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ハワイの衣料品製造業の歴史 その38 1935年 地元のファッションと衣料品製造を宣伝する広告例 [ファンダバーク著ハワイの衣料品製造業]

ファンダバーク教授の本の翻訳が続きます。


前回のブログで、
「次回からは、ぐっと面白くなってくるはずです。」と書きましたが、
その前に、1つ抜けていたことが判明したので、別の内容になります。
ごめんなさい。

今回は、前回の文章
「1935年のホノルルの新聞に掲載された種々雑多な広告は、
 その当時のハワイで、ファッションを意識する機会や
 衣料品を製造することが増えてきたことを反映している。」
という部分を補足するための、1935年の広告例です。


 『1935年のホノルルの新聞に載った、
  地元のファッションと衣料品製造を宣伝する広告例

 リバティ・ハウス
 ホノルル・アドヴァタイザー紙
 1935年3月3日

 フォーマルがプリントの世界に入り込む。
 昔のホロク・ドレスのプリントを模していると我々は信じております。
 輝くような花々、目の覚めるような色使い。ジャケット数型。14.75ドルより。

ホロク・ドレス.jpg
(参考:1950年代のホロク・ドレス。ピンタレストより引用)


 M・マキナニー
 ホノルル・アドヴァタイザー紙
 1935年6月14日

 M・マキナニーが6月17日月曜夜、
 ロイヤル・ハワイアン・ホテルでファッション・レビューをお届けします。
 マトソン社の客船でハワイにやってきた本土のプロのモデルが出演します。
 イブニング・ドレス、カクテル・ドレス、スポーツウェアの新作を
 モデルが着用します。カラー映画による解説もあります。
 予約は今すぐ9911番へ。場所はフォート通とマーチャント通の角にあります。


 イーストマン・コダック・ストア
 ホノルル・アドヴァタイザー紙
 1935年6月18日

 サマー・ドレス用にココナッツ・ボタンを。
 とてもおしゃれな流行年間大賞です! 
 100種類ものオリジナルのハワイアン・モチーフで芸術的にデザインされ、
 ココナッツの殻から美しく彫刻され、じっくり磨かれています。
 サイズ多数。
 非常にリーズナブルな価格なので種類豊富な間にお買い求めください。
 イーストマン・コダック・ストア、フォート通1059番地と、カラカウア通2041番地。』


 ホロク・ドレスというのは、裾が長く広がったハワイの伝統的なドレスで、
もともとは西洋から入ったデザインだと思います。
画像は1950年代の新しいものなので、1935年のホロク・ドレスが、
どのような柄だったのか、どのような色だったのかは
想像するしかないのですが、
「目の覚めるような色使い」であることは確かなようです。

 そして、注目すべきなのは「ココナッツ・ボタン」の話です。
1935年には、すでにココナッツ・ボタンがハワイで作られ、
供給されていたのです。
1930年から始まった「ハワイアン・プロダクツ・ウィーク」で、
地元で作られた製品が奨励されていたことを思えば、
1930年代前半に登場していてもおかしくはありません。
材料はいくらでもあるわけですし、
なにより「ハワイらしい」製品として売ることができ、
服に付けるだけでハワイらしい雰囲気になるわけですから、
誰かが目をつけても不思議はありません。

 そしてアロハシャツにもココナッツ・ボタンが付けられるようになっていきます。
(ちなみに、米国本土製のビンテージ・アロハシャツには、ココナッツ・ボタンは
 ほとんど使われていません)つまりココナッツ・ボタンが付いたアロハシャツは、
それだけでハワイの香りをまとっていると言えるのです。


(次回に続く)

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