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ハワイの衣料品製造業の歴史 その269 1955年~56年 カジュアル・ウェアがハワイの生産を支配した(2) [ファンダバーク著ハワイの衣料品製造業]

ファンダバーク教授の本『ハワイの衣料品製造業の歴史』の翻訳をお届けしています。

この章「ハワイで製造される衣料品の種類」では、衣料品のタイプ別に語られており、
前回から、1955年~56年のカジュアル・ウェアについて記述されています。


『1955年~56年 カジュアル・ウェアがハワイの生産を支配した(2)

 「アロハ」シャツという用語がハワイで頻繁に使われるようになったのは、
アロハ・ウィークが始まってからのことであるが、
そもそもはアロハ・ウィークが始まる10年前に生まれた用語である。

それに対して本土の小売店の広告はこれまで、
「アロハ」シャツという用語をほとんど使ってこなかった。

パサデナのバロックス百貨店が1956年に出した広告には
「アロハ」シャツのイラストがあった。

本土での小売店の広告がより頻繁に使ってきたのは、
アロハシャツよりもスポーツ・シャツという用語である。

シャツの生地デザインのことを描写した広告がいくつかあるが、
それらはしばしばハワイアン・プリント・シャツ、すなわち
「トロピカル・フラワー・プリントのスポーツ・シャツ」とか
「羽根タパ・プリントのスポーツ・シャツ」とか
「タヒチアン・ボーダー・プリントのスポーツ・シャツ」の広告であった。

本土の広告はまた、「ビーチ・シャツ」という用語も使ってきた。

シャツが、ショートパンツや海水パンツと一緒に広告される際には、
「お揃いのシャツ」とか「裾を入れても出しても着られる、お揃いのシャツ」とか
「半袖シャツ」とか「ボーイズ・シャツ」とか
「ジュニア・サイズのワイキキ・シャツ」と呼ばれてきたかもしれない。』



以前にも述べたことですが、
「アロハ」シャツという用語は、ムサシヤ・ショウテンが1935年に最初に広告で使い、
キング・スミス・クロージアが1936年に商標として登録したものです。

ところが戦後にアロハ・ウィークが始まると、
「アロハ・ウィークのシャツ」のように受け止められることで、
特定のブランドと言うよりも「ハワイアン・プリントのシャツ」全般を指すと
認識されるようになり、
それまで使用をためらってきた小売店も広告に使うようになったことで、
広く普及した、と筆者なりに補足しておきます。

また本土では「アロハシャツよりもスポーツ・シャツという用語」が
よく使われたとも書かれています。

これも以前に述べたことがありますが、そのようなわけで、
(アメリカ西海岸から仕入れることの多い)日本の多くの古着屋さんは、
「アロハシャツ」と呼ばず「ハワイアン・シャツ」と呼ぶのだと筆者は考えています。


ところで、「パサデナのバロックス百貨店が1956年に出した広告には
「アロハ」シャツのイラストがあった。」と書かれていますが、
「アロハシャツ」という表記がなされていたのかについては書かれていません。
ただ、その広告に「アロハシャツ」という表記があったのではないかと
筆者は推測しています。
というのも、バロックス百貨店はハワイのカハラのアロハシャツを
販売していたことがわかっており、
それがカハラのシャツの広告だったのかもしれないと思うからです
(もちろん確信はありません)。

DSCN6928.JPG

(筆者コレクションより)


ちなみに、その「パサデナのバロックス百貨店」は
建築物が有名なので、ご紹介しておきましょう。

s-l1600.jpg

.jpg


こちらのサイト(www.garde-intl.com)では
「50年代の建築デザインを大きく取り入れたキャノピー、階段、造園デザインが
未だ残っている。」と紹介されており、
最近の写真(メイシーズになっている)もあったので引用させていただきます。

パサデナのメイシーズ.jpg

(www.garde-intl.comより引用)

ぜひ行ってみたい建物ですね。




(次回に続く)

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