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ハワイの新聞記事から その28 1987 アロハシャツの創造者たち(5) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

以下はホノルル・アドヴァタイザー紙の1987年の記事の翻訳で、
話題はキングスミスのチャン兄妹についてです。


『アロハシャツの創造者たち(5)
 文/ロン・ロンク(ホノルル・アドヴァタイザー紙 アート・ライター)

 エセルは(訳者補足:1936年に)船でカリフォルニアに行き、
(訳者補足:1938年に)マトソンラインの、当時最も大型で最も豪華な客船マロロ号で
ホノルルに戻った。

まさにこの客船に乗った経験こそが、
彼女の最初のアロハシャツの1つであるトビウオの柄に結果的に結実することになる作品を
彼女にひらめかせたのである。

 「私がホノルルを離れていた間(訳者補足:1936年~38年)もずっと、
エラリーに布地のデザインを送っていたんですよ」とエセルは言うのだが、
ともかく、彼女が(訳者補足:1938年に)ホノルルに戻ったとき、
兄は彼女に、これまでよりも積極的に商売に関わってくれと頼んだ。

そうして彼女は、昼間は店員として働き、
夜は画家兼ファッションデザイナーとして働いたのである。』




トビウオのことをハワイ語ではマロロというのですが、
そのマロロ号に乗ったことで「トビウオ柄」を描こうとひらめいたのだと
書かれています。

ここからは想像の域を出ないのですが、
エセルがトビウオ柄を描こうと思ったきっかけは、
「本物のトビウオ」を見たから、というよりは、
「客船のメニューの表紙」を見たから、ではないかと筆者は想像しています。

これです。

m12337029185_2.jpg

https://jp.mercari.com/item/m12337029185
(メルカリの出品物より引用)

このメニューに描かれたトビウオ

malolo.jpg

から、トビウオ柄

i-img1200x1017-1613793708d5h5tz212285.jpg

を描こうと思ったのではないでしょうか?

同様に、このメニューに描かれたキヒキヒ(ツノダシ)

kihikihi.jpg

から、キヒキヒ柄

goemonkoala-img1200x1013-1616494178aiclkn31545.jpg

を描こうと思ったのではないでしょうか?
特にキヒキヒ柄の方は、2匹が対になって泳いでいるところが
なんとなく似ているように思えるのですが・・・。

つまり、広い意味の「メニュー柄」だと見なせるのではないかと思うのです。
しかもこれが「メニュー柄の一種」だとすれば、
戦後に誕生したと考えられる実際のメニュー柄よりも数年前に誕生していたと
言えなくもないと思うのです。
ちょっと無理がありますかね?



(次回に続く)

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