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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その120 1960年代の布地(1) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

今回から話題が変わり「1960年代の布地」について論じられます。



『第7章「1960年代:州昇格後の時代

 布地(1)

 1950年代後半から60年代にかけて、
ハンド・スクリーン・プリントによる布地がハワイで人気となり、
数社がそれを生産したのであるが、
その会社のほとんどはかなり小規模であった。

ヴォン・ハム・テキスタイルのガンター・ヴォン・ハムが言及したように、
1960年代にはリネンやリネン混の単色の布地が好まれた。

シャヒーンは、一般的には女性物のドレスやムームーの前身頃に使われる
パネル柄(訳注:1枚の絵のように、モチーフを1つの柄で表現したもの)の
巧みなデザインに、こうした混紡生地を使った。(続)』




シャヒーンは1960年に、コットンとアーネル
(筆者注釈:米国セラニーズ社が発売した、水や熱に強いアセテート繊維)
を混紡した生地に、タヒチ柄をプリントしたパネル柄の製品を
発売しています。

こちら ↓ のシャツがそれです。

シャヒーン 1960年.jpg

(ヤフオク出品物より引用)


上の記述では、ガンター・ヴォン・ハムが
「1960年代にはリネンやリネン混の単色の布地が好まれた」と語っています
(出典がよくわかりません)が、
リネンはあまり使われていなかったのではないかと
筆者は考えています。

上でご紹介した、コットンとアーネルの混紡生地は、
確かにリネンのような手触りですが、リネンは使われていません。
ガンター・ヴォン・ハムは、このような生地をリネンまたはリネン混と
混同した可能性もあると思うのです
(全くなかったとまではもちろん断言できません)。



(次回に続く)

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