SSブログ

リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その204 織ネームと価値(2) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在の話題は、「織ネームと価値」についてです。



『第11章「織ネームと価値」(2)

(続)まず布地が重要である。

すなわち、レーヨンの衣料品は他の布地の衣料品よりも
価値があるのである。

そして、ハワイの衣料品の価値を決定する上では、
柄もまた非常に重要である。

すなわち、コレクターにはハワイ・モチーフが好まれるのである。

もちろんアロハ服においては、
これまで(ハワイ柄と同じくらい)たくさんのアジア柄が
生産されてきたわけではあるが、
アジア柄よりもハワイ・モチーフの方が好まれる。

そのためハワイ・モチーフは、より高い金額を
(訳者補足:買う人から)引き出すのである。(続)』




ヴィンテージのハワイアン・クロージングの価値を決定する上で
重要な要素について、考察されています。

まず布地の素材についてですが、
レーヨン製であることが最も重要だと述べられています。
そしてここには書かれていませんが、レーヨン製は
シルク製やコットン製の価値を上回っているということでもあります。

さらに筆者がもう少し補足するなら、
レーヨン×抜染 > レーヨン×オーバープリント > シルク > コットン
という感じになるでしょうか?

ここに、「レーヨンの壁縮緬×オーバープリント」を入れたいところですが、
柄によって、あるいは色の多さやプリントの細かさなどによっても
価値が変わってくるので、一概に優劣を決めることはできません。


もう1つ重要な要素として、
ハワイ・モチーフ > アジア柄(和柄/中国柄など)
という基準が挙げられています。

これも、一般的には確かにそのような傾向がありますが、
個々の柄によっては、
アジア柄 > ハワイ・モチーフ
という逆転現象も、もちろんあり得ます。


これらの要素が価値を決めるのですが、
それはあくまでも一般的な傾向として、ということになります。



(次回に続く)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ファッション

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。