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ハワイの衣料品製造業の歴史 その296 「メイド・イン・ハワイ」というレーベルの開発と承認(10) [ファンダバーク著ハワイの衣料品製造業]

ファンダバーク教授の本『ハワイの衣料品製造業の歴史』の翻訳をお届けしています。

この章「ハワイで製造される衣料品の種類」では、衣料品のタイプ別に語られており、
現在は「『メイド・イン・ハワイ』というレーベルの開発と承認」について
まとめた部分をご紹介しています。
この話題はまだもうしばらく続きます。



「メイド・イン・ハワイ」というレーベルの開発と承認(10)

  ”本土の人々は、こなれた価格で品質の良いハワイのカジュアルウェアを、
  『いつの日か行くハワイへの1000ドル旅行の最良の代用品』として、
  ますます買うようになっていると、ロバート・T・ガフニーは確信している。”

  ”「昨年、ハワイの衣料品製造業の総生産額2000万ドルの半分は、
  郊外で催される、正装を必要としない、家庭的なパーティで着る服として、
  ハワイ州外で販売されました。

  ハワイ以外の衣料品製造都市が
  『ハワイから着想を得た服』をついつい作り始めてしまうほど、
  『メイド・イン・ハワイ』のレーベルには魔法のような力があるのです。」と
  ガフニーは言った。”

  ”「そのような服は、ハワイの本物の服に比べればお粗末な代用品ですし、
  そもそもハワイは本物の服で有名なのです。

  ハワイ以外の衣料品製造都市は真似ようと試みるかもしれませんが、
  我々が誇りを持っている、優れた職人技や着心地の良さを
  複製することはできません。

  縫製技術はハワイの女性たちに生まれつき備わったものであり、
  ハワイでは職人の技能に非常に重きを置いているのです。」” 』




ハワイ製よりもおそらく安く売られていたであろう「日本製のアロハシャツ」が、
米国本土で、ハワイ製と競合したのではないか、と筆者は推測しているという話を、
先日のブログで書きました。

今回の記述の中に、
「ハワイ以外の衣料品製造都市は真似ようと試みるかもしれません」とか、
「そのような服は、ハワイの本物の服に比べればお粗末な代用品です」などと
書かれていますが、それは、
「日本製のアロハシャツ(やハワイ調の服)」を指すのではないかと思えてきます。

ハワイの人は「優れた職人技や着心地の良さ」に誇りを持ち、
それを大切にしていると、
ハワイ・ファッション組合の理事長、ロバート・T・ガフニー氏は語っていますが、
そもそもそのようなハワイの優れた縫製をしているのは、主に日系の女性たちであり、
材料として使っているプリント生地(のほとんど)は日本から来たものであることには
彼も気づいていないのかもしれません。

また、もしも「お粗末な代用品」というのが
「日本製のハワイアンウェア」を指しているとしたら、
日本製品を侮っていると言えるでしょう。



(次回に続く)

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