ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ（11）イオラニ、スコットオブハワイ

今回も「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」を紹介します。

今回は「ハワイ系ブランド」の「縮緬アロハ」です。

レーヨン縮緬にオーバープリントを施したヴィンテージアロハシャツは、
特にハワイ系ブランドに多いです。
もちろん本土系ブランドにも数は少ないですがあることはあります。
ただ、縮緬のプリント生地がおそらくほぼ100％、
日本で作られていたことを考えると、
日本との取引に強いハワイ系ブランドが中心になるのは理解できることでもあります。

そして、縮緬アロハは、（戦前のシルク縮緬を除けば）
1949年頃から1950年代末に作られただろうと筆者は考えています。
（プリント生地のストックが残っていた可能性まで考えれば、
　まれに1960年代初頭まで生産していたかもしれません。
　例えば小規模メーカーのホオカノの、少し新しそうな縮緬アロハを見たことがあります）

さっそく行ってみましょう。まずはこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b408790016

イオラニスポーツウェアの、ワイキキビーチの風景柄です。
1950年代後半～末頃のものです。
この時期のイオラニは、ノスタルジックなハワイの風景柄を多く作っています。
筆者はこの手が大好きで、柄違いをいろいろ所有しています。
イオラニもマリヒニなどと同様の日系人メーカーですが、
社長のケイジ・カワカミは二世で日本語があまり上手でなかったらしく、
ある日系女性に通訳を頼み、日本とやり取りしていたと、
その通訳をした女性から聞いたことがあります。
イオラニには抜染のものはなく、縮緬が多い（その後はコットンが主になる）のも
後発の日系メーカーだからでしょうか？

つづいてはこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/j639726518

同じくイオラニスポーツウェアの、海の風景柄です。
イオラニは、このような海のブルーがきれいな柄が多いですね。
こちらの出品物は色落ちも少なそうで、なかなかお勧めです。

次はこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k391545518

白人系メーカーのスコットオブハワイの、金閣寺と伏見稲荷の鳥居の柄で、
織ネームには「メイドインキョウト」の文字が入っています。

このメーカーも、日本の染工所にプリント生地を発注していたようで、
染工所との橋渡しをする人（ブローカー）をしていた人に
以前話を聞いたことがあります。

イオラニ同様、後発メーカーだったため、抜染ものはなく、ほぼ縮緬だけで、
1960年代製のコットンものと思われるものも出てこないところを見ると、
「1950年代後半だけ存在した短命メーカー」ではないかと筆者は考えています。
日本の風物・建物柄と、ハワイの風物・建物柄がほとんどで、
なかなか良い柄が多いですね。

つづいてはこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n256363972

前回も紹介した中国系メーカーのラウハラスポーツウェアです。
ハワイの海と山の風景のようですが、松の木が生えていて、
ハワイなのか日本なのかよくわかりません。
近景の大きな松の木と、遠景の山や滝の取り合わせが、
立体感があってよい柄です。

そして最後はこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/j646562666

この出品物には織ネームが付いていませんが、
奈良の風景と思われる、この鹿柄は、日系メーカーのホオカノのものが有名です。

ホオカノはつい最近（10年ほど前）まで存続していたため、
工場を訪れたことがあります。
最後の方は非常に小規模でやっていましたが、
昔は（現存するヴィンテージアロハの数の多さから言って）
もっと大規模にやっていたと考えられます。


レーヨン縮緬のヴィンテージアロハは、抜染ものに比べて
価格がこなれていることもあり、
ヤフオクにはかなりたくさん出品されていますね。
ぜひ1枚いかがでしょうか？


それでは次回をお楽しみに。

タグ：ホオカノ スコットオブハワイ ケイジ・カワカミ レーヨン縮緬 ヴィンテージアロハシャツ メイドインキョウト イオラニスポーツウェア ラウハラスポーツウェア