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ライトニング別冊ハワイ本~「アロハシャツの歴史」その2 [ライトニング]

2003年3月発行 ライトニング別冊ハワイ本 掲載
「アロハシャツの歴史」その2

(その1から続く)
 「34~35年説」のもう一つの根拠は、唐突なように聞こえるかもしれないが、
34年7月26日に、ルーズベルト大統領がハワイを訪れたことである。
当時彼は全米で人気があり、ハワイでも熱烈に歓迎され、新聞の特別号も発行された。
そこには、「大統領歓迎」という文字と、
会社名や店名とを組み合わせた広告が多数掲載されている。
その紙面で「歓迎」の意味に使われている言葉が「アロハ」だ。
そして統計にも表れていることだが、
大恐慌により低調だった経済が34年から上向き、本土からの観光客も増え始めている。
またパンナムがアメリカ西海岸とハワイを結ぶ小型飛行機便を就航させたのが
翌35年4月のことだ。
こうして「アロハ」が、大統領の訪問をきっかけに、
観光業界の流行語になったとしても不思議ではない。
実際、「アロハティーセット」や「アロハコースター」というみやげ品もあったくらいだ。
そのような時代背景を考えると、
34年後半から35年前半頃、それまで名前の付いていなかった派手な和柄のシャツが、
観光客を「歓迎」するという意味を込めて「アロハシャツ」と命名され、
みやげ品としてダウンタウンの店々で売り出されたという話も真実味を帯びてくる。
35年にはビング・クロスビーも来島し、アロハシャツを買っている。
彼が持ち帰った結果、
30年代後半のハリウッドではお洒落な服と見なされるようになり、
映画スターがハワイを訪れては買っていった。
そしてハワイを訪れる一般観光客にも人気のみやげ品となっていく。

 ところが38~39年頃、熱帯の花やサーファー、フラガールといった
ハワイ風の柄が登場する。

R0012515.jpg
(1940年刊行の雑誌に掲載された写真。筆者コレクションより)

日本調の柄が飽きられたのか、ハワイらしくないと思われたのだろう。
リゾート気分にあふれたハワイ柄の生地をわざわざ新しく作っても元が取れるほど、
アロハシャツは大量に作られ、一般的になったということだ。
こうしてハワイ的な柄が主流になるのである。
(次回に続く)
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