ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ（35）タパ柄 その1

引き続き「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」を紹介しています。

今回から「タパ柄」を取り上げます。

そもそも「タパ」というのは、wikiから引用すると、
「オセアニアのポリネシア、メラネシア、ミクロネシアで伝統的に作られる、
樹皮布（樹皮でできた布）である。」
とのことです。
また
「彩色は氏族に伝わるモチーフや模様を手描きによって施文する」
とのことで、
この、タパによく使われる文様（伝統柄）のことを「タパ柄」と呼び、
アロハシャツにも古くからよく使われています。

初期のテキスタイルデザイナー、ジョン・メイグスがかつて語っていましたが、
ハワイっぽい柄を描かねばならなかった（しかし何を描けばよいかわからない）
初期のデザイナーたちは、ビショップ博物館の展示を参考にして、
柄を描いていたそうです。

それゆえ、タパ柄は最初期（1930年代）に登場し、
「ハワイの伝統文化」が見直される
（観光客向けの軽いハワイではなく、歴史と文化に裏打ちされたハワイが脚光を浴びる）
時代に、タパ柄もたびたび復活したのではないかと筆者は考えています。
（と言っても、最初期のタパ柄はほとんど残っておらず、
　筆者も見たことがないため、どのようなものだったか詳細は不明です）

そんなわけで、アロハシャツの歴史と同じくらい古いタパ柄ですが、
最初はおそらく、タパ柄だけの柄が描かれていたようですが、
その後は、パイナップルやヤシ、魚など、
他のハワイの風物と組み合わせた柄が書かれるようになりました。
タパを背景に使う描き方、いわば「発展形」ですね。
この発展形は現在まで続いており、例えばレインスプーナーなどでもよく見かけます。



こんな具合です。


もう１つタパ柄の特徴は、
なぜかほとんどがコットン製だった、ということです。
レーヨンやシルクのものもたまにありますが、ほとんどはコットン製です。
コットンの素材感が、樹皮であるタパに似ていたということでしょうか？


それでは見ていきましょう。最初はこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/477473887

コットンがほとんどと言っておきながら、
めったにない「レーヨン」のタパ柄で、
しかも、他のモチーフを含めない、「純粋な」タパ柄です。
その意味で、かなり珍しいものになります。
典型的なタパ柄の雰囲気がよく表れていますね。
ハレハワイの製品です。


続いてはこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m416448679

背景にタパ柄を配し、前面に大きくハイビスカスや太鼓を並べたタパ柄です。
カリフォルニアのカタリナのものですが、
カタリナは1950年代前半頃に、これに類するタパ柄をいろいろ出しています。


次はこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p768656287

シャヒーンズの、初期の作品、1950年代初頭のものです。
タパ柄とは少し違うかもしれませんが、それに近い幾何学柄とでも言いましょうか。
トーチジンジャーの花をあしらっています。


そしてこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/q364739683

サーフライダーズスポーツウェアの、1950年代のものです。
パイナップルがあしらわれたタパ柄です。
1950年代には、この手のタパ柄（コットン製）がたくさん出ていました。


さらにこちら。



https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/l607007319

年代的には新しい1960～70年代のタパ柄ですが、
他の要素を交えない、純粋なタパ柄で、
逆に柄だけ見ると古っぽく見えます。
色も茶系で地味なので、余計に古く見えてしまいます。
ペニーズタウンクラフトの製品です。
この時代に、あえてクラシックなタパ柄が見直されたのでしょうか？
面白いですね。


今回はこの辺で。
次回をお楽しみに。

タグ：ヴィンテージアロハシャツ タパ柄 カタリナ ペニーズタウンクラフト サーフライダーズスポーツウェア シャヒーンズ ジョン・メイグス ハレハワイ