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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その88 1945年~1950年代半ばの男性服(10) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在は、「1945年~1950年代半ばの男性服」について語られています。

デューク・カハナモクのアロハシャツの話は前回でひとまず終わり、
今回からは、「仕事服としてのアロハシャツ」の話に移ります。



『第5章「1945年~1950年代半ば
     :クラシック・シルキーズ(古典的レーヨン羽二重)

  男性服(10)

 アロハシャツは、第二次世界大戦後まで依然として、
カジュアルな服装であり、
ビジネスの世界には適切ではないと見なされていた。

そしてアロハ・ウィークが変化をもたらした。

それ以前のハワイの男性たちは仕事ではシャツを着てネクタイを締めており、
アロハシャツを着ることには多くの抵抗があった。

「当時のハワイは本当に田舎臭くて偏狭で、
 古参の人たちは形式ばることにこだわっていました。

 彼らの態度は宣教師と大して変わらず、
 いや、それどころか実際に彼らの多くは宣教師の子孫だったので、
 物事に関して依然としてかなり厳格で清教徒的でした。」と
 あるメーカーの人は言った。(続)』



ある人物の、一つの見方ではありますが、
アロハシャツが最初のうち、ハワイで受け入れられなかったのは、
「宣教師の影響を受けた、清教徒的な厳格さ」があったためだというのです。

ピューリタニズム(清教徒主義)という言葉を辞書で調べてみると、
「清純な生活を理想とするイギリスの清教徒の思想。
 また、一般に、厳格で潔癖な生活を送るべきだとする考え方。」
と書かれています(出典 精選版 日本国語大辞典)。

質素な生活を良しとする人々にとって、
アロハシャツのような、「陽気で派手な服」というのは、
やや抵抗を感じるものだったのかもしれません。

ハワイの人の意識や、文化的宗教的背景を考慮したこの説を聞いて
筆者は「なるほど、そういう考え方もあるのか」と少し感心してしまいました。



(次回に続く)

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