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ハワイの新聞記事から その374 1997年 キングスミス~エセル・チャン・ラムはハワイ初の「アロハシャツ」向けプリント柄をデザインした(1) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、
アロハシャツに関する
ハワイの新聞記事の中から
面白そうなものを
ランダムに選び、
翻訳してご紹介しています。

前回までと同様
エセル・チャン・ラムに関する、
1997年の死亡記事ですが、
別の新聞、ホノルル・
スターブリトゥン紙に載った
ものを翻訳していきます。

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『キングスミス・スポーツウェア~
エセル・チャン・ラムは
ハワイ初の「アロハシャツ」向け
プリント柄をデザインした(1)

 エセル・チャン・ラムは
熟達した油彩画家であり、
また、「アロハシャツ」として
知られるようになったものに
使うための、
最初のプリント柄を
デザインした人物でもある。

 アーノルド・ラムは
自身の母親のことに言及して、
「母は
(訳者補足:アロハシャツの
テキスタイル・デザイナーとして
よりも)むしろ、
油彩の風景画家として
人々に記憶されていると
私は思います」と言った。

彼の母親は2月22日に
ホノルルの自宅で亡くなった。

82歳であった。

 「生計を立てるため、
母は商業美術をやらなくては
なりませんでした。」と
彼は付け加えた。

 1936年、マロロ(トビウオ)、
キヒキヒ(ムーリッシュ・
アイドル)、松明の火で
夜に漁をするハワイの男、
そして抽象的なタパの模様などを
手描きしたエセル・チャン・
ラムのデザインが、
富士絹の半袖シャツの上に
転写され、キングスミス・
クロージアズによって
1着1.95ドルで独占販売された。』

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ここに出てくる柄は、
ヴィンテージの現物では
なかなか見られませんが、
サンサーフから
復刻されているので、
そちらをお見せします。

kihikihi.jpg

https://item.rakuten.co.jp/maunakeagalleries/ss30210/

m66626669144_1.jpg

https://an.assagpass.cyou/index.php?main_page=product_info&products_id=25724

i-img1200x1200-1660739382xy6bug441269.jpg


最後の「抽象的なタパの模様」
というのが、どの柄かは
不明ですが、
この柄 ↓ 

tapa.jpg

(筆者コレクションより)
を指しているのではないかと
思います。

なぜならこの端切れは
アーサー・ラム氏に
取材した際に
氏からもらったものだからです。
ただしこの生地は
富士絹ではなくレーヨンですが。


ところでこれらの柄の
アロハシャツが
「1着1.95ドルで
独占販売された」という
記述に関しては、
やや正確ではないと
筆者は思っています。

なぜなら1936年に
富士絹のシャツが
この価格で売られていたとは
思えない
(もっと高かったであろう)
からです。

実際、広告には
「1着1.95ドル」と
書かれていますが、
生地の素材までは
記載がありません。
ですから、その値段で
実際に売られていたのは
コットン製の、ほかの柄だった
のではないかと
筆者は考えています。


そしてこれらの柄は
原画が残っている
ことからも、
エセルが描いたのは
事実でしょうが、
描かれた時代が
1930年代末から
40年代にかけての
どこかではないか
(正確にはわかりません)と、
筆者は思うのです。



(次回に続く)

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