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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その63 1945年~1950年代半ばの布地(8) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在は、「1945年~1950年代半ばの布地」について語られています。


『第5章「1945年~1950年代半ば
     :クラシック・シルキーズ(古典的レーヨン羽二重)

  布地(8)

 (アルフレッド・シャヒーンの言葉の続き)
  うちのデザイナーたちには
  ビショップ博物館に行ってカパ(訳注:タパのこと)をじっくり観察してもらい、
  またイラストに起こせるような工芸品を探してもらいました。

  私が彼らにしてもらいたかったことは、基本的には、
  そこになんらかの意味があるテキスタイル・デザインを創作することであって、
  他の誰もがするような、
  つまりサーフボードやヤシの木などを散らすような
  布地の上のいたずら書き的なデザインを創作することではありませんでした。

  ですから私とデザイナーたちは、
  より実体のあるものをテキスタイル・デザインに込めようとしましたし、
  下げ札には、デザインの裏にある物語を書こうとしました。」
  (著者注:1999年2月のアルフレッド・シャヒーンへのインタビューより引用)』





筆者もビショップ博物館を見学したことがありますので、
あそこの収蔵品のすごさはよくわかります。

当時のテキスタイル・デザイナーたちの多くが博物館で古い工芸品を模写し、
それを生かして柄を描いていたというのは納得がいく話です。

例えば、タパのコレクションには、このようなもの ↓ がありました。

s-DSCN6450.jpg

(筆者コレクションより)

展示説明には
「タパの断片で飾ったフラ用のスカート/クイーン・カラマの収集品/1889年」
と書かれていました。

シャヒーンズのヴィンテージアロハシャツには、
タパ(カパ)を思わせる、こんな ↓ 柄もあります。

s-DSCN5425.jpg

(筆者コレクションより)

この柄のタイトルも、ずばり「カパ・ポニポニ」(poniponiの意味が不明)です。



ビショップ博物館には、ほかにも、フェザー・ケープ

s-DSCN6072.jpg

や、ウリウリ

s-DSCN6463.jpg

など、よくアロハシャツのモチーフになっているようなものが
たくさん展示されており、
「ああ、こういうものをスケッチして柄に起こしたんだろうな」と
想像されました。


ハワイに行けるようになったら、ぜひ皆さんもビショップ博物館に行って、
古代の工芸品を見てみてください。
ヴィンテージアロハシャツを見る際の参考になりますよ。



(次回に続く)

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