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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その157 1970年代の男性服(3) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在の話題は、「1970年代の男性服」についてです。



『第8章「1970年代:民族の祝賀

 男性服(3)

 伝統的スタイルのアロハシャツへの興味が衰えつつあった1970年代後半に、
トリ・リチャードやカメハメハは、
男性用のシャツとしてはより柔らかなシェイプの、
新しいデザインを発表した。

それらは、体を抱きしめる(訳注:体のラインにぴったり沿う)ような
ニットのシャツであった。

中には、首回りが深く切れ込み、
プリントの柄がワイルドなプルオーバーもあった。(続)』




上の記述に出てくる「ニットのシャツ」というのは、
1970年代のアロハシャツに特有のものです。
ポロシャツのような編んだものを思い浮かべてしまうかもしれませんが、
ポリエステルの糸を細かく編んで伸縮性を持たせた生地による、
「ポリエステル・ジャージー」のアロハシャツでした。
伸縮性のある生地なので、細身のシルエットで作られることが多かったようです。

ここでは、「トリ・リチャードやカメハメハ」という名前が挙げられていますが、
筆者がいろいろな古着を見てきた印象では、
「ハワイネイ」というブランドのものが多く出回っていたように思います
(逆にトリ・リチャードやカメハメハのポリエステル・ジャージーのアロハシャツを
 筆者はこれまで見たことがないため、イメージが湧きません。
 特にトリ・リチャードは、ポリエステル・ジャージーよりも、
 通常の、平織のポリエステル生地のアロハシャツが多かったように思います)。


「ハワイネイ」のポリエステル・ジャージーのアロハシャツは、こちら ↓ 。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e428639311

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e448017063

生地をよく見ると、横畝になっていて、
伸縮性がある感じがわかると思います。

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緑のシャツの説明文に
「Lサイズ表記にしては少し小さいような気がします。」
と記載されているように、横幅が小さめです。
このことからも、「ぴったりサイズで着るものだった」ことがわかるでしょう。


一方、トリ・リチャードのポリエステル・アロハは実に多く出回っています。
表面のテカテカした光沢感が特徴です。

以下、ヤフオクの出品物を並べておきます。

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やはり、トリ・リチャードのポリエステル・ジャージー製は見つかりませんでした。



(次回に続く)

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