ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(179)新出品のアロハシャツ [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]
本日は週末なので、引き続き翻訳の方はお休みして、
恒例の「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けします。
前回に続いて今回も「新出品のアロハシャツ」を取り上げます。
どんどん良いものが出品されるためご紹介が間に合いません。
さっそく行きましょう。最初はこちら ↓ から。
ちょうど本日終了してしまいそうですが、名品なのでご紹介します。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/q1053660182
紺地に、白と薄青のボーダーパターンで「イエイエ」を描いた柄です。
ちなみにイエイエというのは、こんな植物 ↓
https://www.gaborruff.com/blog/ie-ie-vine/
で、タコノキ科のつる植物だそうです。
「アロハシャツの真実」p88に色違いが掲載されていますが、
そこでは「SCREWPINE & ALOE」と紹介されています。
SCREWPINEというのはラウハラ(ハラ)のことで、
「パイナップル状の実」をつけるのが特徴なので、
この柄は、正確に言うとラウハラではなく、イエイエだと考えられます
(どちらもタコノキ科で、その点では近縁種なのですが・・・)。
ブランドは「カメハメハ(緑字)」で、素材はレーヨン、
プリントは抜染です。
ボタンはココナッツボタンが付けられています。
単色系であることと、ボーダーパターンであることなどから、
1940年代末(1948年あたり)の柄だと筆者は推測します。
かなり高額になっていますが、珍品であることは間違いありません。
続いてご紹介するのはこちらです。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f1053528380
波を背景に、フルーツ、ウクレレ、サーファー、キヒキヒなどが描かれた柄です。
サンサーフからも復刻が出ている有名柄ですね。
とはいえ、ヤフオクに出品されるのは珍しいです。
ブランドは前々回に詳しくご紹介した「パリハワイアンスタイルド」(「ド」付)で、
素材はレーヨン、プリントはオーバープリント、
ボタンはシェルミーボタンです。
織ネームのデザインと、シェルミーボタンであることから
パリハワイアンの後期作(1950年代末頃)であると推測します。
ただしこの柄は、レーヨン縮緬×竹ボタンの「前期型」(1950年代半ば)も存在します。
こちら(色違い) ↓ です。
(筆者コレクションより)
ブランドは「ハレハワイ」ですが、パリハワイアンと同じ
アロハ貿易製のプリント生地を使っていると考えられます。
「人気柄で、長期にわたって生産された」のではないでしょうか?
ヤフオク出品物に戻りましょう。
こちらは、色がカラフルでブルーも鮮やかですし、色落ちも少なそうなので、
少々お高いですが、絶対にお買い得だと思います。
最後はこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k1053221900
カメハメハ大王像やカヒリ、ティキなどが描かれた、
王家にまつわる柄です。
ビショップ博物館に行くと見られるようなモチーフですね。
素材はレーヨン縮緬で、ボタンは竹ボタン、
ブランドはオアフガーメント社の「サウスシーズ」です。
サウスシーズのヴィンテージ・アロハシャツは非常に珍しいです。
オアフガーメント社自体は戦前からある古いメーカーなのですが、
いつ頃からアロハシャツを製造していたのかはよくわかっていません。
ただし、筆者がこれまで見かけたサウスシーズのアロハシャツの、
生地やプリント、縫製、ボタンの種類、そしてなにより柄の感じから判断して、
戦前のものは存在しておらず、どれも戦後のものだという印象を持ちました。
しかも新しいもの(1960年代以降)も見かけたことがありません。
そのようなことを総合的に考えると、
おそらく戦後の早い時期、1940年代後半から50年代前半頃までの、
比較的短い期間だけ製造していたように思うのです。
ちなみに、上のヤフオク出品物は、王家の柄でまとめていること
(1950年前後に、「アロハウィークの開催」にちなんで流行したモチーフ)、
レーヨン縮緬(日本から輸入した生地)が使われていることから、
1950年代初頭(1950~51年頃)の製品であると推測します。
今回ご紹介したヴィンテージ・アロハシャツはどれも高額なものばかりですが、
ほかにも貴重なものがいろいろ出品されていて、
見ているだけでもうれしくなってしまいます。
