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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その79 1945年~1950年代半ばの男性服(1) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

今回から話題が変わり、
「1945年~1950年代半ばの男性服」について語られます。


『第5章「1945年~1950年代半ば
     :クラシック・シルキーズ(古典的レーヨン羽二重)

  男性服(1)

 アロハシャツは、ハワイ諸島での異国情緒あふれる熱帯の休暇を描写する
究極の絵葉書になった。

第二次世界大戦が始まって輸出が停止させられるまでの長い間、
ハワイの外から来る人々が(訳注:アロハシャツの)消費者の大部分を占めていた。

地元の人たちがアロハシャツを買ったのは経済を支えるためであり、
一方、ハワイに駐屯した軍関係者たちは、ハワイでの任期中に、
アロハシャツというカラフルな記念品をたくさんつかみ取った。』



「アロハシャツ」という言葉の使い方が人によって大きく異なるため、
気を付けなくてはいけないということがよくあります。

この本でリンダ・アーサー氏が使う「アロハシャツ」という言葉は、
どうも、「(狭い意味の)ハワイ柄のシャツ」を指しているように思います。
すなわち、「サーファーとかフラガールのような柄が描かれているシャツ」です。

確かに、そのようなシャツを
(戦前の)ハワイに住んでいる大人の男性が着ることは少なかったでしょう。

しかし、タパ柄やパレオ柄のような「広い意味のハワイ柄のシャツ」や
もともとのアロハシャツという言葉が指していた「着物柄のシャツ」を含めるなら、
戦前のハワイに住む大人の男性も着ていたと思うのです。

さらに言えば、高校生くらいの、おしゃれに敏感な、目立ちたがりの男子であれば、
サーファーとかフラガールのような柄が描かれているシャツも着たように思います。

つまり、
「地元の人たちがアロハシャツを買ったのは経済を支えるため」だったというのは、
(確かにそのような側面もあったでしょうが)全てではなく、
上に挙げたようなさまざまなタイプのシャツを含めるなら、
さまざまな人(自営業の男性や、学校に通う男子など)が
自分の好みで選んで着ていたと、筆者は思うのです。



(次回に続く)

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