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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その145 1970年代の衣料品生産(3) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在の話題は「1970年代の衣料品生産」です。



『第8章「1970年代:民族の祝賀

 衣料品生産(3)

 (訳者補足:以下、1979年の記事からの引用)

(続)新たな人気は、デザイナーたちからではなく、
サーファーたちから始まった。

彼らはスリフトショップで1940年代の古いシャツを
買い始めたのである。

ホノルルのお洒落な、複数の紳士服店は、
本物の「アンティーク」のシャツをストックし始めたし、
ヴィンテージのシャツが足らなくなると、
複数のメーカーは「長期間使っていなかった歴史を使い始め」、
レプリカ品が生産ラインから出てきたのである。

今日(1979年)、「新品の」シルキーズや、
伝統的なムームーやアロハシャツを生産している
アパレル・メーカーは130社ある
(1979年刊『アロハ・マガジン』内、ディー・ディクソン執筆
 「ハワイ、島々と同じくらいカラフルなファッション」より引用)。』




筆者は上の文章を読んだとき、
以前取材した、あるヴィンテージアロハ・コレクターが、
「1970年代にカリフォルニアのスリフトショップで、
 ヴィンテージアロハが二束三文で売られていたのを買った」
と話していたことを思い出しました。

スリフトショップというのは、基本的には家庭などの不用品を、
寄付などの形で集めて販売しているので、
1950年代のヴィンテージアロハが家庭で整理され、
1970年代に、ちょうど店頭に並んでいたとしても不思議ではありません。

サーファーたちがそれに目を付け、安く買って着ていたということでしょう。


「レプリカ品が生産ラインから出てきた」という部分も面白いですね。
例えばオーシャン・パシフィックの製品で
ヴィンテージと同じ柄を見かけることがよくあるのですが、
それは、上の記述にあるようないきさつから作られたわけですね。
今回初めて知りました。


ヤフオクで探してみたところ、こちら ↓ が見つかりました。

i-img900x1200-1629875404ibu2ks74206.jpg

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n1001564608


この水上スキーの柄は、
結構いろいろなブランドのヴィンテージで見かけますが、
例えば、ペニーズメイドインジャパンに同じ柄があります。こちらです。

s-DSCN5508.jpg

(筆者コレクションより)


またロイヤルハワイアンにも、縮緬製の同じ柄があります。こちらです。

s-104.jpg

(筆者コレクションより)

じっくり見比べれば全く同じ柄であることがわかるでしょう。



ところで筆者は、上の記述に出てくる
「ホノルルのお洒落な、複数の紳士服店は、
 本物の『アンティーク』のシャツをストックし始めた」
という部分に激しく反応してしまいました。

「ホノルルのお洒落な、複数の紳士服店」という表現で
筆者が思い起こすのは、
アンドレード、ロス・サザランド、ザ・ハブ、クレイマーズあたりですが、
そのどこかの店で、新品のシャツと一緒に、
ヴィンテージ・アロハを売っていたというのが新鮮だったからです
(現代のセレクトショップのような売り方ですね)。

どのような柄が売られていたのでしょうか?
メニュー柄とかゴーギャンとかでしょうか?
想像すると楽しくなってきますね。



(次回に続く)

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