ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ(100)縮緬の和柄(後) [ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ]
ゴールデンウィーク特別企画として、
「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」の
連続・拡大版をお届けしています。
今回のテーマは前回に続いて「縮緬の和柄」です。
歴史の流れなどは、前回の第99回
https://vintage-aloha-shirt.blog.ss-blog.jp/archive/20210502
をご覧ください。
さっそくヤフオク出品物をご紹介しましょう。
まず最初はこちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o471870440
ブランドは「シルバー・オブ・ハワイ」で、珍しい日本製です。
日本製ということは、1950年代製と言っても、やや遅めの、
1953年とか54年あたりではないかと推測します。
「シルバー・オブ・ハワイ」は、縮緬のハワイ柄が圧倒的に多く、
縮緬の和柄は珍しいと思います。
後発のメーカー(創業はおそらく1950年代になってから)で、
だからこそ「日本製」に特化して差別化したのだと思います。
以前、京都の関係者に聞いたことがあるのですが、
このメーカーは「縮緬プリントの質を落とした」(おそらくコストカットが理由)
そうで、確かに、手の込んだ上質なプリントは少ないように思います。
そんな中にあって、こちらの和柄は、
(画像で見る限り)なかなか凝ったプリントのようで、
そんなところからも、このメーカーとしては初期の製品ではないかと思うわけです。
続いてご紹介するのはこちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s803666148
ブランドは「キロハナ」で、木々と石灯籠という、比較的地味な風景柄です。
キロハナ・ディストリビューター社には、大きく言って
「キロハナ」と「アリイロレ」の2つのブランドがあり、
同じ柄が両ブランドで出ていたりもします。
「アリイロレ」はかなり長く作られたようですが、
「キロハナ」は製造年代が短かったように思われます。
この和柄も、比較的地味な風景柄というところから、
最初期(1950年あたり)ではなく、
少しあと(1954年とか55年。もっと後の可能性も)のもののように見えます。
そしてこちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n504745065
「チェリー・ブロッサム」の製品で、
この和柄も、上の「キロハナ」と同様に少し遅い1954年とか55年あたり
(もっと後の可能性もあります)のもののように見えます。
さらにこちら ↓ も。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/l667942496
織ネームが欠損しており、ブランドは不明ですが、
両胸にポケットがあり、竹ボタンでないところから、
米国本土(西海岸)のブランドだと推測します
(ハワイの小規模店が作ったという可能性もありますが、
ハワイのメーカー製ではないと思います)。
お城と松と赤い花と富士山と、小さいですが流鏑馬をしている武士
という取り合わせの風景柄で、
比較的凝った柄というところから、
比較的初期(1951年とか52年頃)のものではないかと推測します。
最後は、とっておきの、こちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d116132524
最強の「トラ柄」です。確かサンサーフからも復刻されている有名な柄ですね。
ただ、これも織ネームがなく、ブランドはわかりません。
しかしこのような「派手な和柄」は初期(1950年~51年頃)のものだと
筆者は推測しています。
ハワイ製ということでほぼ間違いないでしょう。
最後、と思っていたら、もっと古そうなのを見つけました。こちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n360588615
これも織ネームがないため、いつ頃、どこで作られたかはよくわかりませんが、
生地のアップを見ると、その質感や色の落ち方から、
戦前の、「シルクの壁縮緬」のように見えるのです。
柄も、鶴や宝船や富士山などが戦前のもののように見えます
(これらの柄は、戦後すぐにも出てきているので、
柄だけで戦前のものとは言い切れません)
戦前の、最初期のアロハシャツ(和柄)は、プルオーバーというのが定説で、
一方、このシャツはプルオーバーではないため、
最初期のものではないかもしれません。
しかし、その少し後、1938年とか、1940年とかのものかもしれません。
あるいは生地だけは戦前のものだが、仕立てたのは戦後、という可能性もあります。
ただし作られたのは、縫製の感じから見て、
工場ではなく小規模店であろうことは、ほぼ間違いありません。
一方、こちら ↓
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m348921757
は、柄だけを見ると、上のものと似ていますが、
織ネームや肩の縫製などから、戦後のもののように思えます。
このあたりのものはどれも似ていて、
しかも基準にできる、年代が確実なヴィンテージが非常に少ないこともあって、
