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ハワイの新聞記事から その24 1987 アロハシャツの創造者たち(1) [ハワイの新聞記事から]

筆者が収集した、アロハシャツに関するハワイの新聞記事の中から、
面白そうなものをランダムに選び、翻訳してご紹介しています。

以下はホノルル・アドヴァタイザー紙の1987年の記事の翻訳で、
話題はキングスミスのチャン兄妹についてです。


『アロハシャツの創造者たち(1)
 文/ロン・ロンク(ホノルル・アドヴァタイザー紙 アート・ライター)

 誰が最初のアロハシャツを創造したのだろうか?

 ハワイのファッションの歴史に関するほとんどの参考文献は、
エラリー・J・チャンが「アロハシャツ」の父であると言っている。

 彼は1936年にその名称を登録したのであり、
そしてこうした明るい色のハワイアンシャツを大いに広告宣伝し、
また販売もした最初の大手小売店主であった。

1着1.95ドルのそうしたシャツは、
ノースキング通り36番地にあった
自身のキングスミス・クロージャーズの店舗で売っていた中で
最も人気のあるアイテムであった。

 しかしながら、そのようなことほど知られていないのは、
エラリー・チャンが彼の妹の画家エセル・チャン・ラムなくしては
それをなしえなかったということである。

エセルこそが、エラリーのために初期のアロハシャツの柄をデザインしたのである。

彼女は原画のいくつかをいまだに持っている。


アロハシャツの創造者たち.jpg

エセル・チャン・ラムとエラリー・J・チャンが持っているのは、
エセルが描いたアロハシャツのファブリック・デザインの原画である。

またチャンは、1940年代のキングスミスのレーヨン製アロハシャツを着ている。』




写真の中で2人が持っている原画に描かれているのは、
1930年代末から1940年代初頭頃に作られたアロハシャツの柄です。
生産数も少なかったでしょうから、現物はまず残っていないでしょう。
サンサーフは2003年に、スミソニアン博物館に収められているこの原画
(実際はその写真)から、レプリカを復刻させています。
それがこちら ↓ です。赤、青、茶の3色あります。

SS31210.jpg

http://pants-shop-avenue.com/item/SS31210/
(パンツショップ アベニューさんのHPより引用)

897657834.jpg

https://item.fril.jp/b8e62316a483659d44d8596cc6d7f3e4
(ラクマの出品物より引用)

m90961490980_4.jpg

https://jp.mercari.com/item/m90961490980
(メルカリの過去の出品物より引用)


発売時のサンサーフの説明では、
「エセル・ラムが1936年に描いた」とされていますが、
1936年にはまだ、日本から輸入された着物柄の生地が使われていたはずで、
「ハワイ柄」は出てきていない(誰も描いていない)と筆者は考えています。

最初にハワイ柄を描いたのはエルシー・ダースだと言われており、
それもカーテン向けの絵を、1937年頃に描いたとされています。
アロハシャツ向けの絵(おそらく花などの植物の絵)が描かれたのは
早くても1938年頃であると考えられ、
さらに植物以外のハワイ・モチーフが出てくるのは1939年頃以降だと
筆者は考えています。

また、シルクにプリントされていたとするなら、
その生地は日本製であったでしょうから、
戦争が始まる以前にハワイに輸入されていたはずです。
そのように考えると、この柄のアロハシャツが作られたのは
「1939年か1940年か1941年である」と考えるのが妥当でしょう。



(次回に続く)

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