SSブログ

リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その119 1960年代の文化的背景(6) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在の話題は「1960年代の文化的背景」についてです。



『第7章「1960年代:州昇格後の時代

 文化的背景(6)

(続)1960年代の終わりまでには、
アロハシャツとムームーはオフィスでの普通の光景となった。

それと同時に、(主に米国本土から来る)サーファーや観光客は
アロハシャツを本土に持ち帰ったのだが、
今度は本土でアロハシャツを着ることが若者たちの間で流行し、
服装スタイル全般の、より一層のカジュアル化をもたらした。

ハーブ・カワイヌイ・カネは
「1960年代後半までには、略式の服装は公民権のようなものになりました」と
言及した(著者注:ハーブ・カワイヌイ・カネ著『アロハ!と叫ぶシャツ』)。

カリフォルニアのそうした若い男性たちはやがて力のある地位に上り詰め、
カリフォルニアのオフィスで、よりカジュアルなスタイルの服を、
少なくとも金曜日だけは、着られるようにせよと要求できるまでになった。

今日の、米国企業でのカジュアル・フライデーは、
ハワイのアロハ・フライデーの枝分かれとして始まったのである。
そしてカジュアル・フライデーは国際的に広がり続けており、
ヨーロッパや日本にも到達した。』



ハワイから本土に持ち帰ったアロハシャツが1960年代に流行した、
という記述がありますが、
筆者はそれで思い出したのが、映画『ビッグウェンズデー』です。

あの映画は1960年代のカリフォルニアの海辺の町の話ですが、
若者たちが結構アロハシャツを着ているのです。

ビッグウェンズデー.jpg


もちろん、(ハリウッドではよくあるように)
アロハシャツの時代考証はいい加減なので、
製作年である1978年近辺のアロハシャツが出てきたりもしますが、
それでも、1950年代のヴィンテージと思われるアロハシャツも出てきたりして、
なかなか楽しめる映画でした。

『ビッグウェンズデー』におけるアロハシャツというテーマは
今度じっくりと掘り下げたいと思います。



今回で「1960年代の文化的背景」の話題は終わりです。
次回からは「1960年代の布地」が論じられます。
お楽しみに。



(次回に続く)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ファッション

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。