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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その20 パラカ(1) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

今回は、「20世紀初頭のパラカ」に関する記述を翻訳します。



『第3章 20世紀初頭

  パラカ(1)

 パラカという名で知られる生地は、
白と濃い青のチェック柄で織られた厚手のコットン生地であり、
ハワイでは遅くとも1900年までには使われるようになった。

19世紀にハワイに上陸した船乗りたちが、
フロックと呼ばれる、ゆったりしたシルエットの長袖の上着を着ていたのであるが、
ハワイアンたちは「フロック」という単語を「パラカ」に音訳したのである。

それはちょうど、「フランク」という人名を「パラニ」に音訳したのと同様である
(ハワイ語では「F」は「P」になり、「R」は「L」になる)。

このチェック柄の綿織物は人気となり、
パラカという単語は、その生地を使った服というよりも
むしろその柄を指すようになった。

19世紀末までに、移民たちがハワイに来て畑や工場で働くようになるにつれて、
パラカ生地を使った服も広まった。

というのもパラカ生地は丈夫で、涼しく、デザインが良いからであった。

パラカ・シャツやパラカ・ジャケットは、
ポルトガル系やハワイ系のプランテーション労働者たちがよく着る服であった。

パラカ・シャツやパラカ・ジャケットの最も古い証拠資料は
1895年から1900年までの絵画である。

そして1920年代までにはパラカ・ジャケットは
あらゆる民族のプランテーション労働者たちに人気となった。』




かつて筆者は、ハレイワにあった「H・ミウラ・ストア」を取材したとき、
「もともとはプランテーション労働者たちのために服を作る店だった」
という話を聞きました。

ミウラ・ストア.jpg

このH・ミウラ・ストアのような、プランテーションの近くにあった雑貨屋
(服だけでなく、身の回りの雑貨や、店によっては食料品も売っていたでしょう。
 いわば「なんでも屋」です)などで手作りされていたようなパラカ・ジャケットが
上で述べられているものだと思います。


こちら ↓ は、上で述べられている時代よりは新しい、1930年代頃の、
工場で作られるようになった時代のパラカ・ジャケットになります。

セイラーモク・プロダクツ.jpg

(ヤフオク出品物から引用)

ブランドは「セイラーモク・プロダクツ」です。



パラカに関する記述はもうしばらく続きます。



(次回に続く)

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