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『ヴィンテージアロハシャツ』57~第五章 日系人タカブキの半生を解き明かしたい●また、高吹勇の魂に引き寄せられてしまった [枻文庫『ヴィンテージアロハシャツ』]

しばらくは、2005.10.6発売/現在品切れ の拙著 
枻文庫『ヴィンテージアロハシャツ』から、
文章を再録します。

https://www.ei-publishing.co.jp/magazines/detail/lightning-c-401979/

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%8F%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%84-%E3%82%A8%E3%82%A4%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%A7%92%E7%94%B0-%E6%BD%A4/dp/4777903990

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77790399.jpg

第五章 日系人タカブキの半生を解き明かしたい
●また、高吹勇の魂に引き寄せられてしまった

 そして今年、つまり二〇〇五年、
また高吹勇の魂に引き寄せられたのかと思えるような出来事があった。
と言うと少々大袈裟だが、とても珍しいアロハシャツに出会ったのだ。
それは、実物はもちろん、本の中でもまだ見たことがなかった
「Takabuki Co」というレーベルが付いたシルク製アロハ。

Takabuki Co. 鶴・富士・小槌 レーベル.jpg
(筆者コレクションより)

富士山と宝船と鶴と小槌という縁起物尽くしの柄は、
キモノの生地をそのまま使ったようにも思えるが、
生地の幅が小幅でないことや色使いがカラフルなことからも、
キモノの生地そのものではないはず。

Takabuki Co. 鶴・富士・小槌 柄2.jpg
(筆者コレクションより)
Takabuki Co. 鶴・富士・小槌 柄1.jpg
(筆者コレクションより)

かといって柄の出方を見ると、
アロハシャツ用にプリントされた生地でもなさそうだ。
ならば、輸出用に作られた広幅のキモノ柄生地だと推測できる。
ということは、これはかなり初期の和柄アロハだということになる。
高吹勇がハワイと日本の間を頻繁に往復するようになった一九四〇年代後半頃に、
京都で開拓した独自のルートを使って、広幅のキモノ柄生地を調達し、
試しに少量だけ作ったアロハシャツーー。それが僕の見立てだ。

Takabuki Co. 鶴・富士・小槌 表.jpg
(筆者コレクションより)

 高吹が、アロハシャツ・ビジネスを始めたばかりの頃に作った、記念すべきシャツが、
いろいろな人の手を経て僕のもとにやってきた。
宝物として大切にしたいと思っている。
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