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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その21 パラカ(2) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在は、「20世紀初頭のパラカ」に関する記述を翻訳しています。



『第3章 20世紀初頭

  パラカ(2)

 沖縄からの移民である新川善繁(ゼンパン・アラカワ)は、
プランテーション労働者たちの服を修理するニーズだけでなく、
労働着を作るニーズもあると見た。

そこで彼は足踏み式ミシンを買い、型紙の引き方も勉強し、
さらに、自分が畑仕事を続けている間に内職してくれる主婦たちを雇うことで
その始めたばかりのビジネスをすぐに拡大させた。

彼のビジネスは繁盛した。

テーラーを開いたのち、雑貨販売、タクシー業、ホテル業にまで手を広げた。

アラカワズ・プランテーション百貨店は、
プランテーション労働者が欲しがる、労働着やそれ以外の物を
1909年から提供し始めた。

そこではパラカ・シャツは重要な品であった。

パラカは、何十年もの間ハワイの労働者と深く結びついたものであり、
民族的な違いを超えて文化的に重要な品となった。

1930年までにはパラカはハワイの住民と密接に結びついていた。』




アラカワのパラカは有名で、
現在もそのブランド名でパラカが作られています。

ヤフオクにも出品がありましたのでご紹介します。

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https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d514010722

この説明文の中に
「ワイパフにあった「アラカワ・ストアー」は、
 パラカ・シャツの専門店として長い間多くの人に愛され、
 1995年に惜しまれつつも閉店しました。
 現在は「ARAKAWAS PALAKA」ブランドの権利を持つ新たなオーナーが
 ハワイ製の「ARAKAWAS PALAKA」を復活させています。」
と書かれています。

ただ、ヴィンテージの「アラカワ」のパラカは
ほとんど現存していないのではないでしょうか?
筆者は、現物はもちろん、出版物でもネットでも見たことがありません。

アラカワは1909年から営業しているということなので、
前回ご紹介したセイラーモク・プロダクツや、日系のユニオン・サプライ
(どちらも創業は1922年代以降)のパラカよりも古い可能性があります。

ところで、上の翻訳でゼンパン・アラカワの漢字が
「新川善繁」であることは、今回調べてみてわかりました。

沖縄県立図書館が、日系一世のルーツを調べるイベントを開催し、
ゼンパン・アラカワの足跡を明らかにしたそうです。

詳しくは
https://www.libraryfair.jp/sites/default/files/%E3%80%90%E6%B2%96%E7%B8%84%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%80%91H29%E7%99%BA%E8%A1%A8%E8%B3%87%E6%96%99.pdf


https://www.libraryfair.jp/sites/default/files/%E3%80%90%E6%B2%96%E7%B8%84%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%80%91H29%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%89%B5%E7%94%9F%E3%83%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A4%A7%E8%B3%9E_%E5%BF%9C%E5%8B%9F%E6%A7%98%E5%BC%8F.pdf

に詳しく書かれています。
興味のある方はご覧ください。




(次回に続く)

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