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ハワイの衣料品製造業の歴史 その136 1946年 ハワイでの、オーダーメードのデザイナーと服のスタイル(9) [ファンダバーク著ハワイの衣料品製造業]

ファンダバーク教授の本『ハワイの衣料品製造業の歴史』の翻訳をお届けしています。
現在は、戦中・戦後編の章を、少しずつ翻訳しているところです。

前回に引き続き、
「ハワイでの、オーダーメードのデザイナーと服のスタイル」の項になります。
この項は少し長いため、まだしばらく続きます。


『1946年 ハワイでの、オーダーメードのデザイナーと服のスタイル(9)

  エルシー・ダース・・・1928年からずっとハワイに住んでいる
 傑出した芸術家、エルシー・ダースは、
 1953年に、女性物の服のオーダーメード・デザインに転向した。
 すなわち、カラカウア通り2123番地に、
 エルシー・ダース・ハワイアン・オリジナルズという名の
 ドレス・ショップを開いたのである。
 そしてその後の10年で彼女は傑出したオーダーメードのデザイナーとなった。

Elsie-Das-Hope-400.jpg

 女性物の服のオーダーメード・デザイナーになるという彼女の決断には
 いくつかの要因が影響している。

 彼女は美術教育を受けたのち、
 1930年代にハワイのファブリック・デザインの、初期のクリエーターの1人となり、
 1940年代半ばにはイースト・インディア社(すなわちワットムルス)で
 ハンドブロック・プリントの担当者として雇われるようになった。

エルシー・ダース・デザインのワンピース.jpg

 1940年代末に本土で美術を勉強し直したのち、ハワイに戻って絵を描き始めた。
 1951年に世界を旅して回ったのだが、
 その旅で多くの布地やオーダーメードのデザインを目にすることとなった。
 インドではサリーの布の美しさに感銘を受け、
 イタリアでは熟練した職人の小さな店をたくさん訪れた。

 これらの様々な要因が相まり、さらには、
 芸術で自由に創作表現したいという欲求も芽生えた結果、
 オリジナル・デザインの服を作ることができる
 オーダーメード・デザインの店をワイキキに開くに至ったのである。

 オーダーメードの服を作るのに必要なスキルを身に着けるため、
 ニューヨークで型紙の作り方や布地の裁断の仕方を学んでもきた。

 1950年代初頭にホノルルに戻り、店を開いてしばらくすると、
 彼女の服のデザインとシルエットは、
 ハワイのオーダーメード衣料を買う人々の間で有名になった。』

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(1955年の、エルシー・ダース・ハワイアン・オリジナルズの広告。
 Etzyの過去の出品物より引用)



これまでも何度かご紹介したエルシー・ダースが、今回の話題です。
経歴はここに書かれている通りで、
ハワイのテキスタイル・デザインを早くから支えていた1人です。

ワットムルスの、初期のヴィンテージ・アロハシャツの中には、
エルシー・ダースがデザインした柄があるかもしれません。
(が、どれがそうなのかは残念ながらわかりません)
おそらく、花などの植物の柄だと思われます。


エルシー・ダースがハワイの衣料品史上、重要人物だからなのか、
ファンダバーク教授も詳しく記述しているため、
彼女の話題はまだしばらく続きます。



(次回に続く)

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