この季節は本当にたまらないですね。
今回はこの辺で。
次回をお楽しみに。
(次回に続く)
恒例の「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けします。
前回に続いて今回も「新出品のアロハシャツ」を取り上げます。
どんどん良いものが出品されるためご紹介が間に合いません。
さっそく行きましょう。最初はこちら ↓ から。
ちょうど本日終了してしまいそうですが、名品なのでご紹介します。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/q1053660182
紺地に、白と薄青のボーダーパターンで「イエイエ」を描いた柄です。
ちなみにイエイエというのは、こんな植物 ↓
https://www.gaborruff.com/blog/ie-ie-vine/
で、タコノキ科のつる植物だそうです。
「アロハシャツの真実」p88に色違いが掲載されていますが、
そこでは「SCREWPINE & ALOE」と紹介されています。
SCREWPINEというのはラウハラ(ハラ)のことで、
「パイナップル状の実」をつけるのが特徴なので、
この柄は、正確に言うとラウハラではなく、イエイエだと考えられます
(どちらもタコノキ科で、その点では近縁種なのですが・・・)。
ブランドは「カメハメハ(緑字)」で、素材はレーヨン、
プリントは抜染です。
ボタンはココナッツボタンが付けられています。
単色系であることと、ボーダーパターンであることなどから、
1940年代末(1948年あたり)の柄だと筆者は推測します。
かなり高額になっていますが、珍品であることは間違いありません。
続いてご紹介するのはこちらです。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f1053528380
波を背景に、フルーツ、ウクレレ、サーファー、キヒキヒなどが描かれた柄です。
サンサーフからも復刻が出ている有名柄ですね。
とはいえ、ヤフオクに出品されるのは珍しいです。
ブランドは前々回に詳しくご紹介した「パリハワイアンスタイルド」(「ド」付)で、
素材はレーヨン、プリントはオーバープリント、
ボタンはシェルミーボタンです。
織ネームのデザインと、シェルミーボタンであることから
パリハワイアンの後期作(1950年代末頃)であると推測します。
ただしこの柄は、レーヨン縮緬×竹ボタンの「前期型」(1950年代半ば)も存在します。
こちら(色違い) ↓ です。
(筆者コレクションより)
ブランドは「ハレハワイ」ですが、パリハワイアンと同じ
アロハ貿易製のプリント生地を使っていると考えられます。
「人気柄で、長期にわたって生産された」のではないでしょうか?
ヤフオク出品物に戻りましょう。
こちらは、色がカラフルでブルーも鮮やかですし、色落ちも少なそうなので、
少々お高いですが、絶対にお買い得だと思います。
最後はこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k1053221900
カメハメハ大王像やカヒリ、ティキなどが描かれた、
王家にまつわる柄です。
ビショップ博物館に行くと見られるようなモチーフですね。
素材はレーヨン縮緬で、ボタンは竹ボタン、
ブランドはオアフガーメント社の「サウスシーズ」です。
サウスシーズのヴィンテージ・アロハシャツは非常に珍しいです。
オアフガーメント社自体は戦前からある古いメーカーなのですが、
いつ頃からアロハシャツを製造していたのかはよくわかっていません。
ただし、筆者がこれまで見かけたサウスシーズのアロハシャツの、
生地やプリント、縫製、ボタンの種類、そしてなにより柄の感じから判断して、
戦前のものは存在しておらず、どれも戦後のものだという印象を持ちました。
しかも新しいもの(1960年代以降)も見かけたことがありません。
そのようなことを総合的に考えると、
おそらく戦後の早い時期、1940年代後半から50年代前半頃までの、
比較的短い期間だけ製造していたように思うのです。
ちなみに、上のヤフオク出品物は、王家の柄でまとめていること
(1950年前後に、「アロハウィークの開催」にちなんで流行したモチーフ)、
レーヨン縮緬(日本から輸入した生地)が使われていることから、
1950年代初頭(1950~51年頃)の製品であると推測します。
今回ご紹介したヴィンテージ・アロハシャツはどれも高額なものばかりですが、
ほかにも貴重なものがいろいろ出品されていて、
見ているだけでもうれしくなってしまいます。
この季節は本当にたまらないですね。
今回はこの辺で。
次回をお楽しみに。
(次回に続く)
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