リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その155 1970年代の男性服(1) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]
元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。
今回から話題が変わり、「1970年代の男性服」について論じられます。
『第8章「1970年代:民族の祝賀
男性服(1)
1970年代は、西洋世界では
カジュアル・スタイルによって特徴づけられる10年であった。
男性服における「ピーコック革命」は、
変わりつつある性的役割の、視覚に訴える結果であった。
男性的なデザイン・ディテールと
女性的なデザイン・ディテールとの間の線引きはぼんやりしていた。
色、デザイン、モチーフ、装飾などの点から言って、
以前なら、男性のシャツにしては女性的すぎたものが、
アメリカのファッションの中で
(少なくともしばらくは)受け入れられるようになった。
そしてそのことがアロハシャツにもある程度の影響を与えた。
つまり1970年代にはアロハシャツが
デザインにおいてかなりワイルドになったのである。(続)』
まず最初に、「ピーコック革命」という言葉の解説から始めましょう。
『デジタル大辞泉』から引用します。
「《ピーコックは孔雀(くじゃく)の意》
1967年に米国のディヒター博士が提唱した、男性ファッションの革命。
従来のダークトーン中心から、
もっと色彩を取り入れて美しく着飾ろうとする運動で、
孔雀の雄が雌よりも華やかな色彩をもっていることからの命名。 」
アロハシャツの世界は、ご存じのように、
1940~50年代前半には「派手な色使い」が当たり前だったので、
色に関しては「ピーコック革命」は何年も遅れていると言えるでしょう
(皮肉にも「孔雀の柄」も存在します。こちら ↓ はサンサーフ製の孔雀柄ですが、
オリジナルは1950年代のカメハメハの和柄アロハです)。
https://www.beylerbeyi.top/index.php?main_page=product_info&cPath=214_288&products_id=22218
さて、上の記述に
「色、デザイン、モチーフ、装飾などの点から言って、
以前なら、男性のシャツにしては女性的すぎた」ものが
1970年代には登場した、と書かれているので、
そのような例をヤフオクで探してみました。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m1001423903
真っ先にご紹介したいのは、こちらのショッキング・ピンクの
アロハシャツです。
アメリカでは長い間、男性は「ピンク」の服を着なかった
(日本も同じかもしれませんが)という話を以前聞いたことがあります。
「男らしくない」と考えられていたということでしょう。
ヴィンテージ・アロハシャツでも、ピンクのものはほとんど見たことがありません。
1970年代になってピンクのアロハシャツが出てきたと言えるかもしれませんね。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b1001631662
こちらのアロハも、ポップな形の花や、ピンク色の花など、
1970年代的な要素が見受けられます。
織ネームの「Kay’s at Waikiki」というのは、
おそらくワイキキにあったショップの名前でしょう。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s1000422646
こちらは巨大なハイビスカスが描かれたアロハシャツです。
前回のブログで、
「大柄のハイビスカス柄が1970年代には非常に多かったのではないか」
と書きましたが、これもその同類です。
この大柄のハイビスカス柄がそのままムームーになっていてもおかしくはありません。
上の記述に出てくる「女性的な装飾」のアロハシャツというのが
どのようなものを指すのかはちょっとわからなかったのですが、
ともかく、女性的なニュアンスのアロハシャツが
1970年代に多く見られたのは確かなようです。
(次回に続く)
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。
今回から話題が変わり、「1970年代の男性服」について論じられます。
『第8章「1970年代:民族の祝賀
男性服(1)
1970年代は、西洋世界では
カジュアル・スタイルによって特徴づけられる10年であった。
男性服における「ピーコック革命」は、
変わりつつある性的役割の、視覚に訴える結果であった。
男性的なデザイン・ディテールと
女性的なデザイン・ディテールとの間の線引きはぼんやりしていた。
色、デザイン、モチーフ、装飾などの点から言って、
以前なら、男性のシャツにしては女性的すぎたものが、
アメリカのファッションの中で
(少なくともしばらくは)受け入れられるようになった。
そしてそのことがアロハシャツにもある程度の影響を与えた。
つまり1970年代にはアロハシャツが
デザインにおいてかなりワイルドになったのである。(続)』
まず最初に、「ピーコック革命」という言葉の解説から始めましょう。
『デジタル大辞泉』から引用します。
「《ピーコックは孔雀(くじゃく)の意》
1967年に米国のディヒター博士が提唱した、男性ファッションの革命。
従来のダークトーン中心から、
もっと色彩を取り入れて美しく着飾ろうとする運動で、
孔雀の雄が雌よりも華やかな色彩をもっていることからの命名。 」
アロハシャツの世界は、ご存じのように、
1940~50年代前半には「派手な色使い」が当たり前だったので、
色に関しては「ピーコック革命」は何年も遅れていると言えるでしょう
(皮肉にも「孔雀の柄」も存在します。こちら ↓ はサンサーフ製の孔雀柄ですが、
オリジナルは1950年代のカメハメハの和柄アロハです)。
https://www.beylerbeyi.top/index.php?main_page=product_info&cPath=214_288&products_id=22218
さて、上の記述に
「色、デザイン、モチーフ、装飾などの点から言って、
以前なら、男性のシャツにしては女性的すぎた」ものが
1970年代には登場した、と書かれているので、
そのような例をヤフオクで探してみました。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m1001423903
真っ先にご紹介したいのは、こちらのショッキング・ピンクの
アロハシャツです。
アメリカでは長い間、男性は「ピンク」の服を着なかった
(日本も同じかもしれませんが)という話を以前聞いたことがあります。
「男らしくない」と考えられていたということでしょう。
ヴィンテージ・アロハシャツでも、ピンクのものはほとんど見たことがありません。
1970年代になってピンクのアロハシャツが出てきたと言えるかもしれませんね。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b1001631662
こちらのアロハも、ポップな形の花や、ピンク色の花など、
1970年代的な要素が見受けられます。
織ネームの「Kay’s at Waikiki」というのは、
おそらくワイキキにあったショップの名前でしょう。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s1000422646
こちらは巨大なハイビスカスが描かれたアロハシャツです。
前回のブログで、
「大柄のハイビスカス柄が1970年代には非常に多かったのではないか」
と書きましたが、これもその同類です。
この大柄のハイビスカス柄がそのままムームーになっていてもおかしくはありません。
上の記述に出てくる「女性的な装飾」のアロハシャツというのが
どのようなものを指すのかはちょっとわからなかったのですが、
ともかく、女性的なニュアンスのアロハシャツが
1970年代に多く見られたのは確かなようです。
(次回に続く)
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