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ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(183)ペニーズメイドインジャパン その4 洋柄 風景柄 [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]

週末ではありませんが、翻訳をお休みして、
「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けしています。

「ペニーズメイドインジャパン」の4回目です。
ペニーズは出品数が多く、種類も多いため、
同系統の柄をまとめて、数回に分けて、いつもより簡略版で、お届けしています。


今回は「洋柄~風景柄」を集めました。
洋柄というのは、「和柄の反対」(和洋の洋)といった程度の意味で、
要するにハワイ柄や南国柄などのことを指します。

ペニーズメイドインジャパンの風景柄には、
和柄だけでなく、洋柄も種類豊富に存在します。
ただし、日本で作られただけあって、
柄を描いたのも日本の絵師(テキスタイルデザイナー)でした。
当時の絵師は着物の柄を描くのに習熟した、日本画の素養のある人たちだったため、
南国の風景を描いていても、どこか日本の風景っぽかったりするわけです。
米国本土やハワイの画家が描いた南国の風景柄とはタッチが微妙に違っていて、
そこがまた味わい深いところでもあるのです
(ハワイや米国本土のブランドの織ネームが付けられたシャツでも、
 1950年代半ば以降に作られたものの中には、
 日本製の生地=日本の絵師が描いた柄を使ったものも多いので、
 誰が描いたかはなかなかわかりにくいのですが・・・)。


前置きはこのくらいにして、さっそく出品物を見ていきましょう。
まず最初はこちらからです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/r1053594479

ヤシの木が茂った島と海、その海に浮かぶアウトリガーカヌー、
そして遠くには連なる山と、朝焼けか夕焼けの空が描かれています。
イオラニあたりにありそうな、ちょっとノスタルジックな風景柄ですね。
使われている色数も多く、カラフルで美しい柄に仕上がっています。



続いてはこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t1054064404?wr=1&iref=wlr_6&irefopt=15

ヤシの木と切り立った山、荒波と帆船、
藁ぶき屋根の家とアウトリガーカヌー
(この組み合わせはパリハワイアンが多用するものです)が描かれ、
そしてなぜかティキが、お地蔵さんのように草の間に立っています。
黄土色中心の色彩は、ペニーズメイドインジャパンではあまり見かけないものですね。
三角タグが付けられていますが、
四角タグとどう違うのか(時代・卸先・地域等)は不明です。



そしてこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/q1054490907

水色の海と帆掛け船、砂浜に囲まれたヤシの島、
遠くには別の島(あるいは地続き?)と切り立った山、
さらにその向こうには雲の上から顔をのぞかせる高山という、
南国の写真や絵葉書で見るような風景が広がっています。
爽やかな風を感じるような気持ちのいい柄ですね。
現在入札受付中(まもなく終了予定)なので、気に入ったら入札してみてください。



こんな柄もあります。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x1020569395?notice=mdrs

緑がかったグレーの、密林や海、島や山々の中に、
青い家々がほのかに浮かんで見える、そんな不思議な柄です。
真っ暗闇の集落の中で、ろうそくかランプのほのかな明かりに照らされた家々が
ほんのりと浮かんでいる、という情景を、このような色彩で表現したのでしょうか?
筆者はそのように解釈しました。
アロハシャツとしては地味というか、イメージが暗いような気もしますが、
着たら意外にカッコイイかもしれません。通好みの一着ですかね?



そのほか、すでに終了してしまっていますが、
ぜひご紹介したいのはこちらです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v1052465817

浜辺に並べられている船と、保管されている漁網、
網の手入れをしている男たち、
沖には魚を捕っているであろう船、
そして遠景には、浜と林と山も見えます。
色使いで言ったら「ポリネシアンスポーツウェア」にありそうですし、
人々が何かをしている様子を巧みに小さく入れ込んでいるところで言ったら
「イオラニスポーツウェア」にありそうな、そんな秀逸な柄です。
雲の浮かび方や、波のきらめき具合など、細かなところも素晴らしいですね。
ペニーズメイドインジャパンの中では、明らかに上の方のランクのシャツ
(もちろんペニーズでランクを付けているわけではなく、現在の目で見て、
 仕上がりの良しあしに応じてランクを付けるとしたら)と言っていいでしょう。
上手な絵師が描き、巧みな染工所がプリントしたものだと思います。
ペニーズメイドインジャパンの中の初期の製品なのかもしれません

出品者さんが退会してしまったのか、出品は終了してしまっています。
残念ですね。




そしてもう1つ、終了分から。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o490428529

鬼の洗濯岩のような波と、大人数で漕ぐカヌー、
ヤシの島と、ダイヤモンドヘッドが描かれています。

波の描き方や、現実の大きさを無視したプルメリアの花の挿入の仕方などが、
パリハワイアンの手法に似ていますね。
パリハワイアンでこの柄を見たことはありませんが、
同じ絵師の手になるものかもしれませんし、
あるいは「それと同じように描いてくれ」と依頼したものなのかもしれません。

明るい色使いがアロハシャツらしくて好感が持てますね。




最後に1つ。こちらは筆者所有のペニーズの洋柄になります。

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(筆者コレクションより)

藁ぶき屋根の家と、立てかけたサーフボードという組み合わせや、
(上のシャツと同様に)風景の中で花だけ大きく扱う手法は、
パリハワイアンでよく見られるものですが、
絵のタッチが異なるので、おそらく別の絵師の手になるものでしょう。
とはいえ、アロハシャツらしいアロハシャツですよね。


以上、4回にわたって、ヤフオクで見かけたペニーズメイドインジャパンを
深く掘り下げて考察してみました。

これだけたくさん存在するということは、
当時いかに大量に作られたかがわかりますし、
それなのに見たこともない柄がどんどん出てくるということは、
いかに多品種だったかがよくわかります。
ペニーズだけで本が1冊できてしまいますね。



今回はこの辺で。
次回は、ペニーズ以外の、新出品アロハシャツをご紹介します。
お楽しみに。



(次回に続く)

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