ハワイの衣料品製造業の歴史 その16 1928~32年 広告が製品の種類を記述した [ファンダバーク著ハワイの衣料品製造業]
ファンダバーク教授の本の翻訳が続きます。
『1928~32年 広告が製品の種類を記述した
ハワイ・クロージング・マニュファクチャリング・カンパニー・
リミテッド(ハワイ衣料品製造株式会社)の1922年の広告に始まって、
衣料品製造会社がハワイの新聞、定期刊行物、人名録に出稿した広告は、
ハワイで製造された衣料品にはどんなものがあるかを明らかにしてきた。
1928年からの、ハワイの出版物に現れた広告のいくつかを以下に紹介する。
ユニオン・サプライ社
ホノルル人名録
1928-29年版
”足袋、ゴム靴、スリッパ、オーバーオール、セイラー・モク、
トラウザー、ジャンパー、衣料品と反物を生産しています。
またアメリカとフィリピンの製品を輸入しています。”
(ファンダバーク注:ホノルル市人名録で、
「セイラー・モク」を広告したのはこれが初めてである。
次年度の人名録の中ではユニオン・サプライ社は
「セイラー・モク」という単語は使わず、
「ユニオン・パンツ」と言い換えている)
ハワイアン・マニュファクチャー・アンド・コミッション社
ホノルル・スターブリトゥン紙
1931年10月3日
”セイラー・モク。ハワイで最良のお品です。
仕事用に、遊び用に、お問い合わせのうえお買い求めください。
セイラー・モク、オーバーオール、パンツ、カバーオール。
10月5日から10日のハワイアン・プロダクツ・ショーで
セイラー・モク・プロダクツの展示をご覧になるでしょう。
ハワイ製。ほとんどの衣料品店で販売。”(セイラー・モクのイラストあり)
ユニオン・サプライ社
ホノルル・スターブリトゥン紙
1931年10月3日
ハワイアン・プロダクツ・ショーの私どもの展示ブースにお越しください。
労働者の衣服と靴を製造しております。
また、缶詰工場、病院、学校などで使う、制服、エプロン、帽子も作っています。
どんなに大きな仕事でもお引き受けいたします。
大量発注の場合はそれに応じてお値引きいたします。
私どものサービスが迅速で丁寧だとお分かりいただけるでしょう。
昨年、陸軍に納入し、ご満足いただきました。”
ハワイアン・マニュファクチャー・アンド・コミッション社
ホノルル・アドヴァタイザー紙
1932年5月1日
”アウト・オブ・ドア・フォークス
(訳者注:アウトドア用品の品評会のようだが詳細不明)で
わが社のセイラー・モクが1等賞を取りました。
セイラー・モクがどのように作られているかを見れば、
なぜそれが役に立つのかお分かりいただけるでしょう。
セイラー・モクは、男性、女性、子供の様々な用途に合わせて
様々なスタイルで作られております。それは地元ハワイの製品です。
ハワイアン・プロダクツ・ショーでは私どもの展示をご覧ください。
ハワイアン・マニュファクチャー・アンド・コミッション社製の
セイラー・モクはこちら(セイラー・モクのイラストあり)。” 』
まず最初に、セイラー・モクというものがどういうものかを
説明しなくてはいけません。
別の個所で、「デニムのトラウザー」のことであるという説明がありました。
ただし、実物や写真、イラストなどを見たことがないので、
正確にどのようなものかはよくわかりません。
(東洋エンタープライズでも
「セイラー・モク」ブランドのアウターは作っていますが、
ボトムスは作っていません)
「セイラー」というくらいですから、水兵の制服のようなトラウザーだと思います。
こんなデザイン(太めシルエット)で、デニム製だったと想像します。
(ビンテージのウール・セイラーパンツ。ヤフオク出品物より引用)
そのうえで、このセイラー・モクが最初に登場するのが1928~29年ごろで、
作ったのが「ユニオン・サプライ社」(ビンテージアロハでも有名なブランド)
だと教授は述べています。
ただし、(教授は述べていませんが、筆者の想像では)
この言葉の使用権を、他社
(ハワイアン・マニュファクチャー・アンド・コミッション社及び、
その後継のセイラー・モク・プロダクツ社)に取られたため、
ユニオン・サプライ社は1年しか使わなかったのではないでしょうか?
筆者は、「アロハシャツ」という名称における、
ムサシヤとキングスミスの関係を思い出します。
「商売のうまい中国系と、商売の下手なお人よし日系」という対比は
うがった見方でしょうか?
