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会員誌「パートナー」2002年6月号掲載 「アロハシャツの歴史」その3 [月刊パートナー]

パートナー2002年6月号掲載 「アロハシャツの歴史」その3

最初は日本調の和服柄だった

(その2から続く)

 そもそもこの「アロハ」という言葉は、よく「愛」という意味だと思われているが、
実際は「歓迎」というニュアンスに近い。
そして1935年頃には一種の流行語だったようだ。
流行のきっかけは、34年7月に、当時アメリカ中で人気のあったルーズベルト大統領が
ハワイを訪れたことにあると私は想像している。

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(『ウィキペディア(Wikipedia)』より転載)

そのとき発行された新聞の特別版を見ると、
企業や商店の広告に「アロハ ルーズベルト大統領」というフレーズが溢れている。
それ以前の新聞には、アロハという文字はほとんど出ていなかったのにだ。
翌35年には入港した太平洋艦隊を人々は大歓迎し、
再び新聞に「アロハ」が氾濫する。
この35年という年は、大恐慌後の不景気から立ち直り、
観光客が増えていく節目となる時期に当たる。
パンナムがアメリカ西海岸とハワイを結ぶ小型飛行機便を就航させたのも
この年の4月のことだ。

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(『ウィキペディア(Wikipedia)』より転載)

こうして「アロハ」が、
盛り上がりつつある観光業界の流行語になったとしても不思議ではない。
実際、「アロハティーセット」や「アロハコースター」というみやげ品もあったくらいだ。
「アロハシャツ」という言葉もこのころ生まれたと考えるのが自然である。
ムサシヤ・ショウテン(武蔵屋商店)という生地店が
「アロハシャツ」の文字を新聞広告に使ったのがこの35年6月のことであり、
これが活字として記録された最初の文字とされているから、
34~35年頃に生まれた言葉だと言えそうである。
(次回に続く)
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