織ネームなし」と記載されています。

両方ともコットン製ですね。


ただし、今回の記述は「第二次世界大戦中」の話なので、
これらのような柄ではありません。
ハワイでプリントされたので、
もっと簡略化された「ブロックプリント」だと思われます。

これ ↓ は、1940年代前半頃に撮られた写真だと推測されます。

R0012533.jpg

(筆者コレクションより)

白地の左右に縦に、帯状のタパ柄が連なっている柄です。
筆者なら、濃い茶色と薄い茶色の柄をイメージします。
そしてこのような柄なら、細長いスタンプを連続して押していく要領で、
比較的簡単にプリントすることができるでしょう。




(次回に続く)

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