次回は、この後の時代の広告を、もう少し見ていくことにします。
(次回に続く)
『1928~32年 広告が製品の種類を記述した
ハワイ・クロージング・マニュファクチャリング・カンパニー・
リミテッド(ハワイ衣料品製造株式会社)の1922年の広告に始まって、
衣料品製造会社がハワイの新聞、定期刊行物、人名録に出稿した広告は、
ハワイで製造された衣料品にはどんなものがあるかを明らかにしてきた。
1928年からの、ハワイの出版物に現れた広告のいくつかを以下に紹介する。
ユニオン・サプライ社
ホノルル人名録
1928-29年版
”足袋、ゴム靴、スリッパ、オーバーオール、セイラー・モク、
トラウザー、ジャンパー、衣料品と反物を生産しています。
またアメリカとフィリピンの製品を輸入しています。”
(ファンダバーク注:ホノルル市人名録で、
「セイラー・モク」を広告したのはこれが初めてである。
次年度の人名録の中ではユニオン・サプライ社は
「セイラー・モク」という単語は使わず、
「ユニオン・パンツ」と言い換えている)
ハワイアン・マニュファクチャー・アンド・コミッション社
ホノルル・スターブリトゥン紙
1931年10月3日
”セイラー・モク。ハワイで最良のお品です。
仕事用に、遊び用に、お問い合わせのうえお買い求めください。
セイラー・モク、オーバーオール、パンツ、カバーオール。
10月5日から10日のハワイアン・プロダクツ・ショーで
セイラー・モク・プロダクツの展示をご覧になるでしょう。
ハワイ製。ほとんどの衣料品店で販売。”(セイラー・モクのイラストあり)
ユニオン・サプライ社
ホノルル・スターブリトゥン紙
1931年10月3日
ハワイアン・プロダクツ・ショーの私どもの展示ブースにお越しください。
労働者の衣服と靴を製造しております。
また、缶詰工場、病院、学校などで使う、制服、エプロン、帽子も作っています。
どんなに大きな仕事でもお引き受けいたします。
大量発注の場合はそれに応じてお値引きいたします。
私どものサービスが迅速で丁寧だとお分かりいただけるでしょう。
昨年、陸軍に納入し、ご満足いただきました。”
ハワイアン・マニュファクチャー・アンド・コミッション社
ホノルル・アドヴァタイザー紙
1932年5月1日
”アウト・オブ・ドア・フォークス
(訳者注:アウトドア用品の品評会のようだが詳細不明)で
わが社のセイラー・モクが1等賞を取りました。
セイラー・モクがどのように作られているかを見れば、
なぜそれが役に立つのかお分かりいただけるでしょう。
セイラー・モクは、男性、女性、子供の様々な用途に合わせて
様々なスタイルで作られております。それは地元ハワイの製品です。
ハワイアン・プロダクツ・ショーでは私どもの展示をご覧ください。
ハワイアン・マニュファクチャー・アンド・コミッション社製の
セイラー・モクはこちら(セイラー・モクのイラストあり)。” 』
まず最初に、セイラー・モクというものがどういうものかを
説明しなくてはいけません。
別の個所で、「デニムのトラウザー」のことであるという説明がありました。
ただし、実物や写真、イラストなどを見たことがないので、
正確にどのようなものかはよくわかりません。
(東洋エンタープライズでも
「セイラー・モク」ブランドのアウターは作っていますが、
ボトムスは作っていません)
「セイラー」というくらいですから、水兵の制服のようなトラウザーだと思います。
こんなデザイン(太めシルエット)で、デニム製だったと想像します。
(ビンテージのウール・セイラーパンツ。ヤフオク出品物より引用)
そのうえで、このセイラー・モクが最初に登場するのが1928~29年ごろで、
作ったのが「ユニオン・サプライ社」(ビンテージアロハでも有名なブランド)
だと教授は述べています。
ただし、(教授は述べていませんが、筆者の想像では)
この言葉の使用権を、他社
(ハワイアン・マニュファクチャー・アンド・コミッション社及び、
その後継のセイラー・モク・プロダクツ社)に取られたため、
ユニオン・サプライ社は1年しか使わなかったのではないでしょうか?
筆者は、「アロハシャツ」という名称における、
ムサシヤとキングスミスの関係を思い出します。
「商売のうまい中国系と、商売の下手なお人よし日系」という対比は
うがった見方でしょうか?
次回は、この後の時代の広告を、もう少し見ていくことにします。
(次回に続く)
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