年代を特定するのが非常に難しいです。
縮緬の和柄は、奥が深いです。
侮れませんよ。
(次回に続く)
「ヤフオクで見かけたヴィンテージアロハシャツ」の
連続・拡大版をお届けしています。
今回のテーマは前回に続いて「縮緬の和柄」です。
歴史の流れなどは、前回の第99回
https://vintage-aloha-shirt.blog.ss-blog.jp/archive/20210502
をご覧ください。
さっそくヤフオク出品物をご紹介しましょう。
まず最初はこちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o471870440
ブランドは「シルバー・オブ・ハワイ」で、珍しい日本製です。
日本製ということは、1950年代製と言っても、やや遅めの、
1953年とか54年あたりではないかと推測します。
「シルバー・オブ・ハワイ」は、縮緬のハワイ柄が圧倒的に多く、
縮緬の和柄は珍しいと思います。
後発のメーカー(創業はおそらく1950年代になってから)で、
だからこそ「日本製」に特化して差別化したのだと思います。
以前、京都の関係者に聞いたことがあるのですが、
このメーカーは「縮緬プリントの質を落とした」(おそらくコストカットが理由)
そうで、確かに、手の込んだ上質なプリントは少ないように思います。
そんな中にあって、こちらの和柄は、
(画像で見る限り)なかなか凝ったプリントのようで、
そんなところからも、このメーカーとしては初期の製品ではないかと思うわけです。
続いてご紹介するのはこちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s803666148
ブランドは「キロハナ」で、木々と石灯籠という、比較的地味な風景柄です。
キロハナ・ディストリビューター社には、大きく言って
「キロハナ」と「アリイロレ」の2つのブランドがあり、
同じ柄が両ブランドで出ていたりもします。
「アリイロレ」はかなり長く作られたようですが、
「キロハナ」は製造年代が短かったように思われます。
この和柄も、比較的地味な風景柄というところから、
最初期(1950年あたり)ではなく、
少しあと(1954年とか55年。もっと後の可能性も)のもののように見えます。
そしてこちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n504745065
「チェリー・ブロッサム」の製品で、
この和柄も、上の「キロハナ」と同様に少し遅い1954年とか55年あたり
(もっと後の可能性もあります)のもののように見えます。
さらにこちら ↓ も。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/l667942496
織ネームが欠損しており、ブランドは不明ですが、
両胸にポケットがあり、竹ボタンでないところから、
米国本土(西海岸)のブランドだと推測します
(ハワイの小規模店が作ったという可能性もありますが、
ハワイのメーカー製ではないと思います)。
お城と松と赤い花と富士山と、小さいですが流鏑馬をしている武士
という取り合わせの風景柄で、
比較的凝った柄というところから、
比較的初期(1951年とか52年頃)のものではないかと推測します。
最後は、とっておきの、こちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d116132524
最強の「トラ柄」です。確かサンサーフからも復刻されている有名な柄ですね。
ただ、これも織ネームがなく、ブランドはわかりません。
しかしこのような「派手な和柄」は初期(1950年~51年頃)のものだと
筆者は推測しています。
ハワイ製ということでほぼ間違いないでしょう。
最後、と思っていたら、もっと古そうなのを見つけました。こちら ↓ です。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n360588615
これも織ネームがないため、いつ頃、どこで作られたかはよくわかりませんが、
生地のアップを見ると、その質感や色の落ち方から、
戦前の、「シルクの壁縮緬」のように見えるのです。
柄も、鶴や宝船や富士山などが戦前のもののように見えます
(これらの柄は、戦後すぐにも出てきているので、
柄だけで戦前のものとは言い切れません)
戦前の、最初期のアロハシャツ(和柄)は、プルオーバーというのが定説で、
一方、このシャツはプルオーバーではないため、
最初期のものではないかもしれません。
しかし、その少し後、1938年とか、1940年とかのものかもしれません。
あるいは生地だけは戦前のものだが、仕立てたのは戦後、という可能性もあります。
ただし作られたのは、縫製の感じから見て、
工場ではなく小規模店であろうことは、ほぼ間違いありません。
一方、こちら ↓
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m348921757
は、柄だけを見ると、上のものと似ていますが、
織ネームや肩の縫製などから、戦後のもののように思えます。
このあたりのものはどれも似ていて、
しかも基準にできる、年代が確実なヴィンテージが非常に少ないこともあって、
年代を特定するのが非常に難しいです。
縮緬の和柄は、奥が深いです。
侮れませんよ。
(次回に続く)
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