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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その42 1930年代~1945年の女性服(1) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

今回から新しく、「1930年代~1945年の女性服」に関する部分へと進みます。



『第4章「1930年代~1945年

  女性服(1)

 幅広い民族服からの影響をアレンジしたような、
いくつもの独特なシルエットが、
1930年代のハワイの女性服のデザインを活気づけた。

米国から輸入された服が増えてはいたが、
それでもほとんどの女性服は、家庭で作られるか、
あるいはマーゴズのようなオーダーメイド・ドレスの店で作られた。

ハワイのデザインは、アジアと西洋のデザイン要素に影響を受けていた。

1930年代以前のパラカ・シャツと同様、
ラウハラ帽は機能性を重んじる労働服からハイファッションへと価値転換した。

これは、ハワイ初のデザイナーの1人である
エルシー・クラッサスの影響を受けたためである。

彼女は1933年に、
女性が被るラウハラ帽(パパレ)をデザインすることで
キャリアをスタートさせた。

もともとラウハラ帽は、機能性の観点から、
男女を問わず被られていたもので、
高いクラウン(訳注:頭に被る部分)と、
平ら、あるいはロールした縁を備えていた。

そんなラウハラ帽をクラッサスは、
女性のおしゃれなドレスに合わせて被れるようにデザインし、
カパ(訳注:樹皮をたたいて伸ばしたもの)や、木製のバラや、貝や、
その他ハワイの自然由来のものを使って縁飾りを付けたのである。』




「マーゴズ」というのは、アルフレッド・シャヒーンの母親が営んでいた
オーダーメイド・ドレスの店です。
こちら ↓ は戦後の1949年の広告ですが、
シャヒーンズ(アルフレッド・シャヒーンの父親が営んでいた店)と一緒の広告です。

マーゴズ広告.jpg

(筆者コレクションより)


一方エルシー・クラッサスは、上の記述ではデザイナーと書かれていますが、
自らがデザインした服を、自らの名前を冠した店で売る、
オーナー・デザイナーのような存在でした。

こちら ↓ のブログに、ラウハラ帽の話が出ていました。

https://deltalandscape.blogspot.com/2016/06/pandanus.html

こちら ↓ のラウハラ帽が、1935年のエルシー・クラッサスのものではないか?
とのことです。

a hat (by Elsie Krassas) decorated with dried limu (seaweed) in 1935..png

「乾燥させた海藻で装飾された帽子」という説明があります。


またこちら ↓ は、ラウハラやカパを使った、1935年頃の帽子だそうです。

Different hat styles ca. 1935 made of lau hala and kapa..png


ちなみに、こんな風にして地元の女性たちがラウハラ帽を編んでいたようです
(これも1935年頃)。

Woman weaving hat in 1935..png




(次回に続く)

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