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ハワイの衣料品製造業の歴史 その279 布地の種類(9) [ファンダバーク著ハワイの衣料品製造業]

ファンダバーク教授の本『ハワイの衣料品製造業の歴史』の翻訳をお届けしています。

この章「ハワイで製造される衣料品の種類」では、衣料品のタイプ別に語られており、
現在は「布地の種類」についてまとめた部分をご紹介しています。



『布地の種類(9)

 ハワイの衣料品メーカーは、本土での販売が拡大するにしたがって、
プリント柄の種類や布地の種類を増やさねばならなくなった。

一方、新しい合成繊維や、天然と合成の新しい混紡繊維がたくさん生まれたことで、
新しい生地も台頭してきている。

防しわ性、半永久プリーツ加工、洗濯速乾性、そしてそれ以外にも、
20世紀の生活に楽ちんさと時短をもたらしてくれるような便利な機能性を持った、
繊維や生地の生産は近年、消費者にますます求められるようになっている。

全国的に知られた繊維や生地はいまではたくさんあり、
そのような全国的に有名な商品名やブランド名を持った繊維や生地の中には、
共同で広告を出してもいいというものも出てきた。

衣料品メーカーと合成繊維メーカーの共同広告は
この10年でますます頻繁になってきているのである。』




上の記述は、この本が執筆され、出版された1964~65年頃の状況だと思われますが、
この当時は合成繊維がいろいろと出てきて、
生地の機能性もどんどん向上していた時代だということがよくわかります。

アロハシャツにそのような新素材がどんどん使われていたわけではありませんが、
当時の広告を見ても、例えば1962年には、
「レーヨンとコットンの、洗濯可能な混紡生地」や
「ダクロンとコットンの、洗濯可能な混紡生地」や
「シルキーでシャイニーな、洗濯可能なアボカド・クロス」(詳細は不明)
といった宣伝文句が踊っています。

また一般に1970年代の生地だと思われている「ラバクロス」
(ごわっとした厚手のコットン生地)も、
「ラフ・テクスチャード・コットン」(粗い手触りのコットン)という説明と共に
1962年の広告で紹介されていたりします。

「ラバクロス」というのは例えばこんな ↓ 質感の生地です。

s-l1600.jpg

(eBayの出品物より引用)



1960年代前半という時代は、ヴィンテージアロハシャツの観点からは
有名柄も少なくて、あまり面白くない時代なのですが、
生地の種類の多さという点で見ると、確かに特筆すべき時代だったかもしれません。



(次回に続く)

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