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リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』その9 20世紀初頭 布地と服の生産(2) [リンダ・アーサー著『20世紀のアロハ服』]

元ハワイ大学教授のリンダ・アーサー氏が書いた
『20世紀のアロハ服』という本の翻訳をお届けしています。

現在は、「20世紀初頭」の章の、「布地と服の生産」という部分を翻訳しています。



『第3章 20世紀初頭

  布地と服の生産(2)

 20世紀初頭の女性の服は、
19世紀に起こされたパターンに従って、基本的には家庭で作られていた。

しかし、20世紀初頭にテーラー、着物の仕立屋、オーダー・シャツの仕立屋などが
ハワイに入ってきたことにより、
服を仕立てる場が家庭から店へと移っていった。

それと同時に、既製服、特に労働着(ワーク・クロージング)が、
米国、アジア、欧州からハワイ準州に持ち込まれた。

ホノルルの2つの大手小売店、
すなわちワットムルス・イースト・インディア・ストア(現在のワットムルス)と、
1929年までにリバティ・ハウスとして知られるようになった店とが、
上質な服の輸入を、1922年までには広告していた。

また、多くの広告が布地の販売を告知しており、
このことは、当時作られていた服の大半が家庭で、
自分の家族のために作られていたことを示唆している。』



手元に、1920年代の広告はありませんが、
1931年のリバティ・ハウスの広告がありますのでお見せします。

リバティ・ハウス広告.jpg

(筆者コレクションより)

ベンベルグのクレープにプリントが施された生地や、
レーヨン・コットンのシャンタンに「シックなプリント」が施された生地
(「シックな」というのはどのような柄なのでしょうね)
などが販売されていました。

「花柄」のように、特定の柄名が書かれていないので、
ストライプかチェックなどのオーソドックスな柄だと思いますが、
ちょっと気になります。

ともかく、家庭で服を作る人が多かったことはよくわかります。


なおこの本では、
広告などの資料の写真が掲載されておらず、具体的なイメージがつかみにくいです。

版権の関係で仕方がないのでしょうが、少々残念ですね。



(次回に続く)

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