リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その207 織ネームと価値(5) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]
元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。
現在の話題は、「織ネームと価値」についてです。
『第11章「織ネームと価値」(5)
以下のページにある織ネームは、
前のページで見られる服からのものである。
ほとんどは、ハワイの衣料品産業の
主要メーカーからのものである。
それらは、以下のページでアルファベット順に並べられており、
また各メーカーの(複数の)織ネームは、
おおよそ年代順に並べられている。』
この文章よりあとのページに、
織ネームがアルファベット順に並べられているのですが、
女性物のブランドや、ごく最近のブランドの織ネームも含まれていて、
個人的にはあまり面白くはなかったのですが、
その中でいくつか興味深い織りネームがありましたので、
ご紹介しておきます
(その写真を複写してお見せすることは控えておきます)。
まず、「ハタドライグッズ」の織ネームです。
普通は、こちら ↓ の織ネームがよく知られていますね。
https://www.etsy.com/listing/771879166/1940s-50s-black-pake-muu-hata-dry-goods?source=aw&utm_source=affiliate_window&utm_medium=affiliate&utm_campaign=us_location_buyer&utm_content=652301&awc=6220_1636722445_f097a55384e86d395d8aa44ba4d31301&utm_term=0
(服はレーヨン縮緬のパケムー ↓ です)
サンサーフも、同じ織ネームの実名スペシャルを出しています。
https://www.jelado.com/product/526
(JELADO FLAGSHIP STOREさんのブログより引用)
ところが、この本に出ている織ネームは、
こちら ↓ の「チェリーブロッサム」に似たものなのです。
(筆者コレクションより)
写真をお見せできないので、言葉で説明します。
「Hata」が緑の筆記体で書かれ、その下に
緑の字で「DRY GOODS」、その下に「HILO,HAWAII」と書かれており、
そのまわりに「赤い桜の花びら」がちりばめられている、というデザインです。
明らかに、系列店であることから来る、類似のデザインになっているのです。
この織ネームは筆者も初めて見ました。
そしてもう1つは、「レイラニ」の織ネームです。
レイラニと言えばワットムルスの系列店であり、
普通は、「ワットムルスアンドレイラニ」 ↓ が知られています。
(筆者コレクションより)
ところがこの本では
「LEILANI HONOLULU made in Hawaii」
という文字と、左側に「大きなヤシの木」の絵が描かれているもので、
こちら ↓ の「ワットムルス」の織ネームによく似ています。
(筆者コレクションより)
どのように似ているかを、これも文字で説明しますと、
「LEILANI」が「WATUMULL'S」と同様に、大きく、斜めに配置され、
その下に「HONOLULU」、さらにその下に「made in Hawaii」と書かれているところが
そっくりなのです(made の「m」が小文字なのも同じです)。
これも筆者初見です。
さらにもう1つ、「ロイヤルハワイアン」の戦前と思われる織ネームも、
非常に貴重なものでしょう。
オレンジの糸で「Royal Hawaiian」(筆記体)、
その下に「Quality Garments」、
さらにその下に「MADE IN HAWAII」と書かれ、
背景に緑の糸で「山」、右横に「ヤシの木」、手前に「波」が描かれています。
戦後すぐ頃のものと思われるこちら ↓ と、
出てくる要素(「山」「ヤシの木」「波」)は似ています。
(筆者コレクションより)
この織ネームも、筆者は見たことのないものでした
(専門書にも未掲載です)。
最後の最後に、いいものを見させてもらいました。
というわけで、ながながと『20世紀のアロハ服』を翻訳してきましたが、
207回目の今回で最終回となります。
長い間、お読みくださりありがとうございました。
次回からは、アロハシャツに関する、また別な文献の翻訳を
お届けしようと思っています。
お楽しみに。
(『20世紀のアロハ服』終わり)
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。
現在の話題は、「織ネームと価値」についてです。
『第11章「織ネームと価値」(5)
以下のページにある織ネームは、
前のページで見られる服からのものである。
ほとんどは、ハワイの衣料品産業の
主要メーカーからのものである。
それらは、以下のページでアルファベット順に並べられており、
また各メーカーの(複数の)織ネームは、
おおよそ年代順に並べられている。』
この文章よりあとのページに、
織ネームがアルファベット順に並べられているのですが、
女性物のブランドや、ごく最近のブランドの織ネームも含まれていて、
個人的にはあまり面白くはなかったのですが、
その中でいくつか興味深い織りネームがありましたので、
ご紹介しておきます
(その写真を複写してお見せすることは控えておきます)。
まず、「ハタドライグッズ」の織ネームです。
普通は、こちら ↓ の織ネームがよく知られていますね。
https://www.etsy.com/listing/771879166/1940s-50s-black-pake-muu-hata-dry-goods?source=aw&utm_source=affiliate_window&utm_medium=affiliate&utm_campaign=us_location_buyer&utm_content=652301&awc=6220_1636722445_f097a55384e86d395d8aa44ba4d31301&utm_term=0
(服はレーヨン縮緬のパケムー ↓ です)
サンサーフも、同じ織ネームの実名スペシャルを出しています。
https://www.jelado.com/product/526
(JELADO FLAGSHIP STOREさんのブログより引用)
ところが、この本に出ている織ネームは、
こちら ↓ の「チェリーブロッサム」に似たものなのです。
(筆者コレクションより)
写真をお見せできないので、言葉で説明します。
「Hata」が緑の筆記体で書かれ、その下に
緑の字で「DRY GOODS」、その下に「HILO,HAWAII」と書かれており、
そのまわりに「赤い桜の花びら」がちりばめられている、というデザインです。
明らかに、系列店であることから来る、類似のデザインになっているのです。
この織ネームは筆者も初めて見ました。
そしてもう1つは、「レイラニ」の織ネームです。
レイラニと言えばワットムルスの系列店であり、
普通は、「ワットムルスアンドレイラニ」 ↓ が知られています。
(筆者コレクションより)
ところがこの本では
「LEILANI HONOLULU made in Hawaii」
という文字と、左側に「大きなヤシの木」の絵が描かれているもので、
こちら ↓ の「ワットムルス」の織ネームによく似ています。
(筆者コレクションより)
どのように似ているかを、これも文字で説明しますと、
「LEILANI」が「WATUMULL'S」と同様に、大きく、斜めに配置され、
その下に「HONOLULU」、さらにその下に「made in Hawaii」と書かれているところが
そっくりなのです(made の「m」が小文字なのも同じです)。
これも筆者初見です。
さらにもう1つ、「ロイヤルハワイアン」の戦前と思われる織ネームも、
非常に貴重なものでしょう。
オレンジの糸で「Royal Hawaiian」(筆記体)、
その下に「Quality Garments」、
さらにその下に「MADE IN HAWAII」と書かれ、
背景に緑の糸で「山」、右横に「ヤシの木」、手前に「波」が描かれています。
戦後すぐ頃のものと思われるこちら ↓ と、
出てくる要素(「山」「ヤシの木」「波」)は似ています。
(筆者コレクションより)
この織ネームも、筆者は見たことのないものでした
(専門書にも未掲載です)。
最後の最後に、いいものを見させてもらいました。
というわけで、ながながと『20世紀のアロハ服』を翻訳してきましたが、
207回目の今回で最終回となります。
長い間、お読みくださりありがとうございました。
次回からは、アロハシャツに関する、また別な文献の翻訳を
お届けしようと思っています。
お楽しみに。
(『20世紀のアロハ服』終わり)
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