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ハワイの衣料品製造業の歴史 その11 1925年 商工会議所のリポート(中編) [ファンダバーク著ハワイの衣料品製造業]

ファンダバーク教授の本の翻訳が続きます。


『1925年 商工会議所のリポートが2つの衣料品工場のことをリポート(中編)

   そのリポートには補遺があり、
  「ホノルルにおける、オーバーオール、ワークシャツ等を製造する
  業界の状況に関するリポート」と題されている。
  まず、1925年にホノルルで操業中の2つの衣料品工場での、
  3種類の衣料品の生産に関する経費と価格データを記載している。
  また、その2つの会社の再編と連携、
  及び、それぞれの工場で生産する商品を振り分けること、
  つまり”オーバーオールは一方の工場で、ワークシャツはもう一方の工場で”
  生産することを勧めている。
  さらには、女性もののドレスやその他の衣料品も
  ホノルルの工場で製造したほうが良いと提案している。
  そのリポートは以下の通り。

   ”ホノルルにおける、オーバーオール、ワークシャツ等を製造する
   業界の状況に関するリポート” 

   ”ロサンゼルスにある、子供用遊び着、オーバーオール、
   ワークシャツのメーカー、ブラウンスタイン-ルイス社の
   アントニオ・カストロ氏は、自身の経験に基づいて、
   1つの工場がやっていくのに必要なビジネスの規模感のデータを提示した。
   20台のミシンを備えた工場なら、
   1か月に400ダースのオーバーオールを製造し、
   1ダース当たり18ドルで販売する計算で、1か月に7200ドル、
   年間約75000ドルのビジネスをすべきだ。”

   ”現在のホノルルなら、粗利額は1ダース当たり約5ドル、年間24000ドルとなる。
   ホノルルで現在稼働している2つの工場には、
   それぞれ32台と26台のミシンがあるので、年間22万ドル相当、
   その分を輸入したと換算するなら35万ドル相当もの、
   オーバーオール、ジャンパー、子供用遊び着、ワークシャツが
   ホノルルで作られることになる。”

   ・オーバーオール
     材料費・人件費等 1ダース当たり13ドル
     販売価格     1ダース当たり18ドル
     粗利額             5ドル
     ハワイでの年間消費数  40000ダース

   ・子供用遊び着
     材料費・人件費等 1ダース当たり6ドル
     販売価格 Sサイズ 1ダース当たり7.25ドル
          Lサイズ 1ダース当たり7.75ドル
     粗利額             1.25/1.75ドル
     ハワイでの年間消費数  20000ダース  

   ・ブルーシャツ(訳注:シャンブレーシャツ)
     材料費・人件費等 1ダース当たり5ドル
     米国西海岸までの船賃      0.25ドル
     販売価格     1ダース当たり6ドル
     粗利額             0.75ドル
     ハワイでの年間消費数  12000ダース
     *カリフォルニアの競合社より約2ドル安い、
      1ダース当たり7ドルで販売できる可能性あり』



材料費や人件費などの細目は読みにくくなるので省略しました。
ただし、オーバーオールと子供用遊び着(素材不明)に
「28インチ幅」の生地(おそらくデニム)が使われていることは、
注目すべき点でしょう。

なお、筆者はワーク・クロージングに関する知識はほとんどないので、
「ブラウンスタイン-ルイス社」のことは全く知りませんでした。
そのため、検索してみたところ、
「Workers」という専門ブログでの紹介記事が見つかりましたので、
詳しくはそちら
http://www.e-workers.net/manucatures/brownstein/1.htm
をご覧ください。

1895年、カリフォルニア州ロサンゼルスにてD.J.Brownstein、H.W.Louis、P.A.Newmarkにより卸商として創業。
1897年には12台のミシンとともにオーバーオールの製造を開始。

とのことです。

BROWNSTEIN-LOUIS CO.jpg
BROWNSTEIN-LOUIS CO steeve.jpg
BROWNSTEIN-LOUIS CO patent2.jpg
(Workersさんのブログより借用)


(次回に続く)
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