ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(67)カメハメハ(コットン製)(後編) [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]
週末なので、いつもご紹介している翻訳はお休みして、
「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けしています。
テーマは、「カメハメハ(コットン製)」で、今回は後編になります。
前回の前編では、赤字タグの中でも、古い年代に使われた「竹ボタン」のタイプを
ご紹介しましたが、今回は、それよりもやや新しい
「古銭ボタン」のタイプなどをご紹介しましょう。
まずはこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f426965098
古銭ボタンを使った、1950年代末頃のカメハメハです。
白と黄色の大きめのプルメリアの花に、
赤い小さなプルメリアの花を組み合わせた柄になります。
そして、濃紺の背景に、青色の葉っぱがうっすらと浮かび上がるところに
技が感じられます。
というのも、背景は、単調な、ベタの濃紺にして、
そこにプルメリアを散らすだけでも、
「濃い色の地に、明るい色のモチーフ」という、
アロハシャツらしいコントラストのある柄は作れたでしょうが、
もうひと手間かけ、背景にグラデーションをつけたうえで
プルメリアの花を散らしたことにより、
陰影が表れ、柄に、より深みが出たように思えるのです。
ちょっと比較してみましょう。
左がカメハメハの柄、右が最近のアロハシャツの柄です。
いかがでしょうか?
右の柄も、確かにコントラストがあり、モチーフは浮き出て見えますが、
背景がやや単調で、柄に深みが足りないと感じないでしょうか?
この時代のカメハメハは、前回の「バナナの葉とハイビスカスの花の柄」もそうでしたが、
陰影とかグラデーションにこだわっていたように、筆者には感じられるのです。
さて、次を見てみましょう。こちらです。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t751922682
1950年代末頃の、赤字タグのカメハメハです。
クラシックなタパ柄ですね。
柄がやや単調な感じがして、比較的新しいもの(60年代初頭)のようにも見えます。
タパ柄は、古くは1930年代から存在するロングセラー商品のため、
柄を見ただけで年代を特定するのは非常に困難なのです。
続いてはこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b492510165
見た目が溶岩のような凹凸があるため、
筆者が勝手に「溶岩メタルボタン」と呼んでいる、特徴的なボタンが付いた、
赤字タグのカメハメハです。
「溶岩メタルボタン」が付いたアロハシャツは、1960年代末~70年代前半頃製だと、
筆者はこれまでの経験で考えてきたのですが、
これは赤字タグが付いたカメハメハなので、判断に迷います。
1960年代前半頃のものでしょうか?
古銭ボタンではなく溶岩メタルボタンを付けた理由はわかりません。
何の葉っぱなのか筆者にはわかりませんが、
ちょっとパレオ柄のようにデザイン化されているようにも見える、不思議な柄です。
これも背景に陰影を持たせた柄で、さすがカメハメハ、手が込んでいますね。
そしてこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e452051902
オレンジ、緑、黄色の3色の菱形を縦に並べた地に、
バナナの葉を、黒の線描で描いている、なかなか凝った、秀逸な柄です。
柄の凝り方から見て、1950年代半ば頃の古いものだとみられますが、
なぜ、その年代製に圧倒的に多い「竹ボタン」ではなく、「大王メタルボタン」
(これも筆者が勝手に命名したもので、カメハメハ大王像が刻印されたメタルボタンです)
なのかがわかりません。
そもそもこの「大王メタルボタン」は、カメハメハ・ガーメント社だけが使った
(と、これまでの経験から、筆者は考えていますが、例外があるかもしれません)
ボタンで、1960年代頃の、比較的新しいカメハメハに使われたと筆者は考えていました
(ちなみに、金色のものと銀色のものの2種類あります)。
そのため、このような古そうな柄にそぐわないように思ってしまうのです。
どのような基準でボタンを使い分けていたのか、ここでもまた謎が深まりました。
最後はこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d465993189
月下美人の花とプルメリアの花、シダの葉をちりばめた柄です。
背景がモザイク状にカットされているところが特徴的ですね。
この「王家の紋章タグ」(これも筆者の勝手な命名)は、
1960年代前半頃から使われているもの
(確認出来た限りでは1963年10月にはすでに使われています)で、
カラフルでポップな柄という点を考慮すると、
1966年とか67年頃のものではないかと推測します。
その前の時代の、暗いトーンの地味な柄と比べると、明るく楽し気な感じがして、
個人的には好きなタイプですね。
今回、改めてカメハメハのコットン製アロハを俯瞰して見ましたが、色のトーンが
明るい(1950年代半ば)→暗い(1950年代末~60年代初頭)
→明るい(1960年代半ば~末)と変わっていく様子がよくわかりました。
また、ボタンの種類も様々で、使い分けの法則がわかりにくいということもわかりました。
それではまた。
(次回に続く)
「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けしています。
テーマは、「カメハメハ(コットン製)」で、今回は後編になります。
前回の前編では、赤字タグの中でも、古い年代に使われた「竹ボタン」のタイプを
ご紹介しましたが、今回は、それよりもやや新しい
「古銭ボタン」のタイプなどをご紹介しましょう。
まずはこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f426965098
古銭ボタンを使った、1950年代末頃のカメハメハです。
白と黄色の大きめのプルメリアの花に、
赤い小さなプルメリアの花を組み合わせた柄になります。
そして、濃紺の背景に、青色の葉っぱがうっすらと浮かび上がるところに
技が感じられます。
というのも、背景は、単調な、ベタの濃紺にして、
そこにプルメリアを散らすだけでも、
「濃い色の地に、明るい色のモチーフ」という、
アロハシャツらしいコントラストのある柄は作れたでしょうが、
もうひと手間かけ、背景にグラデーションをつけたうえで
プルメリアの花を散らしたことにより、
陰影が表れ、柄に、より深みが出たように思えるのです。
ちょっと比較してみましょう。
左がカメハメハの柄、右が最近のアロハシャツの柄です。
いかがでしょうか?
