SSブログ

リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その68 1945年~1950年代半ばの衣料品生産(2) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

前回から「1945年~1950年代半ばの衣料品生産」について語られています。


『第5章「1945年~1950年代半ば
     :クラシック・シルキーズ(古典的レーヨン羽二重)

  衣料品生産(2)

(続)
いくつかの衣料品メーカーが(1940年代後半から50年代前半に)ビジネスを始め、
地元ハワイ市場と米国本土市場との両方に狙いを付けた。

1946年にマリヒニ・スポーツウェアは
男女両方向けの衣料品を製造するべく法人化した。

この家族経営ビジネスは現在も操業しており、
デザイナーのレイ・ササキは、観光客向けの月並みなものではないアロハ服を
首尾一貫して創作してきた
(著者注:1980年9月のホノルル・スターブリトゥン紙記事より引用)。

スポーツウェアの、よりグローバルな未来像に狙いをつけることで、
シャヒーンやのちのトリ・リチャードも同様に月並みでないアロハ服を創作し、
これらのメーカーは成功し続けた。』



1940年代後半から50年代前半にビジネスを始めた
アロハシャツメーカーがいくつか取り上げられています。

ここに挙げられたメーカーだけでなく、
はっきり言って、ヴィンテージで知られるアロハシャツメーカー
(戦前からやっている御三家=カメハメハ/カハラ/ロイヤルハワイアンを除けば)の
ほとんどすべては、この時代にスタートしたと言っても過言ではないでしょう。

マリヒニは、それほど独自だったとは思いませんが、
シャヒーンズは一風変わった(例えば東洋風など)アロハシャツを作っていましたし、
トリ・リチャードも、あえてハワイ柄ではない、
ハイファッションな柄のシャツを作っていたようなので、
この2社は独自だっただろうと思います。

トリ・リチャードは、アロハシャツ全盛期が過ぎたあとの1956年の創業なので、
ハイファッションに目を向けていたというのは納得できるところではあります。

ただし、初期のトリ・リチャードのヴィンテージシャツというのは
なぜかほとんど出てきません。
確かに初期は女性物に力を入れていたようなので少ないのは確かですが、
それでも1950年代製のヴィンテージシャツは絶対に現存するはずなのです。

古そうなトリ・リチャードのシャツを筆者は1度だけ見たことがあり、
それが、筆者が見かけた唯一の「ヴィンテージ・トリ・リチャード」です。
シルク製なので1950年代後半頃のものだと思います。

600x450-2014102400077.jpg

(過去のヤフオク出品物より引用)

絵皿柄なので、和柄の一種ですね。
絵皿柄は1950年代後半頃に多かった柄になります。

ぜひ「ヴィンテージ・トリ・リチャード」をもっと見つけ出したいですね
(アロハシャツっぽい柄でなくてもいいです)。




(次回に続く)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ファッション

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。