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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その17 女性服(6) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在は、「20世紀初頭の女性服」に関する部分を翻訳しています。



『第3章 20世紀初頭

  女性服(6)

 1920年代に体のラインに非常にフィットしたホロクが発展したことは、
伝統的なゆったりしたホロクへの関心を再び高めることとなり、
ハワイではこの2つのスタイルが再び心地よく共存することとなった。

伝統を重んじるハワイの女性たちは19世紀半ばから続くホロクを作り直し始めた。

体のラインに非常にフィットしたホロクがファッショナブルであり続ける一方、
宣教師時代を思い出させる伝統的スタイルのホロクも再び盛り上がった。

女性たちが旧家のホロクを模倣しつつ、現代的なニュアンスも加え始めたとき、
そこにはハワイ王朝の歴史に対する崇敬が見られるのである。

1923年にハワイアン・シビック・クラブによって始められたホロク舞踏会で、
人々はホロクとハワイ王朝の遺産を毎年褒め称えている。』



1920年代に、「体のラインに非常にフィットしたホロク」と、
「伝統的なゆったりしたホロク」の両方が人気となったと述べられています。

1920年代というのは、いわゆるジャズ・エイジであり、
「狂騒の20年代」と言われる時代です。
そして「フラッパー」と呼ばれる、新しいタイプの女性が登場した時代でもあります。

ウィキペディアから引用しておきます。

 フラッパー(英: Flapper)は、1920年代に欧米で流行した
 ファッション、生活スタイルを好んだ「新しい」若い女性を指すスラング。
 それまで女性らしいとされてきた装いや行動様式ではなく、
 膝丈の短いスカート、ショートヘアのボブカット、ジャズ音楽などを好んで、
 濃いメイクアップで強い酒を飲み、性交渉、喫煙、ドライブを積極的に楽しむという、
 以前までの女性に求められてきた社会的、性的規範を軽視した女性たちを意味する。

ハワイは、当時はアメリカの準州でしたが、
ニューヨークなどに比べればまったくの「田舎」だったでしょうが、
それでも、上流階級の間にフラッパー的な文化は流入していたでしょう
(本土から豪華客船でやって来る裕福な観光客も多かったでしょう)。

「体のラインに非常にフィットしたホロク」(そして着丈も短い)は
このような時代の影響を受けて生まれたのだと筆者は考えます。


それに対して、
「宣教師時代を思い出させる伝統的スタイルのホロク」が見直されたのは、
年配の女性たちが、「フィットしたホロク」に付いて行けなかったため、
あるいはそれを苦々しく思っていたため、ではないでしょうか。




(次回に続く)

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