右の柄も、確かにコントラストがあり、モチーフは浮き出て見えますが、
背景がやや単調で、柄に深みが足りないと感じないでしょうか?
この時代のカメハメハは、前回の「バナナの葉とハイビスカスの花の柄」もそうでしたが、
陰影とかグラデーションにこだわっていたように、筆者には感じられるのです。
さて、次を見てみましょう。こちらです。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t751922682
1950年代末頃の、赤字タグのカメハメハです。
クラシックなタパ柄ですね。
柄がやや単調な感じがして、比較的新しいもの(60年代初頭)のようにも見えます。
タパ柄は、古くは1930年代から存在するロングセラー商品のため、
柄を見ただけで年代を特定するのは非常に困難なのです。
続いてはこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b492510165
見た目が溶岩のような凹凸があるため、
筆者が勝手に「溶岩メタルボタン」と呼んでいる、特徴的なボタンが付いた、
赤字タグのカメハメハです。
「溶岩メタルボタン」が付いたアロハシャツは、1960年代末~70年代前半頃製だと、
筆者はこれまでの経験で考えてきたのですが、
これは赤字タグが付いたカメハメハなので、判断に迷います。
1960年代前半頃のものでしょうか?
古銭ボタンではなく溶岩メタルボタンを付けた理由はわかりません。
何の葉っぱなのか筆者にはわかりませんが、
ちょっとパレオ柄のようにデザイン化されているようにも見える、不思議な柄です。
これも背景に陰影を持たせた柄で、さすがカメハメハ、手が込んでいますね。
そしてこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e452051902
オレンジ、緑、黄色の3色の菱形を縦に並べた地に、
バナナの葉を、黒の線描で描いている、なかなか凝った、秀逸な柄です。
柄の凝り方から見て、1950年代半ば頃の古いものだとみられますが、
なぜ、その年代製に圧倒的に多い「竹ボタン」ではなく、「大王メタルボタン」
(これも筆者が勝手に命名したもので、カメハメハ大王像が刻印されたメタルボタンです)
なのかがわかりません。
そもそもこの「大王メタルボタン」は、カメハメハ・ガーメント社だけが使った
(と、これまでの経験から、筆者は考えていますが、例外があるかもしれません)
ボタンで、1960年代頃の、比較的新しいカメハメハに使われたと筆者は考えていました
(ちなみに、金色のものと銀色のものの2種類あります)。
そのため、このような古そうな柄にそぐわないように思ってしまうのです。
どのような基準でボタンを使い分けていたのか、ここでもまた謎が深まりました。
最後はこちら。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d465993189
月下美人の花とプルメリアの花、シダの葉をちりばめた柄です。
背景がモザイク状にカットされているところが特徴的ですね。
この「王家の紋章タグ」(これも筆者の勝手な命名)は、
1960年代前半頃から使われているもの
(確認出来た限りでは1963年10月にはすでに使われています)で、
カラフルでポップな柄という点を考慮すると、
1966年とか67年頃のものではないかと推測します。
その前の時代の、暗いトーンの地味な柄と比べると、明るく楽し気な感じがして、
個人的には好きなタイプですね。
今回、改めてカメハメハのコットン製アロハを俯瞰して見ましたが、色のトーンが
明るい(1950年代半ば)→暗い(1950年代末~60年代初頭)
→明るい(1960年代半ば~末)と変わっていく様子がよくわかりました。
また、ボタンの種類も様々で、使い分けの法則がわかりにくいということもわかりました。
それではまた。
(次回に続く)
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