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ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(168)端午の節句にちなんだアロハシャツ [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]

本日もGWの連休なので、
引き続き恒例の「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」をお届けします。

今日は5月5日ということで、スペシャル企画をご用意しました。
「端午の節句にちなんだアロハシャツ」を取り上げます。


まず最初はこちらからです。
終了してしまっていますが、ぜひご紹介しておきたいものです。


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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e1048652062


端午の節句に飾る「武者人形」の柄です。

古来日本では、男児の産着や七五三の着物のモチーフとして、
鷹や龍、兜や軍配などがよく使われます。
勇ましく育ってほしいという願いを込めるためです。
それと同様に、(あまり多くはありませんが)武者や武者人形も使われたのでしょう。

ただ、アロハシャツのモチーフとしては、
鷹や龍や兜はよく使われていますが、武者人形というのは頻繁には出てきません。

武者人形の横にある「矢車」も、端午の節句に飾る幟竿の先に付けるものなので、
男児の文様と言えるでしょうか。

また、「巴太鼓」は「よく鳴る」つまり「よく成る」ということで
出世を意味する、男児向けの、縁起の良いモチーフとされています。

「猫の置物」は、着物の「玩具づくし」の柄に出てくるモチーフですね。


つまりこれらのモチーフは男児(子供)の着物に使われるものばかりですが、
着物の生地がそのまま使われているわけではありません。

背中側を見ればわかりますが、
小幅(狭幅)ではなく広幅の生地が使われているからです。
これは、シャツ用またはガウン用として、日本から輸出された、
キモノ柄のプリント生地なのです。


この柄は、古着屋さんでもたまに見かけますが、
『定本ハワイアンシャツ』P163にも掲載されています。
「ドリフトウッド・スポーツウェア」の織ネームが付けられていますね。

一方、こちらのシャツは、
織ネームが欠損していてブランド(メーカー)はわかりませんが、
袖付けと両横のステッチがダブルステッチであるところから、
個人の店やシャツメーカーでの仕立てではなく、
アパレルメーカーの工場で生産されたものでしょう。

そのように考えるなら、おそらくこのシャツもドリフトウッド製でしょう。
また、記載はありませんが、素材はレーヨン、プリントは抜染で間違いないでしょう。

ちなみに、筆者が収集した資料の中に、この柄のシャツを着た人の写真があり、
それが「1951年3月」に撮影されているところから考えるなら、
1940年代末から1950年頃に作られたのではないでしょうか?



続いては、こちらです。
過去にヤフオクに出品されたものですが、
非常に珍しいものであるのと、色も美しいのでご紹介します。

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兜は、端午の節句の飾りにも使われるように、
男児がたくましく育つようにという願いが込められたモチーフですね。
上のシャツと同じ「巴太鼓」や
縁起の良い「富士山」「鶴」「松」が描かれています。

織ネームは、ハワイの高級紳士服店「ロス・サザランド」のものが付けられており、
素材はシルク、ボタンは竹ボタンです。
ハワイで和柄が流行した、1950年頃の製品と考えられます。



似たような兜の柄は比較的多く見られます。
続いてご紹介するのは、筆者のコレクションになります。

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(筆者コレクションより)


「トロピカーナ」の和柄です。
上のロス・サザランドと似たモチーフが描かれていますね。
兜、巴太鼓、鶴、松は共通ですが、
こちらは、富士山の代わりに宝船が出てきています。

そしてこちらのシャツの特筆すべきところは、
素材がシルクではなくレーヨンで、しかもプリントが抜染というところです。
1950年前後の和柄は、日本から輸入したシルクのキモノ柄のものが多いのですが、
こちらは、米国本土でプリントしたと思われるプリント生地なのです。
年代的にも1949年製(新聞広告で確認済み)なので、
戦後の日本からプリント生地が入るようになる前のものでしょう。

ボタンはココナッツボタンです。


同じ柄の色違いもありますのでご紹介しておきます。

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(筆者コレクションより)

こちらはベークライトのドーム形ボタンが付けられています。



さて、ヤフオクで兜の柄を探してみたところ、こんな柄がありました。
以前にもご紹介したかもしれませんが、まあいいでしょう。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c903152303

宝船、鶴、富士山などの似たようなモチーフが見られますね。
素材はレーヨン縮緬、ボタンは尿素ボタンでしょうか?
フラップ付きのポケットが両胸に付けられているところを見ると
米国本土製かもしれません。




今回はこの辺で。
次回をお楽しみに。



(次回に続く)

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