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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その203 織ネームと価値(1) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

今回から話題が変わり、「織ネームと価値」について語られます。



『第11章「織ネームと価値」(1)

 ヴィンテージ衣料の価値を決める際、
おびただしい数の要素が使われている。

現代のファッションとまったく同じように、
ヴィンテージ衣料も流行に左右されるということを理解するのは
重要なことである。

第二次世界大戦終結後から、世の趨勢は「シルキーズ」
(訳者補足:ここでは「レーヨン生地一般」又は「レーヨン製の服」を
 指すと思われる)を好んできた一方、
以下のような意見は、1990年代後半時点での価値を決める際の基本的な要因と
無関係ではない。(続)』




以前にも出てきた「シルキーズ」という言葉ですが、
アーサー氏は、レーヨン生地と、レーヨンを使ったアロハシャツ全般のことを
指しているように感じられます。

それに対して筆者は、1970年代頃のオーシャンパシフィックなどの、
シルクのような光沢感のあるレーヨン生地、および、
その生地を使ったアロハシャツのことだと理解しています。

例えば、こんなシャツです。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t756997791

画像ではややわかりにくいですが、シルクのような光沢感があります。


第二次世界大戦終結間もない時期(つまり1950年前後)に
シルキーズがあったとしたらおかしな話になってしまうので、
ここは、(シルキーズのように光沢のある)「レーヨン羽二重」を指していると
考えた方がしっくりきます。

「レーヨン羽二重」は、たて糸とよこ糸にフィラメント・レーヨンを使っているため
光沢感があります。抜染プリントによく見られる生地です。
例えば、こちらです。

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i-img901x1200-1620012298q7oqfo334639.jpg

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f512115532

光沢のある感じがお判りいただけるでしょうか?




(次回に続く)

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