ハワイの新聞記事から その174 1921 ムサシヤの広告（日本語表記）

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

今回は、1921年発行の『布哇同胞發展回顧誌』に掲載された、
ムサシヤ（むさ志や）の広告をご紹介します。

日系人向けの広告で、日本語で書かれています。




『1921年のムサシヤの広告





西洋呉服反物

御婦人方や男女御子供衆の西洋着に仕立てらるる呉服反物類は
常に新柄を潤澤に取揃えて居ります
シャツ、アンダ着、其の外ベッドカバー、シーツ、枕袋、タオル、ハンカチの類は
何品でも「むさし屋」へ御出あれば直ぐ間に合ひます


廉い武藏屋

良い品を澤山に取揃え、そして廉く賣りますことが
「むさしや」の信條であります。
弊店は常に大陸製造元から商品を多量に直輸入致しますから
随って、いつも新柄を最も低廉の値段で皆様に差上げることが出来ます。
「むさしや　は安い」とは今は御客様方の通語となって居ります

ホノルル市キング街魚市場近く
むさ志や

電話　五四五八
郵凾　七二〇　　』



この本が、ちょうどヤフオクに出品されていたので、
ご紹介しておきます。









https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/q1055435071



この広告を見ると、
1921年のムサシヤ（まだ宮本孝一郎が経営）は
「ムサシヤ・ザ・シャツメーカー」を名乗る前のことであり、
シャツをオーダーメイドで作る店というよりは
主に反物を販売する店であり、
「シャツ、下着、ベッドカバー、シーツ、枕カバー、タオル、ハンカチ」なども
扱っていたようです。

品目の中に「シャツ」とありますが、
既製品なのかオーダーメイドなのかはよくわかりません。
どちらもあったのでしょう。



追記

追加情報を記載しておきます。

かつてサンサーフが「ムサシヤ」のＴシャツを作っていました。
ヤフオク出品物で見つけたのでご紹介します。









https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p725522473


ここにプリントされているものは、文章はもちろん、文字の書体やレイアウトも含めて
すべて上の広告（1921年発行の『布哇同胞發展回顧誌』に掲載されたもの）から
転写したものを、再構成（配置の入れ替え）しています。

これを見たときに、ちょっと驚きました。
先ほど見ていた1921年の広告が、
こんな形で、そっくりそのまま現在に蘇っているのを見たからです。

サンサーフは結構、紙モノからの転用がよく見られます。


ネタバレ（ネタバラシ）の追加情報でした。



（次回に続く）

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