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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その64 1945年~1950年代半ばの布地(9) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在は、「1945年~1950年代半ばの布地」について語られています。
今回は、ジョン・メイグスについてです。


『第5章「1945年~1950年代半ば
     :クラシック・シルキーズ(古典的レーヨン羽二重)

  布地(9)

 ジョン・メイグスはタパのデザインに魅了された画家であった。

彼は大手メーカーのために作品をデザインし始め、
またケオニというハワイの名前でデザインすることもした。

1939年に創作した、タパをベースにした彼のデザイン例は現在残っていないが、
その一方で、ハワイの文化、花、海中生物といった、
タパ以外のものに関するモチーフを使った彼のデザインによるアロハシャツは、
現在、個人的に収集されている。

ケオニの後期(1940年代後半から1951年まで)の作品は、
ハワイのテキスタイル・デザインにおける抽象芸術の始まりを予言していた。』



ジョン・メイグスはイリノイ州シカゴで生まれ、
1938年にハワイに渡ってきたそうです。

1940年代に入ってからテキスタイル・デザインを行っていたと
筆者は聞いていましたが、
上の記述には「タパをベースにしたデザインを1939年に創作した」とあります。
また「タパのデザインに魅了された画家であった」とも書かれています。

筆者には初耳の話です。
出典が明らかにされていないのがいささか残念です。

彼もまたビショップ博物館に足しげく通い
スケッチをたくさんしたという話は聞いているので、
タパのデザインに魅了されたとしても確かに不思議ではありません。

1939年とか40年代前半頃はタパ・デザインが人気だったので、
彼の手になるタパ柄が(そうとは知られずに)存在するのかもしれません。

ジョン・メイグス.jpg

ジョン・メイグス2.jpg


「ハワイの文化」を取り上げた柄としては、
カヒリを描いた、こちら ↓ や、

i-img600x600-1611892629vzrqqz147335.jpg

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/q430983131

カヒリとヘルメットを描いた、こちら ↓

i-img1200x900-1619910648norrnt257835.jpg

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/j727698138

などが、ジョン・メイグスの作だと言われており、
どちらも、ビショップ博物館でのスケッチを元にしたと思われるような
ハワイ文化をストレートに表現した柄となっています。



(次回に続く)

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